目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
タイロッド交換時に取り外した物に長さを合わせてはいるものの、脱着によって確実にアライメントは狂っている筈です。そのままの状態で先日の岡ミーに参戦しましたが、1400km走破後の前輪には偏摩耗の発生は無さそうです。またハンドリングにも違和感はありませんでした。
ここで、今月の車検を前にトーの状態を把握してみる事にします。整備要領書によるとトーの基準値は空車時で1±1mmですので、0〜2mmの範囲に入っていれば良いという事になりますね。
2
車検でのチェック項目はサイドスリップですので、トーを含めたバランスが肝になります。サイドスリップはキャンバーとトーが複雑に絡み合った上に発生する現象ですので、まずはキャンバーの状態を測定してみましょう。
ここの地面が平らである事が絶対条件になりますが、それを言い出したらキリがありませんので水平であると仮定しています。真っ直ぐな鉄製のアングル材に水平器を取り付けて、ホイールの中心を通るようにリムに当てます。
3
キャンバーの基準値は20'±45'ですので、-25'から65'(約-0.4°から1.1°)の間にあれは良いという事になります。細かい角度の測定は出来ませんが、水平器の指示値から僅かにネガティブキャンバーである事が分かりました。という事はタイヤ自体は車体に対して内側に転がろうとする力を発生している事になります。キャンバーに左右差は見られませんでしたので、調整不可能な部分には幾何学的な配置の狂いは生じていないようですね。安心しました。
4
続いてトーの測定です。だいぶアナログですが、私は昔からこの道具を使っています。同じ高さの木端2つと錘、メジャーの4点です。木端は以前の職場の上司宅を新築した際に出た端材を貰った物です。
5
左前輪の後ろ側です。タイヤに接するように木端を置き、自分で基準とする溝を決めてメジャーを引っ掛けたら錘を置いてメジャーが外れないように固定します。
6
次に反対側のタイヤにも木端を置きます。これによって左右のタイヤでの測定位置の高さを揃える事が出来ます。メジャーに弛みが無いようにピンっと張った状態で基準とした溝までの距離を測定します。これと同様にタイヤの前側も測定し、前側と後ろ側の数値を算出します。これで前側が短ければトーイン、後ろ側が短ければトーアウトという事になります。
青ポール号のトーはイン2mmでした。基準値いっぱいでしたが、数値的にはまずまずの値だったんですね。
7
前輪はネガティブキャンバーですので、その時点でトーイン方向の特性があります。この状態でトーもイン側に向けてしまうとサイドスリップ値は更にイン側へ向かう事となり、タイヤの外減りが促進されるばかりか基準値に収まらずに不合格という結果になり兼ねません。これらを踏まえた上で、ナチュラルなハンドリングとタイヤの偏摩耗防止を期待して0mmか若干トーアウトに調整する事にしました。
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これはタイヤの前側です。後ろ側の142.75mmに対して142.80mmとなり、トーは0.5mmのアウトという事になります。調整後の街乗りでは全く違いが分かりませんでしたが、トーが3mm近くも変わっているので調整前に比べてサイドスリップ値が変化している事は確実です。また、木端の高さが低いのでタイヤの中心の値を測定している事にはならない為、本来の測定値はもう少しトーアウトに振られている筈です。
トーは基準値よりもアウトになっていますが、前輪のサイドスリップ値は理論上0に近づいている事になります。タイヤもこれまでより真っ平に摩耗してくれる事でしょう。また、自身が持つフロントアライメントの認識と感覚がテスターでどのように評価されるのかが楽しみです。
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