さて、2016年も終わり2017年が始まった訳ですが、
私の場合、盆も正月もゴールデンウィークも関係ないんで通常営業でいきますよ。
毎年この時期になると雪山で元気に雪壁に刺さったり側溝に落ちてる人も居るかと思いますが、
刺さったり落ちたりして自力で脱出できなかったら誰かに引っ張り出して貰わなきゃいけません。
そこで牽引ロープが必要になる訳ですが、意外と持ってない人も多いみたいです。
先日、自宅敷地内の庭先に集う人達と話してたら、日常的に刺さったり落ちたりする彼等ですら、
牽引ロープを持ってる人は一人も居ませんでした…
刺さったり落ちたりするのは仕方ないにしても、牽引ロープがなくて速やかに排除できない、
レッカーを呼んでも数時間待ちなんて状況になると当然その間他の人も走れません。
レッカーを待つ間ずっとアイツのせいで走れないのかという視線が突き刺さり続けます。
これって結構グサグサくるというか、かなり痛いです…
こんな事態にならない為にも牽引ロープは持ってた方がいいと思います。
個人的には変な改造パーツを買う金があるんなら、
先に牽引ロープと前後の牽引フックを買えよと思います。
牽引フックも前に着けてる人はたまに見掛けますが、後に着けてる人は少ないんですよね。
大抵の場合、刺さる時は前から突っ込むので、前に牽引フックが着いてても意味がありません。
前後に着けるのがベストですが、どうしても1個しか買いたくないなら後に着けるべきです。
そんな訳で牽引ロープ選びですが、量販店なんかで売ってるのは大体この手の奴だと思います。
ゴムみたいに伸びるのでショックを吸収してくれたりして良いんですが問題もあります。
牽引ロープって意外と簡単に切れちゃうんですよ。
伸びきった牽引ロープが切れるとゴムパッチンみたいに物凄い勢いで飛んできます。
また、相手が古い車なんかだと牽引フックのブラケットが千切れて飛んできたり、
この手の牽引フックだと取り付けが適当で牽引フックが飛んできたりします。
良かれと思って引っ張ってあげたら切れたロープが飛んできたり、
相手の牽引フックが飛んできたりしてボディに傷が付いたり、
フロントガラスに当たって割れちゃったのも見た事があります。
なので私的にはベルトスリングのタイプをお勧めします。
ベルトの伸縮性があまりないので牽引の難易度は上がりますが、
万一ベルトが切れても飛んでこないので二次災害が減ります。
また、写真のように1mのベルトスリングを持ってると、(紫の奴がそれです)
金属のフックを直接牽引フックに掛けなくて済むので、
牽引フックに与えるダメージを減らせます。
これは自分の牽引フックの塗装が剥がれちゃったら嫌だなという話じゃなく、
自分が刺さって引っ張り出して貰う際に、相手の牽引フックの塗装を剥がす可能性が下がります。
せっかく助けてくれた人の牽引フックが傷付いたりすると微妙な空気になりますし、
これくらいの配慮はあってもいいと思います。
また、引っ張ってくれる車が一般車の場合、最初から牽引フックを着けて走ってないですから、
車載の牽引フックを取り付けるにはバンパーの蓋を外す必要があります。
マイナスドライバーとかで抉ってもいいんですが、
うっかりドライバーが滑って傷を付けても微妙な空気になっちゃいます。
可能な限り相手の車に傷を付けないように、樹脂製の内装外しなんかもあると尚良いです。
また、先程も牽引ロープは意外と簡単に切れると書きましたが、
本当に切れる時は簡単に切れるので、同じ物を2本買っておく事をお勧めします。
切れると言ってもベルトスリングの場合、ベルトそのものじゃなく縫い目の糸が切れるんですが、
2本あれば切れた時のスペアに使うもよし、ヤバそうなら最初から2本掛けるもよし、
脱出の可能性が高まりますし、ネットで1,000円くらいから手に入る物なので、
同時に2本買っておく事を強く激しくお勧めしときます。
また、例えば4mと書いてあっても、物によって微妙に長さが違ったりするので、
2本掛けて引っ張る時の長さを揃える為にも最初から同じ物を2本買っといた方がいいです。
