油脂類交換兼もろもろでしばらくピットインとなったClio=サン。
ほんと、でっかいプラモデル。ジヒハナイ。
何が楽しみってアナタ、素のClio2(AT)がここには代車であるんだぜヒャッホウ!
社長アレ貸してください!純正足のClio2に乗ってみたかったんですよお願いしますなんでもしますから。
....ないじゃん。
ということでClio3RSをお借りしてきましたぜわっせろーい。
並行輸入のLHD。
前期顔。イカス。見慣れるほどに好きになってきました。
メーター類がついてるほかは内装はふつう?ステアリング も純正で、たしかこのレカロは欧州ではオプションで選べるやつじゃなかったっけな。
車高調はどこのかは知らないけどカッコだけのものらしい。
S.B.Tにやってきてから着々と社長の手が入りはじめていますが、まずは吸気換えて取り回しを試行錯誤中。
Clioと子カングーは左右ハンドルでちゃんとブレーキフルードの取り回し位置が違うって知ってました?
おかげで勇ましいインテークもしょんぼり。排気・車高調・ホイール・シート・ステアリングはまだこれからのようです。
「アライメントちょっとオカシイから気をつけてね」
とのこと。
ご存知の通りNA最後のF4Rにして名車と噂のヘヴィーマシーナリィ。
言わでもの褒め言葉は割愛しておりますが、大前提にとても良い車だということはご承知おきのうえ、素人の感想と斜め読みをお願いいたします。
前回のTwingoもそうでしたが、菱形一族ゆえか乗ってすぐに扱えてステキです。
てかエンジン!
すげぇ!なんじゃこのエンジン!
私はClio2RS(紛らわしいので以下、雨クリオ)のF4Rにずいぶん馴染んでいます。強化マウントの入った雨クリオ車内は基本、ずっと高Hzの振動でお祭り騒ぎです。
1500rpmくらいまではリタードしてうぼわらぁー。
2000rpm前後はやかましく回りながらも少し余裕をみせて走る。
2500rpmくらいから上は頑張ってる感が出てきて前のめりに。
肩の力を抜いてだらーっと走ろうと思えば2000rpm前後なのです。
かたやClio3。
いつものNAのF4Rをイメージして回していくのですが、いつまで経っても余裕綽綽。
アレ、まだかな? とエンジンが前のめりに頑張り始めるのを待っていると4000rpm。5000rpm.....。それでいながら3000回る前からしっかりパワーが乗る加速。
速え。
雨クリオは4000回らないと踏んでもこんなに前に出ないよ?
てか4000でもこんなに加速感ないよね、うん。
前回少し乗った時に感じた、MEG3RSに似ているなという感覚は静寂性に加えて、このするするとパワーに余力を残したエンジンフィールだったんですね。綺麗に無理なくレブまで回っていきます。6速3000回転からでも急加速でしっかり前に出る。こりゃサーキット速かろう。
おい、油温。外気温15℃、3500巡航で油温85℃/ 水温80℃。
同じ条件で雨クリオは92℃/82℃
ええやんけワレェ!
針落ちは眼鏡より雨クリオに近い。眼鏡の困ったところは早いシフトアップでクラッチ切ってもきちんと回転数が落ちないところです。フライホイールのイナーシャ+ターボ故かな? その為、どうしてもシフトアップの時に回転数が合いません。ジェントルにゆっくりとしたシフトチェンジができるという意味ではいいことなんですが。
Clio3はきちんと針が落ちていくので、高速での急加速でもショックなくレブ付近でシフトを繋いでいけます。最高。これ最高。まさか同じClio乗りみたいな顔しておきながら、こんなエンジン回して気持ちよくなっていたとは。おのれーClio3乗りどもめー。許さんぞー。
ウネウネ(意味なし
しかし本当に4000rpmで巡航しても滑らか。雨クリオの4000なんてもう室内、工事現場みたいなもんよ? 高速をこれで巡航なんて気にはなれないのに....。雨クリオは2000年産。Clio3前期は2005年ですっけ? 5年でこれかよ。
排気系は純正です。でもいい音します。特に高回転。サクラム管のようなイメージの音質。
クラッチ、ストロークは深い割にかなり手前で繋がる。「ルノー のクラッチは他社比でみっちりしてるから、ちゃんと奥まで踏んでな」と教育されている私。奥のストロークが余計に感じられます。まあ、慣れですわよね。
ミッションはPK4のはず。言わずもがな良いです。でも入り口少し曖昧かな? 普段は平気ですが、サーキットレベルだとシフトミスが怖い。こちらも慣れの問題かもしれません。
T&Tやり易っ!乗りはじめてすぐに、ある程度安定して出来ます。
足回り
直進でやや左に流れます。アライメントおかしいってこういうことなのかしら?(素人
トーが左に寄ってるってことなんだろか。そんな単純な話じゃねえか。左右でステアリング切った時のフィールも違うし、タイヤを本気で使う気にはなれません。
タイヤはPS4。215/45 R17。転がり音の静かなこと!
