(秋田県男鹿市、世界三景「寒風山」。下回りが錆で朽ち果て車検不可となり、売却する前の最後のドライブのときの写真です)
【初号機/EA11R】
2007年1月、知人の知人から個人売買の話があり、下記を承知の上で試乗させてもらいました。
・走行約56,000km
・メーカー不明 センター出しマフラー装着
・修復歴あり
・売り主が事故に遭い、修理したものの運転出来なくなり2年間放置されている
・希望販売価格、車検2年付きで60万円
シートに座り、狭い!
前方を眺め、視界が悪い!
エンジンをかけアイドリング、重低音!
走り出して、速い!
カーブで、ステアリングが重い!
す、す、すげー!
この車の存在は初代ロードスターと同時期に販売されていたので知っていましたが、所詮軽自動車だろうと眼中にありませんでした。
ところがどうでしょう。実際に運転してみると戦慄するというか、魂が揺さぶられるというか、とにかくとてつもない衝撃を覚えました。
サイレンサーが付いていたとはいえ、大音量のマフラー音も、心の高まりに劇的な効果をもたらしたようです。
村の中を一周し帰還。懸念していたハンドルのブレもなく即決しました。あのときの感動は今でも忘れません。
唯一気になった、2年間全く動かされていなかったゆえの、接地面がフラットになったタイヤはすぐに交換しました。
ロードスターよりもこっちを買えば良かったとは、ロードスター乗りの前では口が裂けたら言えません。
こうして何年か乗り、ある日マフラーから白煙を吐き始め、ゲームオーバーとなりました。愛着があり廃車にするのがもったいなく、ナンバーを一時抹消登録し納屋に保管しておきました。
…
しばらくして縁があり、同車の後期型EA21Rを個人売買で入手しました。詳細は割愛しますが数年でエンジンブローしてしまいました。どどどどうしよう?
…
どうしてもまたカプチーノに乗りたい。ということで、納屋で眠りについている初代カプチーノをエンジン交換も視野に入れ、高額な修理覚悟で整備工場に持って行き、診断をしてもらいました。
数日後、なんということでしょう、整備士曰く「どこも悪くないよ。白煙は吹かないし、峠を攻めてみたけど絶好調だ」との答え。拍子抜けです。
わけが分かりません。何らかの不具合で一時的にオイルが燃焼し、白煙を吹いただけだったようです。課金せずともコンティニュー可能となったことで天にも昇る心地でした。
ということで、2台で通算11年、素敵な時を過ごしました。本当にいい車でした。