
過去、3回の化学物質のブログを書いた
クルマと化学物質 第3回目 含有化学物質管理:グリーン調達
クルマと化学物質 第2回目 化審法:テールランプ
クルマと化学物質 第1回目 発がん性:石綿・アスベスト
今回は、第2回の 化審法:テールランプについて掘り下げて書いてみる
テールランプの騒動は、経産省 化学物質管理課が、ソルベントレッド135という、赤色色素(主に樹脂に混入させ、昔のテールランプの様な赤い色の透明プラスチックになる)に、化審法 製造禁止物質である第1種特定化学物質に指名されて居る「HCB」が微量含まれている事を知り、使用禁止移動禁止を申し付けた事により、自動車業界が生産停止の危機的状況に落ちいった事から始まる
問題の起源となる化学物質は、TCPAと呼ばれて居る
公式に残っている資料では
あたりが最初で、別添1 (平成18年3月17日付け発表資料)と言う記載があったり、
の記述から、その頃明るみになった事件だと思われる
(BAT:Best Available Technology)」の考え方が、この発表に既に組み込まれているから、実際はかなり前から水面下でバトルが行われていたはずだ
TCPAは、ソルベントレッド135に加工され、自動車テールランプなどに利用されるだけでなく、いわゆる「食紅」「食用色素」の一部の原料としても使用されていた
の「経緯」が比較的わかりやすい資料になっている
構造式で示すと
TCPAの骨格(赤い部分)を含む製品が、ソルベントレッド135や、食用赤色104・105である
当時、赤色104は、各種食品に良く使用されていた
例:今でも「赤104」が使用されて居る サクランボのシロップ漬け
(かなりびっくり)
赤色104号は、ごく一部が現在でも販売されている
食用色素赤色104号100g (粉末)対象食品(チェリー,蒲鉾,田麩,菓子,蜜豆 等)
ほとんどのサクランボ缶詰が未だに104を使用だが、中には真面目な商品も↓
下記のような漬物は、106や102が使われて居て心配ない
紅ショウガ系は、殆どの物が「野菜色素」と書かれていて、これなら心配ない
Q.野菜色素とは?
A.着色料の一つ(食品添加物)で、野菜から得られたものです。
野菜色素は、赤キャベツ(紫キャベツ)、赤ダイコン、シソ(赤シソ)、タマネギ、チコリ、トマト、ビートレッド、ムラサキイモ、ムラサキヤマイモの8種の野菜から取り出される色素を含む類別名です。このうち、タマネギ色素、ビートレッド、ムラサキイモ色素、ムラサキヤマイモ色素は、既存添加物であり、その他は通常食品です。
外食店の紅生姜・ガリにご注意!
紅生姜は食品添加物の危険度のトップである赤色2号、3号、102号、104号などの着色料が使われています。発ガン性、健康障害を及ぼすほどの強レベルなのです。牛丼店によっては、野菜由来・野菜色素に切り替えられていても、紅生姜は食べないほうがよいのです。
などの過剰反応な記事もある
さて、車に戻るとこういう記事もある
2018-03-01
ランクセス、レバクーゼン拠点でマクロレックス染料の製造能力拡大
「マクロレックス®(Macrolex®)」染料の製造能力を増強
「ランクセスは、今回の製造能力拡大によって、プラスチック業界向けの高品質染料の世界的な需要に対応します。
有機溶剤可溶型染料の「マクロレックス」ブランドは、飲料用ペットボトル、電子デバイス、車のテールランプ、子供の玩具などの高品質なプラスチック製品の着色に主に使用されています。同製品は、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)およびポリエチレン・テレフタレート(PET)の着色に使用されています。
しかし、
世界規模で「赤色」不足のなぜ?
中国環境規制が引き金、原料の生産停止
2018年10月09日
自動車テールランプの赤
染料世界大手の独ランクセスは6月から赤色など一部製品のフォースマジュール(不可抗力による供給制限)を継続している。法令違反を調べる中国政府の環境査察により、染料産業が集積する江蘇省や山東省で原料・中間体メーカーを含む工業団地の操業停止や閉鎖、移転命令が続出。その結果、ドイツでの染料製造に大きな支障を来している。
そう言えば、最近「テールランプカバーが赤くない」車種が増えている
S660 で言えば
デザインの流行の問題ではなく、原材料入手難から来る改変だったのかも(謎)
Posted at 2022/10/24 02:44:58 | |
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