カッコだけ車高調、バネがかなり残念です。ふにゃふにゃ。特にピッチ方向。減速でアホみたいに前荷重になってしまうので、そこからロール方向に割く余力がない。私の腕では怖くてワインディングでは踏めません。シングルタスク。
前オーナーさんの名誉のために申し上げておきますが、そんな下品な乗り方をする方ではない穏やかな紳士。あくまでジェントルに、余裕をもって走っておいででした。
しかし、これだけいい車にザンネンな足という組み合わせは、なかなか経験できるものではありません。逆に貴重な機会ではある。ハーシュネスも連続でいなせない突き上げを感じつつ走りながら、ボディ剛性について考えていました。
もちろん代を重ねることで、Clio3は雨クリオよりも高い剛性を備えているでしょう。でもそれは「固いじゃろがい!どんなもんじゃい!」という感覚ではありません。それはむしろ雨クリオ。突き上げを感じるようなとき、雨クリオはごつんっと真っ向から突き上げを跳ねつけます。かたやClio3は分厚い鉄を突くというより、両の手でも渡せないほど見事な大樹を叩きでもしたかのよう。表面弾力性があり、その奥は堅く芯が通っている心地がするのです。
なるほど、これボディもサスペンションなんですね。車はみんなそうなんだと理屈ではわかっているつもりですが、まさか実感することがあるとは思いませんでした。眼鏡に乗ると思い描く大型のネコ科動物のしなやかさ。あれはこの感覚と関係があるのかもしれません。
まいったな、本当に良い。この車。
ひとつ、とても残念に思った点を書いておきます。重ねて言いますが、まごうことなき名車。素晴らしい車です。公平な評価のお話ではなく、絶賛弄り中のチグハグなこの車のおはなし。
信号待ちから、クラッチだけで発進する時に左足とスロットル開度が同期しません。勝手に微調整してくれてしまうので、まるで通りですれ違おうとしてお見合いする通行人状態。トレンディな織田裕二と鈴木保奈美のように切なくすれ違います。
速度域や登り/下り、コーナリング中。右足の操作と気付かないほど些細な差異ですが、同期しない場面が。ガツンと踏み込むより、パーシャルな操作時の微調整に介入を感じました。
シフトダウンでポンと一瞬蹴っても吹け上がりがDULL。コンマ遅れて素晴らしいレスポンスがくるので尚更残念に思えてなりません。
電スロの振る舞いかもと思いましたが、たぶん吸気の取り回しのせいじゃないかな。吸気音もしたりしなかったりするし。
万全な状態のこの車はどんだけいいだろう、と思うとガッカリもしますが、返す返すもこういった弄り中の、性能が安定して高められていない車がどうなるのかを知るのは得難い経験です。サスガS.B.T社長。粋な計らいじゃありませんか!
それにしても、既に雨クリオが恋しいです。
この素晴らしい名車と比べれば、ボロいしうるせえしガタガタいってるし遅えし乗り心地悪いし変なカエルみたいだしロクでもないのにね。
理由は....なんでしょう。思い入れというだけでは説明がつかないなにか。
そこに私が車に求めているものの本質があるような気もしないこともない。
それとも私が感じているのは、素人が気持ち古い車に浮かれて抱いている勘違いの思い込みに過ぎないのでしょうか?
それがわかるには、もう少し深く私は車というものを知る必要がありそうです。
.....実は私は、次期車が年の半分はピット入りしているキャブ車となるか否かという戦慄の分水嶺に自覚もないまま立っているのかもしれません。