
スポーツカーって何だろう?こういう議論はあちこちで散々繰り返されてきた話だが、改めて私のスポーツカー論を展開したい。
それは、車人生の終末期をスポーツカーと過ごしたいという私の望みを叶えるための考察。。。
例えばある人は「ランエボ」をスポーツカーだと言い、ある人はスポーツカーでは無いと主張する。性能的には国産車の中でも3本指に入ろうかという超モンスター級の車だから、たとえセダンの形をしていようとも、これはこれでスポーツカーなのだと主張する人がいても間違いでは無い。
ただ、私が「ランエボ」をスポーツカーだと思うかと聞かれれば、申し訳ないが
「否」と答えざるを得ない。何故なら、私の考えるスポーツカーの概念に「ランエボ」が該当しないからに他ならない。
それでは私の定義するスポーツカーとは何なのか?簡単に言えば以下のようになるだろうか。即ち、トランスポーターという車本来の機能について、少なくとも3項目以上に渡って著しい欠点を持ち、乗員に対して苦痛を与えることになるにも関わらず、所有する・或は走る悦びを禁じえないクルマ、だと。
ランエボは移動手段として犠牲にした機能が少なく、多少乗り心地を阻害する以外にこれといった欠点は無いものと思う。なので私的にはこれはスポーツカーでは無いと定義している。
つまり、クルマの姿形がスポーツカー然としている必要は全く無く、移動手段としては落第だが、乗って楽しければそれが
「Myスポーツカー」なのだ。
先日、日本を代表するスポーツカーらしき2台の車を試乗した。一台は形からしてスポーツカーの範疇に入りそうなNC型前期ロードスター。そしてもう一台は日本が生んだスポーツカーの代名詞? フェアレディZ(Z34型)。何れもSACLAMの社有車だが、「勝手に乗って良いですよ。」とのご好意に甘えて試乗させて頂いた。何故ならこの2台、私の考えるスポーツカーと言えるのかを見極めることで、形無き「Myスポーツカー」が見えてくるのかもしれないと思ったからだ。
試乗したNCは

既に4万キロ以上を走破した所謂中古車。SACLAMとしてのチューンはこれからという状態。足回りを含めてノーマルそうなこの車にはネオバというハイスペックタイヤが驕られていたが、どうも、このタイヤが楽しさをスポイルしているようだ。ごく普通のスポーツタイヤを履かしたほうがヒラヒラと楽しめるのではないかと、これは私の勝手な意見。
メタルトップを開けて走ると、ボディ剛性の低さが気になる。常にハンドルにプルプルとしたボディのたわみが伝わって来るのは興ざめだ。ハンドリングにもこれといって光る部分は感じられず、今どきエンジンとしてはあまり回りたがらない部類のエンジン・艶の無い排気音はスポーツカーとしては??というところ。ノーマルの状態でこの車を強く所有したいと思う気持ちにはなれなかった。
同じボディ剛性が低いなら、NA型位完全にガタピシしているほうがスポーツカーらしいと私は思う。
雨が降れば指一本で電動ループは独りでに閉まってしまうなど、スポーツカーとしては安楽すぎないか?大人4人が乗れないという点ではスポーツカーの資格あり。トランクが小さいというのもトランスポーターとしてはマイナスでgood!
ただ、乗用車然とした華の無いインパネ周り

にはスポーツカーらしくない部分を感じるし、実際「どうでした?」と聞かれても答えようが無かった。Dで聞いた、NCからR57へ乗換えを検討している方が多いというのも何となく判るような気がする。
私がこの車の持ち主なら、まずはタイヤをもう少し大人しいものに換え、下回りの補強・エンジンチューン
(メカチューン)・サイレンサー変更くらいは真っ先に行うことになるだろう。もっともメタルトップのこの車では私のスポーツカー定義には合致しないのだが。。。
続いてZ34。

1500kgの車重に336PSのV6 3.7Lエンジンはスポーツカーの資質十分。どのギアからでもそのまま踏込めばそれなりに加速してしまうのは大排気量エンジンの醍醐味。直進安定性は高く、ボディもガッチリしている。

インパネ周りには燃費計などのギミックも目立ちそれなりに雰囲気を盛り上げる。しかし、内装の質感演出が何時になってももうひとつなのは日産の進歩しない点。
V6エンジンはまだ新しいせいか、喜んで回るタイプには感じられなかった。しかし、336PSは伊達では無い。
3500回転を境に排気音が一変する演出は、スポーツカー的要素が十分。ただ、室内で聞く限りその音は劇画チックとでも表現するべきか、ギューンという「スーチャーが回りだしたような独特の音を奏でるのには驚いた。
そう、この車にはあのSACLAM管が装着されているのだ。

聞けば、耳に心地よい高周波音は後ろに行って戻ってこないのだとか。試しにトンネルで窓を開けて確認したら、なんと劇画チックと思われたその排気音は、フェラーリも真っ青というくらいの快音だった。言葉で表現するのは難しいが「クウァ~~ンwww」っていうような例の音だ。この音を聞いてもサイレンサーをSACLAMに替えなかった人は過去にいないとはUさんの自信の発言。
(しかし、これで本当に96db以下なのだろうか?)
大排気量エンジンを積むくせに大人2名しか乗車出来ない点、そして燃費が悪く不経済な点は大きなマイナスポイントでスポーツカーの資質十分? しかし我がスポーツカー定義からすれば、もう一つ我慢するべきポイントが足りない。SACLAM管を得たこの車は所有したいと思わせる魅力を一つ手に入れたが、まだ積極的に所有したいと思える+αが足りないと思う。高速をぶっ飛ばすようなグランドツアラー的な使い方が適した車であり、この車も
「Myスポーツカー」の範疇には無いのだと思った。
結局「Myスポーツカー」とは、ある意味マゾヒスティックな物なのかも知れない。狭い・暑い・寒い・合羽が無ければ乗れないとか、走る上でのいくつかの苦痛を 車そのものの魅力が上回ってしまう存在。
ある意味二輪車との共通項が多いと思うが、上段写真の
「2-Eleven」とまでは言わないまでも、クルマとしてのある種「潔さ」は必要かもしれない。そしてその「潔さ」に痛めつけられながら、それを快感と思える変態性を有することが
「Myスポーツカー」を操る者の最低条件だと確信したのだった。
※これは、あくまで私的な「変態性スポーツカー定義」によってロードスター・Z34を見たものです。両車のスポーツ性をうんぬんするものではありません。
No.464
Posted at 2009/05/28 18:49:24 | |
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