その②トー測定(実測・エクセル表)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
その①の続きです。
実際にトー角を測定していきます。
画像のオレンジ矢印、ホイール端の前後間の長さを計測します。
自分のホイールの場合は、467mmでした。
測定場所に車両を設置します。
ハンドルをセンターにして、手で固定して動かさないように3m程度バックか前進して、平らな測定場所に停めます。
初回の測定では、トータルトーの測定値はわかるものの、左右別々のトー角は不明となるため、バーをセンターに修正するための測定になります。
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測定には、デジタルノギス(1/100mmが測定可能)を使用します。
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緑矢印のようにラインが正確に読み取れるように線(千枚通しでつけた線キズ)を入れています。
また、先端はホイールに傷がつくので、マスキングテープで保護します。
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最初にバーの位置を入力するため、この部分を測定してエクセル表に入力します。
リアは18.60mmでした、、、。
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緑矢印の箇所、ホイール端を4本分、計8箇所を測定していきます。
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測定はこんな感じで真上から見て、ノギスに入れた線とラインが重なるところを読み取ります。
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各ホイールの測定を行い、メモします。
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全ての測定値をPCのエクセル表に入力すると、、、。
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バー修正前の測定結果です。
赤マーカーの部分がホイール径、バーの位置、各ホイール端の測定値を手入力したもので、後は全て自動計算です。
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前画像の青マーカーの値のとおりにバーをスライドして修正、左右ホイール間のセンターに前後のバーを合わせます。
リアは、バーを右へ0.2mm、ノギスで18.37mmにバーの位置を修正します。
フロントも同様にバーの位置修正を行います。
これで、左右のホイールセンターに対して、平行にラインを張ったことになります。
この状態が基準となり、再度測定を行いエクセル表に入力します。
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再測定結果を入力しました。
青マーカーの車両センターにバーを合わせる修正結果は、フロントはぴったりで、リアは左へ0.2mmズレていますが、0.5mm以下は大まかなタイヤの向きを把握するのには支障がないので良しとします。
測定結果で気になったのは、赤マーカー部分、リアトー角の左右差で、実はこの方法で測定を始めた頃から、気がついているものなんですがどうしたものかな?、、、と思っています。
どういうことかというと、依然はトータルトーのみの測定で、ほぼトーイン0°10´でOKだと思っていたのですが、この方法で測定するとトーションビームごと、左に向いているような感じになっています。
タイヤの変摩耗もないので問題ないかな?とも思っていましたが、トーションビームの付け根が怪しいなぁ、、、。リジカラを入れているのでズレはないと思っていたのに、、、。
今度、時間があるときに、しっかり確認してみようと思います。
これだけ違いがあると、左右のコーナーで車の動きに違いがあるはずなんですが、最近そこまでハイペースで走行していなかったしなぁ、、、。
ということで、この方法、ある程度の測定時間はかかりますが、DIYにしては結構な精度で測定できているなぁと思っています。
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最後にこのエクセルシートを作成するポイントです。
※エクセルの計算式などマニアックな内容になりますので、興味のない方はスルーしてください。
暇な時など利用して、エクセルシートを作成してみてはいかがでしょうか?
赤マーカーのセルに入力しておく計算式ですが、糸からホイール端までの長さの前後差で各タイヤのトー角を計算する計算式で、円周率を使って計算します。
Tanθでも計算できるらしいのですが、簡単で理解しやすいので円周率を使った方で入力しています。
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赤マーカーの左前輪の計算式を例にあげます。
トー角を0°〇′(分)で表す場合の計算で、
=(ホイール前側測定値-後側測定値)÷(2πr÷360÷60)
※π(円周率)、r(ホイール直径)
となります。
エクセルでの計算式は、
=(前側入力セル値-後側入力セル値)/(2*3.1416*ホイール径/360/60)
となり、画像のとおり入力します。
この場合、計算された値が+値になるとトーイン、-値になると、トーアウトになります。
他のホイールのセルにも計算式をコピーして、対応するセルに修正、指定するだけです。
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参考ですが、画像の赤マーカーのセルのようにセルの値に単位を表示する方法です。
赤マーカーのセルを右クリックして書式設定を表示します。
表示形式をユーザー定義にして、画像のように表示するよう指定すると、トーインであれば黒字、アウトであれば赤字で「OUT4.3´(分)」のように表示させることができます。
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赤マーカーのバーを合わせる修正値は、各ホイール測定値の中央値の差をなくすよう修正する計算式を入れています。
まず、緑マーカーの各ホイールの中央値を求めます。
各ホイールの中央値=(前セル値+後セル値)÷2
※関数のAverageを使用してもいいです。
で、修正する値(バーをスライドする長さ)を求めると、
修正のための値=(左中央値-右中央値)÷2
です。
また、青マーカーのトータルトー角は、左右の各ホイールのトー角を合算したものです。
PS 結構、このエクセル、重宝していて、もっと詳しく説明しようと思っていたのですが、マニアックだし説明が下手なのでポイントだけの説明となりました。申し訳ないです。
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