#2 キーが回らない! L322 Key won't turn
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
2
ハンドルロックのメカニズムはこのようになっています。
この図はステアリングシャフトとその周辺の図です。右上のモーターで5番のプレートを左に移動させるとステアリングシャフトの溝に刺さりハンドルが回らなくなります(ロック状態)。その状態を検知したり運転中に間違ってハンドルがロック状態にならないように制御しているのが、3番のソレノイド付きのデバイスです。5のLocking Boltが左にスライドしてハンドルロック位置にいること、右にスライドしてアンロック状態の場合は、3のソレノイドのピンを下げて5のLoking Boltが動かないように固定します。
故障は3のソレノイドの動作不良のケースが多いようです。
よく海外の動画でWD-40を注油しますが、それはこのソレノイドの動きをよくして回復するためのようです。ドリルで穴をあけているのもソレノイドの度可動部分近くに直接注油するためのようです。
3
ステアリングカラムのカバーを3本のねじを取って外します。上下の2つのパーツに分かれて簡単に外れます。テレスコピックは一番手前にしておいたほうがいいと思います。
ねじはトルクスのT20が2本と、T25 が1本です。確か一番大きな穴のねじがT25 だったと思います。真ん中のT20はかなり深い穴なので150㎜くらいあるトルクスドライバーが必要です。穴も細いのでエクステンションだと入らないかも。
4
写真で155と書かれているコネクタがステアリングカラムロックECUのコネクタです。この写真はコネクタを外して、代わりにエミュレータに接続してステアリングカラムの上側にすでに押し込んであります。
5
エミュレータはステアリングのロック、アンロックの動作の代わりをします。外したコネクタをエミュレータにさします。つまり車体側の本来のステアリングカラムロックECUは使用しなくなります。
エミュレータはキーを刺すと、「ステアリングはロックされていますか?」という問い合わせに対して「ロックされています」と返答します。この返答で鍵が回るようになります。
この辺りは想像です。間違っているかもしれません。
6
コネクタは写真のように下側にグレーのパーツを回転させると同時に抜けてきます。抜く方向に少し力を入れながらグレーのパーツを下に回転させるとスムーズに抜けました。
7
コネクタをエミュレータに挿す際は向きに気を付けてください。たぶん反対向きにはケースが邪魔をして入らないと思いますが、ピンの構成上逆向きにも刺さります。
エミュレータのピンの1番とコネクタの1番を一致させます。
8
コネクタ側は青い線が1番ピンです。
9
エミュレータのLEDが見える穴側にグレーのレバーが来るように挿せばいいです。この写真ではレバーを立てた状態です。
正常に働いている場合はコネクタを挿すだけで赤いLEDが点灯します。
10
キーを刺しこむとグリーンのLEDが点灯します。この状態でキーが回せます。
ただ、1回だけ赤いLEDが点灯したまま、キーを何度抜き差ししてもグリーンに変わらない症状が出ました。
その際は、「#1 キーが回らない」で用意したスイッチを2回押すとまた正常に動作するようになりました。クルマをアンロックしたままある程度時間が経過するとこの症状が出るようです。アンロックしてすぐにエンジンをかければ問題はなさそうです。
キーを抜いてしばらくするとETCなどへの給電が止まりますがそのタイミングとエミュレータの動作が以上になるタイミングが近いような気がします。
というわけで、♯1で取り付けた18番ヒューズを抜き差しする代わりのスイッチも用意したほうがよさそうです。
もしくはもう一度車をロックしてからアンロックすれば正常に動くかもしれません。
ヒューズ18スイッチは2回押す必要があります。
1回目押すとLEDが赤もグリーンもどちらもついていない状態になりました。2回目押すと赤いLEDが点灯状態に戻りました。この状態でキーを刺せばすぐに回りました。
11
エミュレータのコネクタは抜け止めのロックが効いていなさそうなのでタイラップで固定しました。
12
エミュレータをステアリングカラムの上に両面テープで固定してこれで作業完了です。
13
作業後IIDツールでFailを調べました。作業前は下記の2件のエラーがステアリングカラムロックECUで記録されていました。
SCLM-Steering Lock
0x1B Securing magnet fault
0x17 Locking operation error
作業後はエミュレータが代わりに動作するため何もFailが記録されませんでした。うまく身代わりとして認識されているようです。
14
おまけ。油を注す場合
ステアリングカラムの下側にドリルで2㎜程の穴をあける動画も多いですが、お手軽にやるには、ステアリングカラムの上側のこの写真真ん中の薄い金属プレートを外して上から注油するようです。ステアリングをぐるぐる回しながら注油して下にある程度たらしてソレノイド部分にまで油を回すようです。
ただ、海外のステアリングカラムの修理業者などの記述を見ると、穴をあけたり、この上のふたを外して油を注した場合は、修理料金が跳ね上がる傾向でした。ここに注油するとECU基板にダメージが入る場合もあるようで修理で交換する部品が増えてしまうようです。
今回はエミュレータで動いたので注油は見送ることにしました。
15
2023/02/07 追記
エミュレータを取り付けて半年以上経過しましたが問題なく使えています。
鍵を開けてからしばらく放置するとエミュレータが動作しない件の回避方法は、車内にいるままでいいので、リモコンでロック、アンロックすればエミュレータが動作するようになります。
エミュレータを取り付けてからヒューズ18番を抜き差しする代わりのボタンは使わずにすんでいます。エミュレータだけで十分鍵が回らない問題は解決できました。
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク