タコ無しメーターをタコ付きメーターに換装してみた【流用品再使用・オドメーター換装】
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それでは今回もプレオでやっておきたい事をやっていきましょう。
今回の内容は以下の通り。
写真にあるのは、前愛車のプレオFS Limitedへ流用で使用していた 後期型プレオネスタ用の純正タコ付メーター。
″ 廃車乗り換えを機にこちらを取り外してきたので、同様にF typeSにも流用取り付けてみようじゃないか!!″
といった流れです。
かなり長い整備手帳かもしれませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
見た目で例えるならば、
『ご飯のメインをカレーからクラムチャウダーへ変更する』
ぐらいにはパッと見た目が変わります。
MT乗りとしては最適な回転数を知るためにとても重要である″タコメーター″。
有りと無しでは雲泥の差です。
社外メーターを外付けするという手段もありますが、できれば純正チックにグレードアップさせたいので今回のような手法を取っています。
解りづらい例え等はさておき、本題へ。
ここでまずぶち当たる壁が2点あります。
① 年式・グレード毎による電子制御や回路等、根本的な仕組みに違いがあるかないか。
② オドメーターは交換前のメーターの走行距離値と同様である事が前提なため、車両側の数値が若い場合は一周させる或いはごっそりオドメーター本体を更に若いものへ取っ替える必要がある。
(物理表示メーターだからこそ出来る)
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上記の①は、年式やグレード、駆動方式等によって流用の可否があります。
″クラムチャウダーの素″を必要としているのに ″シチューの素″を買ってきちゃったとします。
もしかしたら工夫次第でそれっぽい物が作れるかもしれませんが、本当にクラムチャウダーが食べたいという相手が居たとして、正真正銘クラムチャウダーとして正しく出来上がるでしょうか…?🤔
年式等の違いによって、
″この箇所はそれっぽく動くけれども、此処は明らかに正常に動かない(警告灯が点灯する等)″といった具合に、
″それっぽく″出来上がったけど明らかにアウトな挙動をする移植メーター
が出来上がります。
なので、慎重な流用元選びが肝心となります。
…といった上記の点においても、前愛車とほぼ似たり寄ったりの1つ後輩さんプレオなので、FS Limitedで動作が問題無いのを確認している以上、基本動作はそこまで変化ないだろうとみています。
(元のタコ無メーターが同品番だったのは確認済)
ただしABS警告灯がどのような挙動をするのかだけは、この時点で不明といった状況。
続いて②は、結論からいうと…後者しか選択肢が無かったです。
前者を試しにやってみたら途方も無い時間が掛かり、いかに非現実的な選択かを身をもって痛感。よって後者を選ぶ事に。
しかし、これもかなり難関。
タコ無メーターとタコ有メーターでは、スピードメーターの針の挙動が違うため流用出来ません。
そのため、4万km台でかつプレオ純正タコ付メーターという厳しい条件の中で探し続ける必要がありました。
そんなの簡単にヤフオクなんかに転がってるはずが無k…
……あったぁぁ!!!
という事で、無事落札してきました。🥳
こちら、
平成13年[2001]式 中期型プレオのRMグレード (EN07 SOHC/SC)、7速スポーツシフト付CVT
から部品取りされたもの。
総走行距離はなんと《48,809km》という、距離だけ見れば驚愕の極上車。
色々な理由があって解体されたのでしょう。
本当に偶然の出会いだったので、かなりラッキーだったと思います。
【 スバル(純正) プレオ RM(′00.10~)用 タコメーター付メーターパネル / 85012KE610 】
https://minkara.carview.co.jp/userid/3046310/car/3308035/12104626/parts.aspx
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後期型ネスタ用メーターの裏面はこちら。
流用がしやすい、後期型の上級グレードと同様なパターンをしています。
これであれば流用は問題ありません。
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一方、RMメーターの裏面はこんな感じ。
後期型ネスタ用メーターにあったECOランプ部分は、7速i-CVTのスポーツシフトインジケーターになっている為カプラー形状になっていたり、
同様に反対側にも水色のカプラー部があったりと分かりやすい違いがある他、
よく見比べると回路のルートが違ったりもします。
これも面白い違いですよね!
