ミクニVM20キャブレターをショート加工してみた

ポッケのミクニVM20キャブを加工しました。

ネットで「PAX加工」で検索すると出てくるのですが、ようはスロットルバルブより上流を極力ショートにして、なおかつベルマウス形状にして高回転時の吸入抵抗の低減と、アクセルレスポンス向上を狙うものです。

VM20はエアクリーナー差し込み径とベンチュリー径の差が大きいため、差し込みのストレート部分をカットするだけでもかなりファンネル状に広がる部分が大きく効果が大きそうに感じますので、本来のPAX加工では外側にカールさせる部分が必要ですが今回は入り口をラッパ状に広げることに専念しました。

加工の方法ですが、当初はリューターの切断ノコでストレートの部分をカットしてやろうと思ってましたが綺麗にいくか不安もありしばらく考えましたが、ふと以前JOGのヘッドを面研するために作った治具が使えないかと思って当てがってみたらなんとVM20のフランジをピッタリ固定することができるじゃないですか。

これならそのまま旋盤で加工できるのですごく楽になります。まったくもってラッキーでした。

加工中。
治具をチャッキングして少しずつストレート部を削っていきます。

どこまで削るかは勘です！

最後にリューターでとば口をうまくつないで磨きを入れて完成です。
もちろん加工後はしっかりと洗浄します。

完成しました。

PAX加工というより、昔流行ったターボコンプレッサーの入り口を大きなR状にする「S加工」のような感じですね。
まぁ、狙いは同じなのでこれでいいのです。

外したパーツをすべて組み込んで完成です。

しかし横から見るとずいぶん薄いキャブレターになりましたw

今回もうひとつやったことはパイロットジェット(スロージェット)の交換です。

2ストはスローが薄くなるとスロットルを戻しても回転落ちが悪くなるのですが、私のポッケもスローアジャストをめいっぱい締めてもまだ薄いようでやや気になることがあったので、現在ついている#22.5から#27.5に大きくしました。

装着して走ってみましたが、たしかにスロットル開けてからのレスポンスは良くなりましたね。信号での発進でも今までよりポンポンフロントが浮きます。
走行中も今までより元気に走ってくれるので面白いです。

ただ高回転のパワーが云々はとくに変わりはないかもしれませんね。
そもそもこのショート加工はエンジン回転数が15000rpmとかそれ以上回るようなエンジンでやっと本領発揮するようなので、私のポッケのような普段は9000rpm程度、回しても12000rpmいくかどうかの使い方ではほとんど差は出ないのかもしれません。

でも何事も実験なので今回の加工で得られるものも十分ありましたので結果オーライです。