何かと話題の車である新型クラウンクロスオーバーに乗ってきました。
執筆意欲が湧かないので走り書きでさらっと感想を
先代に比べて大幅にサイズアップしたボディはボリューム感満点
フーガに慣れると車高アップはそこまで気にならず、何を目くじら立てているんだというレベル。
ボンネットは見渡せるが誰でも運転しやすいかと言われると素直にハイとは言えないが、この手の車を乗り慣れた人なら不便に感じることはないだろう。
ルーフは身長173cmの私の目線でこんな感じでこれならばSUVというよりはセダン。
個性的なリアは不評であった140前期を彷彿させる。
全体的に丸みを帯びたボディーは令和のダンゴムシクラウンの再来という感じ。
しかし最初は不格好だと思っていたデザインも実物を見るとそこまで不細工ではない事に気が付く。
曲線を多用したボディラインは余分なプレスが入らない分、流麗でレジェンドやフーガに通じる物がある。
しかしグリルがここまでフェイクなのは萎える。
燃費や空力のために仕方の無いことだったのかもしれないがここを変えるだけで相当印象は良くなるはず。
窓は大きく見えて殆ど化粧パネルだが、そこまで視界が悪いような感じは受けなかった。
安っぽいと言われる内装は先代改良モデルのような無理矢理感はなく自然で何となく130系のパーソナルインパネのような感じで懐かしささえ感じる。
シフト周りが一番安っぽいといわれるが、レジェンドに慣れてしまいシフト周りの木目パネルにあまり重きを置かなくなった事もあるが、果たしてそこまで言う必要があるのかというレベル。
確かにクラウンファンとしては木目パネルが欲しくはなるが、下手にピアノブラックやカーボン調を奢られる位ならこちらの方が好感。
パネルをよく見るとラメが入っておりただのプラスチックではない事が実車に触れてわかった。
ただし、私のポジションだと手に触れる部分の素材がアームレストとは異なるのでそこは残念。
硬質プラでないのは救いだが、どうせならソフトパッドの面積をもう少し伸ばして欲しかった。
先代反省により一般的な物理スイッチ。
ピアノスイッチのようになっている操作系は130系を彷彿とさせるがアイデンティティであったスイングレジスター廃止はファンとして悲しい。
せめてフーガのように揺らぎ風くらいは欲しいところ。
ドアトリムもぱっと見は先代よりも良いが質感は先代と同レベル。
ドアの閉まる音は先代よりも良く感じた。
しかし今回のクラウンで一番改悪だと思っているのはお馴染みの位置から消えたトランクオープンナー。
あれだけはどんなことがあっても守り抜いて欲しいほど便利な物でした。
今回のクラウンの一番気に入ったところはシート及び乗降性。
骨格で体を支えていた印象の先代とは違い、現行は昔ながらのクッションで支えるタイプ。
大柄になったシートはグローバルモデルとなったことも影響しているだろうが、先代と比べて一番進化した部分ではないかなと感じている。
段差の少ないサイド相まって乗り降りの際に無理な姿勢になりにくく、柔らかめのシートと相まって170迄のクラウンを思い出させる。
リアシートはFFベースの恩恵を受け広々
ただし頭上空間はそこまでゆとりはなかった
乗り降りのしやすさは先代のハードトップ的な感じからクラウンセダンのごとくスルッと降りることができたのは腰痛持ちや体の硬い人間には大変ありがたい。
見た目以上に年寄りに優しい車かなと
私のポジションに合わせてもこのゆとり。
FFベースの恩恵は勿論フロントにもある。
先代では若干左足が右寄りになり、窮屈な印象を受けたが新型はレジェンドのようにしっかりと踏ん張ることができる。
乗り味は私はFFベースになったネガは普段から同じFFベースのレジェンドに乗り慣れている為もあって違和感はあまりない。
以前、レジェンドとフーガを足したような車になりますよと言われたのを思い出し確かにそんな感じだなと。
豊田章男社長の「乗ってみて、これクラウンだね」という言葉もなるほどなと。
先代で大きく進化した部分であるフラットさとハンドリングの良さは現行ははっきり言って退化したのではないかなと私は感じた。
21インチという大径ホイールを装着する割に乗り味はドンブラコとしたもので、21インチのネガを感じるところは時速30キロ以下でのコツコツ感とロードノイズくらい。
思いの外、緩い乗り味に私は驚いた。
決して腰抜けではなく、腰がありながらも、ぶわん、ぶわんとする乗り味は先代が刺さった人にとってはあまり響かないモデルかもしれないが、ロイヤルサルーンが好みの人には案外すんなりと受け入れられる乗り味ではないかなと。
横に大きくサイズアップしたお陰で横揺れは抑えられ先代よりも視点の高さも相まってクルーザーのような、乗り味は見た目以上にロイヤル風味な乗り味で、先代の欧州車よりではなくアメリカンな乗り味へと先祖返りしています。
この乗り味からするともう少し頑張って欲しかったのが静粛性。
静粛性に関してはリフトアップしたボディの甲斐あってロードノイズはよく抑えられていた印象だがエンジンからのノイズや窓ガラスから入ってくるノイズは先代から進化したかと言われると疑問が残る。
全体的な静粛性に関して先代は歴代モデルの中では騒々しい部類だったが現行はそこまででないにしろ、開発陣が言っているほど感動する静かさはない。純粋に静かなクラウンを求めるならば210迄でクラウンらしい奥ゆかしさのある静粛性を好むならば200系までですね。
今回のモデルは登場時の印象は否定が7で肯定が3。
章男社長の印象的な発表会の時には否定6の肯定4
今回、実車に触れてその印象は50:50になりました。
クラウンと言われると疑問が残る面もありますが車としては合格点かなと。
この文面だと私がこのクラウンに抱いた印象があまり良く感じないかもしれませんが、価格を考えたらよく頑張りましたと素直に拍手を送りたい。
車としては先代のテイストが好きで先代を上手く昇華させたモデルを楽しみにしていた私からすると、先代とはほぼ真逆のような車だが何故かはわからないが先代より応援したくなる不思議な車。
巷ではこんなのクラウンでない、こんな形ならば終わった方が良かったと言われているモデルですが、16代にわたる伝統は例え形が変わってもブランドとして継承されたことはファンとしては喜ばしい。
以前も述べたと思いますがクラウンは日本を代表する高級車、セダンであると同時に日本を代表する乗用車。
豊田章男社長の言葉通り、クラウンは日本の豊かさの象徴。
例え最高級車で無くなってもクラウンのもつ車としての信頼、クラウンを選ぶ人の信頼と言う物は決して失ってはいけないと思っている。
クロスオーバーを皮切りにセダンも登場予定とのことでしたが、セダンモデルには過去のクラウンの良さを継承しトヨタブランドのフラッグシップとして恥ずかしくない車に仕上げて欲しいなと。
今回のクラウン第3章、
フーガ亡き後、フーガの後継に考えても良いかなと、、
今回はさらっと触れましたが11月下旬に実車を用いたの研修があるのでその時により深く、掘り下げて行きたいなと思います。