こんばんは🌛
トップ画像はジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡という望遠鏡です。
最近のニュースでご承知の方も多いかと思いますが、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡で捉えた画像が公開され始めました。
以下、長文失礼します。
【注】このブログでは、多少、脱線気味の科学的な無駄話や用語解説も挟んで記載しますので読み飛ばし、または興味の有る方はお付き合い下さい。
【ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡】
(James Webb Space Telescope
以下、JWSTと呼称)
NASA主導の元で開発。老朽化しているハッブル宇宙望遠鏡の後継機体となる。名称はNASA代2期長官に由来。
宇宙空間で任意の方向から来る赤外線を主に観測する望遠鏡。
2021年12月25日 ギアナ宇宙センター(フランス領ギアナクール)よりアリアン5ロケットで打ち上げられた。
↑アリアン5から分離後、コンパクト化された輸送形態から観測形態に展開しながら目標軌道まで移動した。
ハッブル宇宙望遠鏡は、地球の周りの衛星軌道外縁辺りを辺円周回していますが、JWSTは圧倒的に遠い、なんと月よりも遥かに遠い所から観測します。
具体的には太陽‐地球間でのラグランジュ点の中のL-2ポイント近郊ハロー軌道です。
【ラグランジュポイント】
・物質間の重力平衡点
重力バランスが平衡している為、空間座標に対する位置を安定維持しやすいポイント。
L-1〜5の5点となる。
惑星を回る衛星などは通常、自然にラグランジュ点に位置して安定します。(違う場合も有ります😅)
(正確には月も無視出来ない重力源ですが…ガンダムのコロニー配置設定で出てくるラグランジュ点は地球‐月間なのでサイド3にはぶつからない(笑))
L-2を選べば地球が太陽光の傘になり、要らない電磁波ノイズを防げるので良さげですが、太陽電池の効率も落ちるのが痛し痒し?
地球から月迄が約38万㎞ですが、JWST迄は、150万㎞だそうで、光速でも5秒掛かる😵
地球から更に150万Km離れると太陽からの与エネルギーもより少なくなり機体温度も冷えますが、約−200度以下に下がっても動作する設計だそうです。
逆に機体温度が高いと、機体からの輻射がノイズになるらしい😅
↑デカいです。比較対象物が有ると大きさが解りやすい。
画像で下側に展開されているシートは、太陽や地球からの電磁放射を抑える傘ですね。
フレームもブラックにして放射対策してますね〜
JWSTは、可視光線、特に赤外線観測に特化した設計で、狙った方向の星や銀河が放つ赤外線を捉えます。
反射鏡がベリリウムを金メッキとの事なので、黄色以上の波長は金に吸収されてほぼ写りませんが…
一般人に発表される画像は、捉えた赤外線を解析して処理されたものが中心と思われます。
【赤外線】
・電磁波(光)の特定範囲の波長を指す。
光≒電磁波で、文字通り「波」の性質を持つ
(光子として粒子(つぶ)としての性質も同時に合わせ持つ。
通常、我々の周りでのマクロ的科学変化、力の伝達等は、重力以外のほぼ全てが電磁気力の作用であり、そこでは光子のやり取りでエネルギー伝達が行われると仮定されている)
我々(人間)が一般的に目にする光=可視光線の波長ですが、少し波長の短い紫外線以上と波長の長い赤外線以下は見えません。
一般的な電磁波の分類用語を波長の短い順で並べると
ガンマ線→X線→紫外線→可視光線(青→緑→赤)→赤外線→マイクロ波→電波(短波→長波)
光が白い場合、青波長成分と緑成分、赤成分が均等に目に届いています。
(波長が短い程、エネルギー準位は高い)
☆様するに赤外線は、人間にはギリ見えない波長の赤色(笑)となる
※電気コタツやストーブの赤い光は可視光部の赤が見えていて、赤外線が見えている訳ではない
↑よくワカランどっかの星雲、銀河団、星々(笑)。最新の望遠鏡だけあって高感度、高精細✨
【※最重要ポイント】
JWSTの赤外線観測ですが、そもそも何で赤外線なのか?
