
このブログは、徳島一国周りのお遍路を終えて書いている日記的なブログです。
今回の難所の1つがこの焼山寺への道です。
そして生憎の大雨。
朝、旅館吉野さんを出るときから、上下カッパに身を包んでの出発。
カッパって意外と高いので、
後輩の自衛隊用のカッパを借りてきました。
生地はしっかりしているのです、難点は重い。
最初の写真は11番札所の藤井寺脇から入っていく山道の入り口です。
いよいよスタート。
どんな道なのか見当も付きません。
途中でもらったお遍路の地図です。
15.6㌔の間にこれだけの高低差の山を上ったり下ったりです。
最初の1㌔位で、サウナスーツ状態。
息はあがって、この雨の中歩き続けられるのだろうか?
そんなこと思うほど、凄い雨でした。
長戸庵前のおじぞうさん
可愛い顔していましたので一枚!
この長戸庵までが、藤井寺から3.2㌔すでに高低差が、ここで470㍍も登ってきました。
途中の山道は、石だらけの道もあって登りにくかった!
やっとたどり着いた一本杉ここまで8.5㌔ほど歩きました。
藤井寺からの高低差は、750㍍よく我ながら登ってきたと…。
ここまで誰にも会わず一人モクモクと豪雨の中の歩き。
自分との戦い?何のために歩いているんだろう?
でも自分が見つめるには、こうした行的なものって有りなんだろうって思えます。
一本杉
大きな杉の大木の前に空海の像があって、本当の空海に出会えそうな素敵な場所でした。
ここで、香川の観音寺から来た若い男性が雨宿りしていて、一緒になりました。
残り1つのおにぎりを、ひろげてその半分を、彼に差し出すと、
この2日間、ご飯は食べていないとのこと。
たった1つのおにぎりを分けて食べ。
たくわんも。
そんな日常ではありえないことも、
楽しくまた嬉しく感じるのもこんな旅のスタイルの良さかと…。
彼はお遍路を安く回るために、泊まれるだけの所を回ってきたようです。
だからこの2日間、ろくに食べる事なく歩いてきたそうです。
この1番からのお遍路コースには、コンビニなし。
ろくに食べれる食事処もほとんどなかったです。
もっていたカロリーメイトも半分あげて、
ここから、二人で話しながら、
750㍍の一本杉から、1.9キロで400㍍まで山を下り、
その後、400㍍の地点から、約2㌔で720㍍の焼山寺まで、
上っていきました。
こんな札が途中いくつもかかっています。
またこれなんだと思います??
40センチはあるかと思う青いミミズです。
みたことないので、写真撮りましたw
なんだか?
もののけ姫の世界(笑)
ほんとそんな山深い所でした。
それから彼とたわいない話をしながら、歩いていきました。
とても素直な25歳の青年でした。
人間って1人だと大変なことも、
2人いれば、できることってこういうことなんだろう~なあ!
と思いながら、途中何度も小休憩を繰り返して、
上っていきました。
やっと着いた焼山寺
下着までずぶ濡れ、上のシャツだけ着替えて、
温かい缶コーヒーを買って彼に渡して、しばらくそこで休憩。
それから鍋岩まで720㍍の高さから3.3㌔歩きながら、
一気に200㍍までの急勾配を下りていきました。
私はこの鍋岩の善根宿 すだち館に泊まりました。
彼は、まだ先の峠の所にあるお遍路さんが泊まるだけの所へ行くとのことでした。
すだち館の上杉さんは、心配してお金ないのなら、
自分のワンボックスの軽自動車で寝ていったらと勧めましたが、
彼は遠慮して次にでかけました。
それならと上杉さん夫婦は、ゆで卵やバナナなど彼に持たせたのです。
私は、1000円ほど彼に、これで暖かい物食べて!と渡しました。
彼が今日あの一本杉でいなかったら、ここまでたどりついたかわかりません。
人との出会いは一期一会。
彼も何かを背負ってあるいているんでしょう。
私はその後、安い宿賃ですが、すだち館の上杉さんに、
8キロも離れた温泉に連れて行ってもらって、
この日の疲れは回復しました。
山里の中の村。
20年も前に小学校が廃校となって、今では福島バスはこなくなり、
町営のバスが日に数本という山里です。
でも人の心のぬくもりや、温かさをものすごく感じさせてくれるお二人と、
そのスタッフの吉田さんに、頭が下がる思いでした。
裕福さや便利さとはかけ離れた山里。
でも人間が忘れてしまっている大切なものを、
この人たちから教わった気がしました。
出会って、心があたたかくなった思いってありますか?
この人たちに出会って、よかったと思えた出会いって、
そんなにないんじゃないかと思います。
そういうものにふれられる旅が、歩きお遍路なのかもしれません(^^)V
Posted at 2011/11/27 21:32:12 | |
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