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イイね!
2015年05月03日

鉄は面白い

なかおさんトコのブログで、材料の強度とか内部応力とかの話が出ていました。
僕ぜんぜん詳しくないんですけどそのへんの話ってすごい面白いのでなんかもうやたらテンション上がっちゃって、今日は鉄の面白さに対する僕の熱い思いをぶちまけたいと思います(笑)

そもそも僕は部屋に篭って詩とか書いてるような文系メガネ野郎なもんですから、鉄とか機械とかにはご縁がなく暮らしてたんですけど、なんか仕事で溶接をしなきゃいけない機会があって、そのときにちょっと溶接覚えたんですね。
覚えたって言っても溶接すごい難しいもんで、溶接の中でもいちばん簡単な半自動炭酸ガス溶接の、いちばん簡単な突合せ溶接でチョー失敗しまくるレベルなんですけど、ホントに最初の頃とかってぜんぜん上手く出来ないし先輩のおっちゃんは「感覚でやるんや~」とかって適当にしかコツを教えてくれないし(涙)、もう散々だったんです。

なんかダマになっちゃったり母材が溶けちゃったり、なんでそうなるのか意味がよく分からない。条件が高いのか?低いのか?いろいろ試すんですけど基本的なことがうまく理解できない。
そんなときは現代人の味方インターネットで検索です(笑)、もう躍起になって調べまくりました。
こういうサイトとか、実体験で書いてくれてるのすごい助かるんですよ~(http://way-welding.com/
いろいろ知識を入れたうえで、ちゃんと溶融池が見えてくると最初のコツを掴むのは結構早い、もう楽しくて楽しくて必要ないものまでバチバチ溶接しまくり(笑)

でもやればやるほど難しさに行き当たります、うまくトーチを動かせないんですよね…溶接って習字みたいなんです(涙)
習字って自分の手で筆を動かすだけなのに、あんまり思ったとおりの字が書けなかったりするじゃないですか?
溶接は筆の代わりにトーチを動かしてバチバチするわけですけど、ほんの数mmの差、僅かコンマ数秒の差が大きな差になってしまうので、思ったとおりの結果が得られない…。
やっぱほら、やるからには欠陥出したくないし、美しいビードを引きたいので(笑)

で、寝ても覚めても溶接のこと考えてると、結局溶接って「熱の管理」なんだなってことに気付くわけです。
トーチを均一な速度で動かしても本当に均一なビードは得られない、それは溶接によって母材の温度がどんどん上がっていくからで、母材の温度上昇分も考えてビードを引いていかないといけませんね。
じゃないと自分が思ったより多めに溶けちゃう。
熱、熱、熱、とにかく熱のコントロールが出来ないと溶接はうまくいかなくて、熱の入り方を自分の支配下に置くことが大事。
溶接とは、熱の管理をすることなのだ!(゜Д゜)

んで、そこらへんのこともいっぱい調べてたら、何故か興味がどんどん「鉄自体」のほうに向かっちゃって、材料のことにも興味が出てくるわけです(笑)
溶接も面白いけど材料のこと知るのもめっちゃ面白いんですよ!
ほらホームセンターでフラットバー買ってくると普通SS400とか書いてあるんですけど、SS400って「400N/mm2の力で引っ張っても大丈夫ですよ」っていう規格らしいんですね。
でも、SS400以外にも、S45Cとかっていう材料も売ってるわけです。
S45Cって何じゃい?って思ったら、なんか炭素の含有量が0.45%らしい。
ふーん…。
で、それだと実際何が違うの(笑)

ほら!よく「焼入れ」とか「焼戻し」とかって言うじゃないですか!
普通の鉄は少し柔らかいけど、焼入れするとすごく硬くなるので、工具とかの材料に使えるようになる、とかそういう。
これ。なんでも、SS400だと焼き入れが出来ないらしい。
S45Cだと焼き入れが出来るらしい。
え!なんで…。

そもそも「焼き入れ」って炭素鋼の中のオーステナイトっていうのをマルテンサイトっていうのに変える作業らしくて、とにかく鉄の中に炭素が入ってないと焼入れが出来ないと。
で、SS400という規格はあくまで「引っ張り強度」を基準にした規格なので、ほとんど炭素は入ってないんだと。
でもS45Cには「Cが0.42~0.48、Siが0.15~0.35、Mnが0.60~0.90、PとSが…」って規格が決められてるので、ちゃんと焼入れが出来るんだと。

しかも面白いのが、焼入れ出来ないと言われてるSS400ですけど、それはあくまで「炭素含有量の指定がない」というだけで、べつに「絶対入ってない」ってわけじゃないので、「もしかしたら炭素が十分に入ってるやつもあるかもしれない」んですって!(笑)
だから、運が良ければS45C並の成分を誇るSS400が手に入るかもしれなくて、それだったら焼入れ出来るんだとか(笑)
まじか!そんなラッキーあるんかなー!?おもしろー!(笑)

そんでまたそういったあたりのこと調べてると、面白いページを発見したりするわけです(笑)
ここのサイトとかチョー面白いんですよ!(http://monomaniya.web.fc2.com/blabo/smith6/smith6.htm)(前後記事も面白いです)
基礎理論に則ってるわりに、キッチンで油で揚げて焼戻しするとか(笑)
ええー!そんなんでいいの(笑)みたいな(笑)
でも確かに理屈には合ってるし面白そう!
なんか無性にワクワクして自分でやってみたくなります!