そんな中で今回使うのは、ど真ん中のオドメーター部分。
ここだけはメーターパネルとは分離した部品になっており、共通なので使えます。
移植そのものは、クラムチャウダーに入れる材料をアサリからホンビノス貝に変更するイメージですかね(?)
結局は同じ貝類なので、
種(グレード)は違えども、貝類同士(タコ付メーター同士)であればどちらでも完成します。
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メーターの大まかな分解は何度かやっているので、早速ですが分解していきます。
(詳しい取り外し方は FS Limited に乗っていた頃の整備手帳に記載してます。)
ミニプラスドライバーでスピードメーターを固定しているビスを外し、針はミニマイナスドライバーで根本から慎重に取り外せれば、パネルと針の分解が出来ます。
続いて、裏側からスピード線を繋げる突起の周囲にある大きなビス2点、CVT用シフトインジケーターの隣にあるビス2点をプラスドライバーで外します。
最後に、スピード線を繋げる白い突起部分を表側に押し込めば取り外せます。
今回使うのはこの部分ですね。
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ネスタ用メーターからは事前に外しています。
100万kmより先にいくと0に戻れますが、途方も無い道のりを感じたのですぐ辞めた形跡が残ってますね。
進める事は出来ても、戻す事は出来ないですからね。
少ない距離のメーターを丸ごと移植するのが得策です。
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メーターを進める方法は以前 FS Limited に乗っていた頃にも記載しましたが、今回は別の手法でチャレンジしてみます。
使用したのがこちら。
カインズホーム製『kumimoku ACミニドライバー KAC-01A』
カインズホームオリジナルのミニドリル&ドライバーです。
インパクトよりもパワーが無くて回転速度も遅いですが、微調整がしやすいので使いやすいのが特徴。
先端にテープ等の抵抗がかかるもの(滑りにくくなるもの)を一周巻くだけで綺麗に進んでくれます。
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進める際に当てる場所はここ。
1の位の右側あたりのツルツルした黒い部分。
反時計回りにしか回らない構造となっており、進める事しかできません。
ドリルはそれと逆回転である時計回転にセットし、歯車を噛ませているような感じで回して進めていきます。
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途中経過。
休憩を挟んでは作業して…の繰り返しだったのですが、数字が近いとあっという間に到達出来そうですね。
あともう少しです!
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車両側の走行距離《49,685km》まで到達。
1kmあたりの「カチカチッ」と鳴るコマ数の数から、車両側で49,685kmへ切り替わったタイミングから200m走った分を考慮して微調整しました。
調整完了したら、ネスタメーター側に調節したRMのオドメーターを移設します。
ようやく準備が整いました。
それでは、次に実車にてメーター交換作業へ入ります。
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という訳で、こちらを外していきたいと思います。
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まずはコラムカバーの取り外しから。
コラムカバーは上下分割式。
下半分はビスで固定されているので通常それも外す工程があります(ハザードSW増設・間欠ワイパーSW増設等)が、今回はメーターを外すだけなので最悪外さなくてもいけます。
隙間を作ってミニマイナスドライバーを差し込み、あとはてこの原理でパカパカ開けていきます。
始める箇所のオススメはキーシリンダー付近。1箇所パカパカいけば、コラムカバーを素手で上下に分割できます。
あとはコラムカバーを手前に引っこ抜いて外せばOK。
(純正ステアリングの場合はエアバッグの端くれに干渉しますが、パワープレイで潜らせましょう)
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続いてメーターフードの取り外し。
上に2点留まっているビスをショートストロークのプラスドライバーで外し、あとは引っかかっているだけなのでパコっと手前に外します。