ちなみに私がガチで使ってる奴はこんなのです。
これは車の牽引用じゃなく荷物をクレーンで吊り上げる用のベルトスリングですね。
サーキットで刺さった時に引っ張り出されるのもコレと同じようなのを使ってますので、
やらかしちゃった苦い思い出と共に見覚えのある人も居るんじゃないでしょうか(笑)
私はコレに、車を引っ張るどころか吊上げてもへこたれない鍛造のシャックルを組み合わせてます。
自宅敷地内の雪山なんかで遊んでると簡単に刺さっちゃったり、
逆にその辺で刺さってる車を見付けちゃったりするので、
多い時には1日に数回引っ張ったり、引っ張られちゃったりする事もあります。
車を引っ張る用の奴だとバチバチ切れてコスパが悪いので、
収納性が極めて悪かったり、値段が高かったりはするんですが、
車を引っ張る用の奴じゃなく荷揚げ用の奴を使ってます。
で、実際に引っ張ったり、引っ張られたりする時の注意点ですが、
まずは異常に高額な車を引っ張ったり、引っ張られたりするのはやめましょう。
上記のように作業中に相手の車に傷を付けたりする可能性が多分にあるので、
後々トラブルに発展する可能性も多分にあります。
このような車とは可能な限り関わらない方が賢明です。
このような車が刺さってるのを見付けてもレッカー屋さんにお任せした方がいいですし、
このような車に引っ張ってあげると言われても丁重にお断りした方がいいです。
また、この手の牽引フックを取り付けてる車とも関わらないようにした方がいいでしょう。
JAFのJ項に準ずる牽引フックですが、コレって正しく取り付けるのは結構大変なんですよ。
的確に取り付けるにはバンパー周りを全バラにしたり、
車種によってはラジエターなんかも外さなきゃいけません。
ハイテン鋼のフレームに穴を開けるだけでも一苦労ですし。
つまり、レーシングカーならレギュレーションに沿って適切に取り付けてあるかもしれませんが、
街乗り車だとフレームに穴を開けるのが大変なのでフレームじゃない所に着けてあったり、
既存の穴を利用したいが為にやたらと細いボルトで着けてあったり、
この手の牽引フックが的確に取り付けられてる可能性は低いので、
相手の牽引フックを引き千切っちゃう可能性があります。
相手の牽引フックに塗装じゃなくアルマイト加工がされてる場合もヤバいです。
アルマイト加工がされてるという事は牽引フックの材質がアルミですから、
引っ張ったら牽引フックが伸びちゃったり、引き千切っちゃったりする可能性が高いです。
牽引フックにアルミとかおかしすぎるにも程があるので関わらない方が賢明です。
そして、一番ヤバいのがこの手の牽引ベルトです。
ベルトスリングを見てから、この手の牽引ベルトを見ると一目瞭然ですが、
この手の牽引ベルトは1回引っ張ったら確実にベロベロに伸びちゃいます。
サベルトとかシュロスとかスパルコとかOMPとかタカタとか、
売ってるメーカーを見ると薄々お分かりかと思いますが、
シートベルトの材料そのもので作られてます。
人の身体を受け止める為の材料で車を引っ張ったら、
一回こっきりで駄目になるのも当然ですよね。
そもそもが1回こっきりの使い捨て用なので、
相手がそのつもりじゃなきゃ、ほぼ確実にトラブルになると思った方がいいです。
また、この手の牽引ベルトを着けてる人の多くはファッション感覚でしょうから、
バンパーにベルトが通るギリギリのサイズの穴しか開けてありません。
ちょっとでも斜めに引っ張るとバンパーがもげますから事態はもっと深刻な事になります。
なので、相手の車に牽引ベルトが着いてたら適当にバックレた方がいいと思います。
私の場合、牽引したりされたりする事が人並み以上にあるので思うところは一杯あります。
これでも思うところのごくごく一部分程度しか書いてないんですが、
最低限これだけは守っておいた方がいいんじゃないかと思います。
特に牽引ベルトに関しては、これ以上書くと攻撃的になりすぎるので、
私的には全くお勧めしないよと思って頂ければ宜しいかと思います。
今年も1年、楽しく引っ張り、引っ張られましょうね(笑)