調べてみると、結構自分で包丁作ったりする人っているみたいなんですよね。
べつにどうしても包丁が必要だからってわけじゃなくて、包丁作りが楽しい、みたいな(笑)
こういうの見てると気持ちがすごく分かる(笑)
鉄って面白いですよね!

で、そんなこと調べながら、ふたたび溶接のところに戻ってきて、鉄に思いを馳せながら熱を入れてやる日々を送るわけです。
すると、改めてこういう動画(http://www-it.jwes.or.jp/co2/co2.html)を見たときに「うおーこいつチョーうめぇええええ!はんぱねぇええええ!」とか思うわけですね(笑)
こんなに均一に美しく溶接するとか絶対僕には無理…。
簡単にやってるように見えるけどめちゃくちゃ高度で精密な動きですよね。
後進法のウィービング法のところとか見てください!うおおお!すげぇえええ!
どの世界でも職人はすごい(笑)

そんなわけで脈略がありませんが、鉄って面白いよねって話でした(笑)
みなさんも講習受けて溶接覚えて鉄の面白さにハマってください(笑)
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2015/05/03 01:58:11

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この記事へのコメント

2015年5月3日 5:36
同感♪
同感♬

材料って奥が深くてほんと面白いですよね~
メーカ独自の製品も多いし。

さらに熱処理も難しいし、奥が深い

以前、「ダブルメルト材」ってのを使ったことがあります。

真空下で再度溶解することにより鋼中の[O]量を極力低減
したものらしく、さらに材料の中心部しか使わないというこだわりでした。

材料巣も少ない材質で、面白いなぁ~なんて思ったことが
あります。

材料、溶接はほんと奥が深くて毎度勉強ですね。
コメントへの返答
2015年5月5日 23:27
ダブルメルト材っていうのがあるんですか~。
材料の中心しか使わないって贅沢ですね!
なんかフランス料理みたいですね(笑)
おもしろい(笑)

真空下で再度溶解することにより鋼中の[O]量を極力低減、とありますが、いつも思うんですけどこういうのって皆よく発見するよなぁ~と。
「あっ、真空で融かせばОが減るかも!」とか普通思いつきませんもん(笑)
もちろんたくさんの研究者の方々の血の滲むような?日々の研究と努力の賜物なんでしょうけど、やっぱりすごいですよね。
しみじみ思います(笑)

熱処理にもホントいろんな種類があって覚えきれないですけど、1こ1こ見てくと楽しいですね^^
2015年5月3日 8:32
溶接できるとベアリングウオッシャの金網とか買わなくても自分で直せちゃうからいいですよねー(*´∀`)♪

新たな工具作れるし♪ヽ(´▽`)/

僕は馬鹿なんで、酸素で焼きなましとかして「あ、このマイナス硬くなんないわ」とか
クラッチのプッシュロッド調整ネジ固着で真っ赤に熱して回して「こりゃネジ俺だから交換だわ」とかやってました

ところで最近ピッチングセンターと慣性モーメント調べてるけど、よくわからん
コメントへの返答
2015年5月5日 23:29
工具作れるのは便利ですね!
EJ20とかのカムシャフトの頭についてる可変バルタイ用のやつとか、ねじの頭がキャップスクリューなんですけど普通の六角レンチじゃ硬くて回らないので、こないだ1mくらいの鉄の棒に六角レンチを溶接してやりました(笑)
みんな「おおーこれなら外れる」とか言って使ってます(笑)

ガスも使えると楽しいですよね!
整備士のおっちゃんがよくガスで鉄板切ってるんですけど、僕にはどうやってもあんなに綺麗に切れないもんで、そっちのほうも上手くなりたいです(笑)

ピッチングセンター…。
僕もあまり積極的に考えたことはないんですが、ピッチングセンターが分かると何かいいことあるんでしょうか?^^;
2015年5月4日 11:21
20年くらい前にOld Timer誌でバッテリー溶接の記事を読んで、自前の溶接をするようになってクルマ遊びが飛躍的に進化して楽しくなりました。

溶接の強度や変形は経験していても理論化は難しいです。

先人の経験を実践して経験を共有するのが大切なんですよね。

今関わってるCVTのベルトの生産工程にプラズマ溶接の工程がありますが、全自動で機械的な条件出しで要求品質も高く、とても人が行えるレベルではないです。

溶接は「究める(研究する)」より「極める」技術だと思います。
コメントへの返答
2015年5月5日 23:30
やっぱ溶接って楽しいですよね!
何でも作れるような錯覚が気持ちよくて仕方ありません(笑)

なんとプラズマ溶接ですか~!
普通の溶接とどれくらい違うのかあまり存じてませんが(←おいおい。笑)、精密な溶接が出来そうですね。
溶接って突き詰めようと思うとお米に文字書くようなもんで、そのうえで筆の動かす速度を完璧にコントロールしないといけないし、ほんと人間にはちょっち厳しいなーって思います。
僕いまだに「弧を描くクレータ処理」とかもうまく出来ないんです(涙)
でも溶接が求められるところで機械で出来ないところとかは人間がしなきゃいけないし、職人さんって本当すごいですね。

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「@Garage K 個人的には、「グリップする」=「より大きなグリップ力(コーナリングフォースまたは加減速力)を出せる」という意味かなと思って読んでましたが^^;
この件面白いんで記事にしますね!」
何シテル?   12/13 20:54
福井のロードスター乗りです。 ロードスターは現在休眠中。 タカスサーキットをホームコースとしてサーキットアタックしていました。 GPSロガーの結果を元...
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