下半分もツメで引っかかっているので、持ち上げて外します。
手前に引くとドアミラースイッチのコネクターが現れるので、それも引っこ抜くとフードは完全に外せます。
純正ステアリングの場合、エアバッグの端くれやハザードスイッチ若しくはトリップメーターのツマミが引っかかってしまいます。
知恵の輪状態になりますが、(比較的強度に信頼性のある)エアバッグの端くれ側を押し込み少し曲げてコラムカバー上半分を潜らせるのがコツ。
ちなみに社外ステアリングへ変更している状態だと、その必要性すらないので脱着が非常に簡単な物となります。
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フードを外した先には、いよいよメーター本体。
まずは上下左右それぞれ4点留まっているビスを外します。
上はショートストロークサイズ、下は通常サイズのプラスドライバーで外しましょう。
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これだけではメーターは外れません。裏側に接続してある物も外します。
続いて、コラムカバーの更に下側にあるこちらのパネルも作業効率化の為に外しておきます。
下に2点あるクリップ2点を外し、上側両端がツメで引っかかっているので外します。
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座席に座る向きを90°右へ。
少し体制を倒したらコインホルダーの下あたりから腕を突っ込み、メーター裏へアクセス。あとは感覚頼り。
メーター中央にスピードメーターケーブル(太い線)が刺さっているので、それを後ろ側へ引っこ抜きます。
ちなみに戻す時も、この体勢でメーター中央の突起に合わせながら押し込むと、ガチッとスピード線を接続する事が出来ます。
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体勢を戻して表側からの作業へ。
メーター本体を手前側へずらし、裏側が少し覗けるようになります。
2つのカプラーがあるので、両方とも外しておきましょう。
あとは本体を手前に引っこ抜けば、メーターが取り外せます。
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そんな訳で外せましたので、
外してきた F typeS用タコ無メーター《右側》から
取り付ける 後期型ネスタ用(ニコイチ)タコ付メーター《左側》へ
チェンジしていきます。
オドメーターの数値は、ご覧の通り同じ数値(微調整込)に合わせているのが確認出来ます。
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タコメーター無グレードのプレオには、元々メーター裏のカプラーへ回転信号が来ていません。
ただカプラーを差し込むだけでは、タコメーターだけはビクともしないという事ですね。
その為、タコメーターに繋がる回路へ回転信号を入力してあげる必要があります。
回転信号を追加で引っ張ってくる場合には、ECUからTA線(回転信号線)を見つけ出して分岐・引っ張ってくる事によって抽出可能です。
入力方法は以下の通り。
① メーター裏ハウジングの指定位置に引っ張ってきた回転信号を追加する
② メーター裏『TACHO』にメーターと配線が共着されているネジに、回転信号線をカシメた丸形端子を共締めし、直入力でタコメーターを動かす
①はスマートに纏める事が出来、ほぼ純正同様の使用感に出来るのがメリット。
しかしこれ、品番特定と部品調達がめちゃくちゃ大変。
そもそも純正カプラーの殆どは、ハウジング・端子共に汎用品(例えば187平型端子等のような)を使用していません。
業界の人間や専門職の方で無いと調達どころか、品番特定すら大変です。
ホームセンター等、比較的身近な所で揃う物で実行可能な②が適策といえます。
画像のように、タコメーターを司っている部分のネジに丸型端子をダイレクトに共締めしているだけの簡単な構造。
メーター脱着の手間は多少増えますが、見えない裏側なので全然気になりません。
使用した丸型端子は前愛車のパーツレビューにてアップしていますので、良ければそちらで確認出来ます。
【 ニチフ端子工業 / 裸圧着端子 (丸形・R形) R 0.75-3.5 10ヶ 】(※FS Limitedのパーツレビュー)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3046310/car/2673477/11330781/parts.aspx
ECUからの回転信号線の取り出しは事前に完了しているので、前々回の整備手帳にて確認出来ます。
ちなみに取り出した配線はエーモン製 配線ガイドを使用し、デッキ裏を介してメーター裏まで引っ張ってきました。
