簡易的キャンバー測定(治具作りから)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
個人的備忘録。
簡易的測定と、そのための道具作りについて、何を考えて何をやったか。
前回、トーだけ測定してキャンバー測定を後回しにしたのは、必要な治具がなかったからでした。
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DIYキャンバー測定の難易度は、ホイール形状で変わります。
これで治具の要否が変わる。
ホイールの形状が、車両装着状態で一番外に来るのがリム部分なら(つまり、スポークが出っ張ってなければ)、治具がなくてもリム径相当の長さの金属板と水準器(スマホの水準器アプリでも可)で測れるのだけど、
myシルビアのホイールはスポークが出っ張ってるから、単純な金属板を当てるとスポークにぶつかってしまいます。
そこで、スポークの部分の逃げがある形状、つまり、コの字型のような治具が必要。
もちろん、スポークが出っ張っていない形状のホイールに履き替えるという方法もあり、その場合は治具は要りませんが。。。
私が持っているS15純正(スペックR、オーテックVer.の16インチ)とR32タイプM純正はどちらもスポークが出っ張っているので、治具を作るしかないな、と。
ちゃんとしたキャンバーゲージやアライメントゲージを買おうとすると数万円が必要だけど、
参考程度の簡易的に測定できれば〜なら、コの字型治具の材料費は2,000円以内でした。
以下、治具作り→実際のキャンバー測定、の順で書いていきます。
あくまでも個人的な記録です。
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治具の材料。
①長い金属板1本
②コの字型の足部分にする金属材
③1と2を接続するもの
ホームセンターで手に入るもので適当に見繕ってきましたが、自分なりの選定ポイントを書いておきます。
自宅で金属加工(切断や溶接)ができない前提。
(金属加工できる環境と技術がある人には、たぶん別の選び方がある)
①は、ホイールのリム径+αくらいの長さ、幅はざっくり2〜5cmくらいのイメージ。厚みは、多少力をかけてもたわまない程度。
と言っても、平板で充分な厚さのがなかなかないので、私はL字断面になっているアルミ棚柱材(長さ45cm)を購入。
L字断面なら撓まないだろうと。
45cmだと16インチホイールに使うにはOK、17インチもたぶんOK(足の付け方による)、18インチには短すぎ。
②は、2個必要ですが、なるべく個体差が少なく、しっかり90°が出ているものを選びます。ここがしっかりしていないとキャンバー測定には致命的。
私が選んだのは、穴付きのアルミアングルピース。
アルミサッシの売り場にありました。
サイズは3.0(厚み)×40×40mm。
穴付きを選んだのは、①とネジ留めできるから。
③は、ネジ留めでも接着剤使用でも良いと思いますが、①の棚材シリーズで専用のボルト、ナット、ワッシャーセットがあったので、それを購入し使用しました。
接着剤使用なら②の穴は不要。但し接着剤は失敗したらやり直しが難しい。
材料自体はこれだけなので、①が450円くらい、②も1個450円くらいを2個、③はボルト、ナット、ワッシャーが20組1袋で450円くらい、で、1800円程度。
まぁ、実際は試行錯誤で最終的には使わなかったものも買っているので、もう少しお金を使ってますが。
(写真内の、「無視(不使用)」と書いてあるのとか)
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私が作ったキャンバー測定治具は、写真のような感じです。
下のコンテナボックスは無視してください。
これの、足部分のホイールに当てる面(2箇所)と、長い棒の部分とは、きっちり平行であることは確認しています。
水平な面の上に、足を下にして治具を置き、棒の上に水平器を置いて水平を確認しました。
ボルトの締め具合で多少変わるので、水平が出るよう調整し確認。
治具の足の、ホイールのリム部分に押し当てる部分について。
ホイールに傷をつけてしまうのが心配な場合は、角を面取りするなど工夫すれば良いと思います。
(緩衝材は角度測定の誤差要因になりそうなので良くないかも)
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キャンバー測定時に使用する水準器について
土木建築用のアナログの水準器もあるのですが、1°未満の分解能がある程度ないとキャンバー測定は難しいです。
私が持っているのは最小目盛が1°で、せいぜい1/4°くらいまでしか読み取れなさそうなので、却下。(大雑把な確認にのみ使用)
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今はスマホで水準器アプリを使って傾きを0.1°ないし0.2°単位で測れるので、これを使用します。
キャンバーを測る際は、測定治具にスマホの側面を押し当て、表示されたスマホの傾きをキャンバー角とします。
ちなみに、スマホケースを使っている場合はケースから出した状態のスマホを測定に使います。
ケースの厚みが均一とも限らず、傾きを小数第一位まで測定するのには誤差の原因になり得るからです。
私のスマホ(Android)では鉛直面にスマホの側面を押し当てて、水準器アプリの表示の傾きが0.0°になることも確認しました。
また、スマホの左右どちらの面を測定に使うか、ですが、私のスマホは右側にボタンがいくつかあるため、ボタンのない左側を測定に使うことにしました。
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実際の測定は、こんな感じにホイールのリムの最上部と最下部に治具の足を押し当て、治具の長い板のところにスマホの側面を当てて水準器アプリで傾斜角を表示します。
写真をスマホで撮っているので、スマホを押し当てているところまでは写真を撮れませんが。。
測定精度はそんなに良いわけではないので、何度か当て直して測定したり、(治具の平行は取ってあるけど念のため)治具の上下を入れ替えて測定してみたりして、平均を取るようにしました。
測定結果。
今回DIY測定値 (前回ショップ調整値)
フロント
左 -2.8° (-2.5°)
右 -2.4° (-2.5°)
リア
左 -3.3° (-2.2°)
右 -3.2° (-2.3°)
今回はリアのキャンバーが付き過ぎてるのが目立ちます。
荷物は降ろして測定しており、そこは前回と今回で同じ。
ガソリン使用量は前回が満タンから約30L、今回が満タンから約15Lで、今回のほうが残量が約15L多いけど、重量にして約11kgの差なので、リア車高への影響は1mm程度。
myシルビアにおける過去経験値では、リアの車高を5mm下げるとリアのキャンバーが0.25°くらいネガティブ方向に大きくなります。
でも前回から今回までの間にリアの車高は弄っておらず、ガソリン残量によるリア車高の1mmの差では、キャンバーは0.1°も変わらないと推測。
今回は前回と比べてフロントの車高が10mm上がっており、これによって重心が多少リア寄りになるとしても、キャンバーが1°も大きくなるのは考えにくいです。
前回と今回の間にドリフトでサーキットを走ってますが、縁石に引っ掛けたりコースアウトしたりもなかったので、そんなにずれることはないらしく。。。
あと、そういう場合は基本的にトーもずれるけど、トーは前回整備手帳に書いたように相変わらずゼロで整っています。
とすれば、リアのキャンバーがこんなに大きくなったのは、リアアッパーアームのブッシュの劣化かも。
今回自分でキャンバーを測らなければ気づかなかったので、簡易的DIY測定とは言え、やってみて良かったと思います。
前回測定2024/08/30(ショップにて調整式トーコン導入時)
256,427km
今回測定2025/05/05(DIY)
266,586km
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