
昨日はMAMBAタービンのシェイクダウンにMLSを走ってきました。
Project M 最終章の結果や如何に・・・
前回の
調整編で厳しい数値を記録していたこのタービンが、実走行でどのような結果を出すのか、誤魔化しようのないテストになります。
その調整の過程で取得されたログから、以下のような差があると事前になべさんから聞いていました。
MANBA VS スペックC タービン 4速加速比較
スペックCツインスクロール-------------------2015/2
RPM 圧 TIME 差
2531 0.48 7.050
3501 1.46 10.20 3.15
4489 1.71 11.85 1.65
5483 1.52 13.65 1.80
6494 1.36 15.90 2.25
7510 1.26 18.75 2.85
MANBA30系ツインスクロール------------------2015/7
RPM 圧 TIME 差
2515 0.17 7.650
3496 0.37 13.35 5.70
4500 0.99 16.50 3.15
5486 1.57 18.75 2.25
6481 1.54 21.15 2.40
7463 1.40 24.15 3.00
気温差があるとはいえ、各回転数に到達するまでの時間を見る限り、下はスカスカで上も意外と同じような回り方というなんともダメダメな結果でした。
ただし、ブーストのたれ具合や、各ブーストに対する出力やトルク特性まではこの結果ではわからないので、やはり一度走行してタイム差で具体的な違いを検証する必要があります。
この日は気温が35℃を軽く超え、
前回の走行より10℃近い高温で、賢明な方はまずサーキットを走らないコンディション^^;到着するなり汗だくの石原さんに何しに来たのと言われる始末。。
実際現地には全く誰もおらず完全貸し切り状態で、ある意味テストには最適です(笑
準備も早々に、周囲の反対を押し切り(笑)15時枠を単独で走行します。
まずはスペックCタービンと同じ走り方で、どのくらいのタイムが出るかを比較します。
一番の特徴は外周手前で4速に入れる点ですが、この乗り方だと47秒フラットが限界。
この時点で高回転寄りの特性になっているのを改めて実感。
ただし4000rpm以降を使う外周等は同じ感覚で曲がれます。
2835サイズのMAMBAタービンは、少しでも回した方が真価を発揮するようです。
まとめると、4000rpmを維持しシフトは高回転まで引っ張る走りをすれば意外とタイム差はないかと。
それらを踏まえ、次は外周手前をシングルスクロール時代同様3速キープでアタックします。
アクセルを早めに開けシフトアップタイミングも引っ張り気味に意識して、46'3まで詰まりました。
ん?意外とタイムは出ますね!?
一体どこでどうタイムが変動しているのか、前回スぺCタービンで出した同じ仕様で45'7の周回と、今回の46'3の周回を比較します。
上がスぺCタービン、下が今回の走行です。
1ヘアから外周を抜けるまではほとんど同じペースで走れています。
これは1ヘアが意外と高回転を維持できているからで、MAMBAタービンは引っ張ればきちんと馬力は出ているみたいなので、一瞬ヘアピンの立ち上がりが遅くても外周手前で同じ位置に並べています。
それとは対照的なのが2ヘアで顕著に表れる立ち上がりの遅れです。
1ヘアと違い登りながらやや鋭角に立ち上がる2ヘアでは、見事にワンテンポ遅れて加速しています。実際乗っていてここが一番もどかしい瞬間でした。
動画ではワンテンポ遅れて入るインフィールドは、体感的にすべてのコーナーの加速にモッサリ感があったのですが、実は抜ける速度にあまり差がないことが以下の動画でわかります。
先ほどと同じ比較動画をインフィールド入口の位置で調整したものです。
加速感は明らかに薄れているのですが、S字はほぼタイムに差はなく、最終ヘアピン後の加速で若干離されていることが分かります。
このことから、4000rpm以下でターンする直後に長いストレートを伴う低速コーナーのみMAMBAが不利であることが分かります。
ただし1ヘアから外周の例に倣うと、長すぎるストレートであれば、ストレートエンドで追いつくことが出来るとも言えます。
もちろん乗り方やコンディションの差はあるとはいえ、少なくともMLSでは単純比較で0.5秒スぺCタービンに後れをとる結果となりました。EVCの設定は結局スぺCの時のマップを使用しましたが、オーバーシュートしない分最大ブーストも0.05kpaほど低い(メーター読み)値を記録。
これは以前の走り方と乗り方をかなり変えても出た差であることから、少なくともMLSでは総合的にスぺCタービンの方が速いという結論となります。
ただし、低速コーナーでは体感の加速の遅さが必ずしも大きなタイムロスにつながらないことも同時に分かりました。
コースなりに乗り方を工夫するだけで、意外とタイムに大きな差が出なかったことが意外な結果でした。
この後貸し切り状態だったので、少しドリフトを練習しましたが、ブーストの立ち上がりの遅さがここでも乗りにくさとして表れてきました^^;
単純に低回転のモッサリ感と突然来るドッカンに近いブーストの立ち上がりが、ドリフトには向いていないという判断です。
今日の走行テストにより自分なりに以下のようにMAMBAタービンを評価します。
※あくまで私のクルマの仕様で、GTX30系(HKS GT2835クラス)を使った場合の評価です
・ホームコース(MLS)では扱いやすさ、相性的にスペCタービンの方が速い
・大きいサーキット(富士スピードウェイや鈴鹿サーキット)では、MAMBAの方が速い
・ジムカーナやドリフトではスぺCタービンの方が速い(扱いやすいので安定して走行できる)
・タービンの品質としては取り付け、作動状況を見る限り高そうである(取り外したときにまた確認します)
このタービンは高速サーキットでこそ本領を発揮するのでしょうねぇ~^-^
来シーズン走る予定のサーキットを考えると、MAMBAでワンシーズンというのもあながちナシではないのですが、肝心のMLSのタイムアップに向かないことがはっきりしたのが今回の実走行テストの結果です。
それにしてもクルマって本当に奥が深い・・・
様々な方にお世話になったプロジェクトMもこれにてすべての工程が終了となります。
私のクルマで結果は出ないというエンディングになりましたが、MAMBAの評価としてはこのサイズを生かせる車両には非常に良いタービンだと思います。
特に排気量をアップしている車両や、カムチューンされた車両にはベストマッチなタービンだと思われます。
私の方は今回の結果を受け、パーツのポン着けで速くなる仕様の限界が来た感があります。
シーズンスタートまでに最終的にタービンをどうするか、じっくり検討したいと思います。
■今日のセッティング
車高⇒F:指3本、R:指3本※フェンダーとの隙間
減衰⇒F:1<16=伸/縮3/7、R:1<16=伸/縮3/7※MAXから~段戻し表記
バネ⇒F:13.4Kg、R:10Kg
キャンバー⇒F:約4度、R:約3度
タイヤ⇒F3分山、R2分山(RSsports18インチ:265/35)
空気圧⇒冷間F:2.1、R:2.1>温間F:2.5、R:2.5
デフ⇒F:ロック、C:ロック1<5=5、R:ロック
ブースト⇒最大1.45kpa※オーバーシュートなし