メインターゲットの「ファーストスター」を捉える為です。
【ファーストスター】
ビッグバンから約2億年後に、宇宙で最初に輝き始めた(若い)恒星。
(または上記恒星を含む銀河など)
ビッグバン宇宙論では、宇宙開闢(かいびゃく)後に素粒子が出来て、原子、分子が形成充満していきます。
それらが重力で集まり星を形成していきます。
巨大な質量の星が形成されると、自らの超重力で核融合を始め、恒星(太陽など)として輝き始めると推測されています。
恒星の発現まで、計算では約2億年掛かるそうです。
宇宙は加速膨張している観測事実が有る為、発信源が遠ければ、発信した情報(光)がコチラに到達するのに時間が掛かるので、届いた時には距離の分だけ時間的に遅れた発信した当時の光が来ます。
つまり発信源までの距離が遠いほど、より過去の姿が見える事になります。
宇宙の年齢が約137億年(四捨五入すると138億だが)なので、137億−2億
現在の地球からファーストスターの見付かりやすい推定距離は、約135億光年の彼方となるのです。
何故、ファーストスターを探すのかについては、有り無しで、各種理論の証拠の1例になるからです。
更に観測から詳しい性質が解れば、宇宙創生モデルの確認や修正も可能になると思われます。
(太陽やソコラの近い恒星は、時間経過で恒星内部の構成が進化しているので当該目的の対象外となる)
宇宙が加速膨張している為、地球からの距離が135億光年とか離れていると、途轍も無く早い速度で遠ざかっていると推測されます。
以上を踏まえて再提起しますが、JWSTの赤外線観測仕様が、そもそも何で赤外線なのか?
遠ざかるファーストスターの光源は、ドップラー効果で赤方偏位を起こすので、観測器の赤外線感度が高いと見付けやすいからです。
赤のすぐ近くの黄色波長は反射鏡の金メッキで吸収されて、ノイズ成分も少ないという素晴らしい設計ですね✨
【ドップラー効果】
波の発信源が近付いて来る時の波は波長が短くなり、遠ざかる場合の波は波長が長くなります。
音波も光(電磁波)も波なので、観測種類によって性質は同様です。
例えば観測者が停止して、走る緊急車両の警報音を聴くと仮定すると、近付いて来る時は高い波長、去る時は低くなりますよね
【赤方偏位】
光源が遠ざかっていると、電磁波の波長が長く(可視光的には赤い方へ)観測される状態。
↑ホワイトハウスで公開された、η(イータ)カリーナ星雲の画像。
7600光年離れている模様。消滅したトヨタ車なので覚えやすい(笑)。今まで見えなかった星もクッキリらしい。
↑対ハッブル宇宙望遠鏡の性能差、有効口径7倍以上、感度100倍以上💦
ハッブルは当初は30年使わない予定が、改修や不具合の調整〜調整で騙し騙し使ってきたらしい。
不具合だらけなのに担当エンジニアの信じられん程の超絶技術的補佐で、現在でも第一級の性能を発揮しています💧
JWSTも、使用期間10年との事ですが、故障するとハッブルみたいにシャトルに部品積んで…みたいな事が不可能に近いくらい遠い😅
壊れたら遠隔ロボットでも送って修理とかするのだろうか???
↑格納状態。一発勝負の為、予算を掛けて何度も設計変更&微調整。不具合は徹底的に排除された。
打ち上げ後の切り離しから現在まで、概ね月イチのペースで小隕石と衝突しているらしいです😱
既に反射鏡の一枚は修復不能なダメージを受けているとか😅
他の反射鏡の調整で、目標以上の性能は保たれているそうです✨
とりま今後の運用の可否は、もう運に任せるしか無いですね😅
初期計画から設計変更やアクシデントとかコロナで、計画は遅れに遅れ、経費も増大
本機だけで一兆円以上の莫大な経費が掛かっている模様😱
日本のJAXAの年間予算が五千億程なのが産業経済的に社会貢献する背景を含んでの総合的金額なのに比べ、JWSTは当面、ほぼ純粋な知的財産のみ💧
対価的に比べ物にならない崇高な予算使用例ですよね〜素晴らしい🙏
そんなのに大金使ってどうする…とか思われる方もいらっしゃるかと思いますが、知的財産以外でも、未来に人類への科学的技術として貢献する事になるのではないかと思います。
取り敢えずはこれまで捉えきれなかった新たな高精細画像や新発見等が楽しみです。
説明が下手な部分は素人の為、ご容赦下さい😅
以上、長文お付き合い、有り難うございました✨
ご質問等有ればコメント下さい。誤字脱字、間違い勘違い等有ればお知らせ下さい✋
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無限に広がる大宇宙?(4)「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 2」
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