コルゲートチューブを装着し、なるべく純正チックな見た目で抑えています。
【 プレオ(RA系) ECUからTA線 分岐による回転信号の取り出し 】
https://minkara.carview.co.jp/userid/3046310/car/3308035/7197940/note.aspx
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逆の手順で一度全ての配線類を取り付け、通電確認を行いました。
結論から纏めると、
・燃料計
→正常
・スピードメーター
→正常
・オドメーター
→正常
・トリップメーター
→正常
・タコメーター
→正常
・ウインカー(LED化済)
→正常
・警告灯
→異常あり
でした。
警告灯異常の内訳です。
今回判明したのは以下の2点。
① バッテリー&ブレーキ警告灯 常時点灯
② ABS警告灯がはじめから点灯動作すらしない(しかしABS自体は正常に動作している)
①は前回の整備手帳にある通り、オルタネーター異常が発見された事による点灯。
タコ無メーターで表示されていた警告灯が同様に点灯している事から、寧ろきちんと機能している事を確認できています。
問題は②。
そもそも始めから点灯しません。といっても、つきっぱなしになるよりかはマシです。
ちなみにタコ無メーターにさくっと戻してみたところ、ちゃんと点灯しました。
なのでぶっちゃけ、車検の検査項目には無いですし余程プレオに詳しい変態さんじゃないと見抜けないかと思います。
心配ならば、車検前にしっかりオドメーター合わせをしたタコ無メーターへ再度戻せば良い話。
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メーター内ウインカーバルブの規格はタコ無と同じ『T4.7』で、警告灯も同様。
ぶーぶーマテリアル製 T4.7 LEDバルブ(※)を使用してウインカー(左右)のLED化を実施していたので、それを丸ごとネスタ用メーターへ移植。
4個のうち残り2つも使用。
警告灯で比較的安全であろう『シートベルト警告灯』、
そして おさる技研製 IH01 LEDバルブとの相性が気になっていた『ハイビーム灯』
この2点です。
結果、無事トラブル無く点灯しました。
とても明るくて見やすくなりました!
(※) 汎用品ベースの台座な為、小加工が必要となります。
詳しくは以前の整備手帳に記載してあります。
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前回はオルタネーター異常が発見されましたが、2種類の警告灯
『ブレーキ警告灯』
『チャージ(バッテリー)警告灯』
が常時点灯するようになっています。
試しに球を外してみました。
これ、画像では一見正常に見えますよね。
実はエンジン始動しても電圧計が
『11.6~12.1V』
付近と変化が無く、完全にオルタネーター(発電機)が停止しちゃいました。
球を戻すと
『13.4~14.2V』
付近で示しており、きちんと発電されています。
結果、
警告灯の光源そのものを取っ払うと、オルタネーターの発電そのものが停止してしまうといった衝撃の事実が明らかとなりました。
ほんの僅かな時間、物理的に警告灯を消灯出来ます。
しかし、警告灯どころかエンジンの灯も消えてしまいます。
見栄えの為に大きな代償を払うのは、誠に愚かなり。
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という訳で、警告灯そのものは引き続き点灯したままです。
流石に赤い警告灯が常に見えるのは、運転時の精神衛生上では宜しくないということで(オルタネーター交換までの間ですが)二重のマスキングテープで隠しちゃいました。
最後に、全て逆の手順で戻したら完成です!
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夜間点灯時はこんな感じ。
iPhoneのカメラ設定を肉眼に近い色味へ調整して撮りました。
PHILIPSのT10 LEDへ変更しているので、とても満遍なく綺麗に照射されています。
スピードメーターとタコメーターに至っては周囲がリング状になっており、青と赤のゲージがより立体感を得られるデザインとして引き立っていますね。
個人的にプレオの中で一番好みなデザインです。
(※ ちょうど駐車場でODO 5万kmピッタリになった時に記念?に撮った写真です。)
無事(?)に交換出来たので、かなりホッとしています。
それでは長くなりましたが、有難うございました!🙇♂️
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