
本日、関東も梅雨入りの発表がされました。
ここのところアジの良い釣果情報を聞かないのでこの時期毎年行っているテナガエビ釣りと初挑戦のタコ釣りに行ってきました。
まずはテナガエビ。
5日午後、毎年行っている河口へ。
大潮の3日目、ちょうどお昼前に干潮だったのでかなり水位が下がっており岸から短い竿で釣るには釣り場が限定される状況でした。
なんとか竿を出せるところを見つけて水中の障害物近くに仕掛けを入れます。

水深はおおよそ40~50センチ、いつも通りのシモリウキを付けた仕掛けでエサは自宅の庭を掘り起しで持ってきたミミズを切って使いました。
何度か仕掛けを入れなおしているとモゾモゾとウキが動くのを確認。
しばらく待って聞き合わせをすると今年も釣れてきてくれました。

アタリはわかりにくいですが掛かれば独特の強い引きを楽しめます。
ときおりウキが大きく動き6~7センチの小さなハゼも釣れてきました。
この日は時間があまりなく1時間半ほどで切り上げましたが釣果は約10匹。抱卵しているメスはその場で逃がしました。

寄り道をしながら帰宅する予定だったのでこの日の獲物はやはりエビを釣っていた近くの少年に持って帰ってもらいました。
さて、翌日6日、朝とても天気もよかったのでゆっくりと出発してタコ釣りに向かいました。
タコ釣りは千葉県のほとんどの地域が漁業権に引っかかり禁止されています。
が、情報のあった浦安あたりは漁業権がなく自由にタコ釣りを楽しむことができます。そして5月からタコがよく釣れているとの情報を聞きつけ、でかけることになりました。
着いたのは浦安市内にあるきれいな海浜公園です。

ここは駐車場も完備しており開場時間は決まっているものの無料で車を停めておくことができます。

私自身、タコ釣りはまったく初めてです。イカ用のエギでも釣れるようなのですが私はヒイカ用の小さなエギしかもっていません。
釣り場に向かう途中で上州屋に寄り、タコ用のエギと特売品のイカ用エギを予備として購入して向かいました。
芝生の広場を横切り、海側に出るととにかく広い岸壁に点々と並んだ釣り人が竿を振っています。
キス釣りの人もいるようですが、ほとんどの釣り人が私と同じタコ狙いのようでした。
それぞれ思い思いのエギを投げていました。
この日は昨日の大潮から変わって中潮の第一日目、大きく潮が動きます。
到着時はちょうど干潮の頃だったので潮が動き始めるまで周りの釣り人の様子を見ながらコンビニで買ったおにぎりを頬張りました。
そのとき私のふたり向こうの釣り人が大きく竿を曲げてリールを巻いています。
ポーンと抜きあげたエギにはしっかりとタコが付いていました。
それを見て私も俄然やる気を出します。
おもちゃにしか見えないようなエギをカゴ釣り用の遠投磯竿(5.3m)にセットし、沖に向かって投げました。
さっきタコを釣った釣り人の動きをできるだけコピーして投げ入れたエギを動かします。
少しずつサビキながら様子を見る。そんな動作の繰り返しです。
ここの釣り場は広い岸壁に柵がありその下からテトラが入っていて海面までまあまあの距離があります。
しかも釣りはじめた時間が干潮直後だったなのでかなりテトラが前の方まで露出しており、さらにその先の海面には海藻が漂っていました。
エギを投げ続け何投目だったか、サビいていると根掛かりのような重みを感じました。
もしかしたらと思い、一呼吸おいてから大きく合わせます。かなりの重みを感じますがただただ重いだけ。
ドラグが緩めだったので途中締めながらリールを巻いていると仕掛けに絡んだ海藻が近づいてくるのが見えました。
なんだやっぱり根掛かりだったかとほんのちょっと竿を緩めたそのとき付いていた海藻の中から赤い個体が離れるのが見えました。
あ!と思ったときは時すでに遅し。恐らく、いや確かにタコでした。
掛けた後、ドラグを締めたりしていたので巻きの速度が遅くなりタコを掛けた仕掛けが途中沈みがちになって海藻を引っかけてしまったようです。
なんとも悔しい。
しかし、失敗は成功の素。アタリの感触と引き寄せ方はわかりました。
と言うか、アタリはなくタコが乗った重みがそれであることを理解しました。
できるだけ遠投し、底をなぞるようにサビいてときどき止めたりチョンチョンと動かしてみたりを繰り返しました。
…と、モゾッと重みを再び感じました。根掛かりとはちょっと違う気がします。
まずは一呼吸おいてドラグの締まり具合を確かめ、大きく竿をあおりました。
ずっしりとした重みを感じ来た!と思いました。
そこからはとにかくリールを巻き竿を立てて浮き上がらせます。
今度は海藻にかからない速度で巻き上げなんとかテトラ付近まで寄せてきました。今度は赤く、広げたタコの足がはっきりと確認できました。
テトラにぶつけないように一度竿を下げてエイっとばかりに一気に持ち上げ同時に高速でリールを巻きあげます。
柵を越えこちら側に取り込みました。
やったー!人生初のマダコ釣り上げです。

しっかりとエギを抱いたまま動き回ります。
大きくはありませんが、頭はこぶしくらいありました。
バケツに移してしっかりとチャックを締めました。
しっかり締めないとすぐに脱走を計ろうとします。
さて、アタリと取り込みのコツがわかると面白くなってきます。
仕掛けに重みを感じて合わせるときのドキドキ感。グンと重みを感じ底からタコを引きはがしたときの気分は最高でした。
竿は腰のある投げ竿が一番よさそうです。取り込みを考えると長さは4m以上が適当だと思います。かなりの重さを強引に引いてくるのでリールも4000番以上のものが適当かと思いました。私が使用したのは4000番で糸はナイロン4号です。
もちろん柔らかい磯竿で釣り上げている人もいましたし、ルアーロッドでやっている人もいました。
飛距離さほど必要なさそうでした。
恐らく掛けるところまではどんな竿やリールでも大差ないと思われます。
差がでるのはテトラの先から取り込みまでの運びです。
竿が短いとどうしても手元まで引き上げられず途中テトラに当たってしまいます。バウンドしてそのまま取り込めればいいですが、タコも必死に足を広げて何かに捕まろうとしているので運が悪いとそのままテトラに張り付いてしまいます。
そうなると竿をあおっても離れません。バラシならまだいいですがラインが切れれば仕掛けごとロスします。
柵を越えてテトラに降り、仕掛けやタコをはがしている人を何人も見かけました。
そうなるとやっかいですし、何よりも危険です。
私は一度だけ空中でタコを落としてしまいましたがテトラに張り付かせることはありませんでした。
合わせの空振り、水中でのバラしは何回かありました。
しかし、思っていた以上にアタリはありました。魚影ならぬタコ影はかなり濃いと思われます。
上げ潮が効いてきてアタリも活発になり立て続けに3杯を釣り上げました。
まだまだ行けそうな気はしましたがこれ以上持って帰っても持て余しそうだったので釣り開始1時間くらいで納竿としました。
活かしたまま持ち帰る人が多いようでしたが私はその場で絞めるることにしました。
前日調べてタコの目と目の間にナイフを入れると絞められるようです。
だいたいイカと同じです。
私はハサミを使って目の下あたりをカットしました。
その瞬間、タコの体色が白くなり絞まったことがわかりました。
その後はタコの頭部をひっくり返し内臓の全てを手で引きはがしました。
3杯とも同じように下処理してビニール袋に入れクーラーの氷水の中につけて持ち帰りました。
もっと下処理に手こずるかと思っていましたが意外と簡単で手のぬめりや臭みも気になるほどありませんでした。
家に着いたのち内臓を抜いたタコはたくさんの塩を使ってヌメリを完全に取ります。洗濯物のように塩を付けた手で揉んだりしごいたりして水で流します。
3回ほど繰り返すとすっかりヌメリが取れてキシッとした感触に替わりました。

写真の目のところに見える白い部分が絞めたときにカットした切り口です。
その後、パスタを茹でるように大量のお湯に少し塩を入れ5分ほど茹でました。
きれいに足を丸めたタコのはっちゃんの出来上がりです。

茹であがったばかりの温かい脚をひとつ切ってつまんでみると「おいしい!」。
ものすごく味が濃く、調味料を使ったような出汁感がありました。
独特の釣趣でしたが初のタコ釣りを満喫しました。
想像以上に簡単で良い釣果に恵まれビギナーズラックだったかもしれません。
ちなみに私の使ったタコ用エギはコレです。

タコは白い物が好きとどこかで聞いたことがあったので私は真っ白を選びましたが、周りの釣り人はピンクの人やオレンジの人が多かったようです。
またタコ用ではなく大型のイカ用のエギを使っている人もいました。