こんばんは🌜
最終便もタイトルの公園繋がりで短編付きの2話構成です。
本編は私が学生時代の話ですが、今回は怪異ではなく不思議な偶然話…?
真夏の夜のミステリー(8)
「公園」
岡山駅前から市内の中心付近となる商業地区の一角に、飲食店や飲み屋が集中している歓楽街の地区がある。
古い建物や新しいビルなどが混在、密集している所だが、公園も何ヶ所か存在している。
ある週末、とある飲み会に参加していた。
…会が進んで日付けが変わった後に、三次会がおひらきになる。
充分に呑んだ私と数名が、四次会には行かないがすぐに帰らない組となる。
…会話しながら気の向くままに歩いたら、近くの公園に来ていた。
公園の中程まで入ると暗く、やや静かだが、歓楽街から通りを挟んだだけなので喧騒は近い。
円形のベンチに腰を掛けて、酔い醒ましを兼ねた会話を楽しむ…
暫く経って、2人いた女子の1人(Aとする)の様子がおかしい事に気付く。
女子Aは誰かの友人で、途中から参加した初見の人だが、何かに驚いた様な表情で公園奥のオブジェを見ていた。
オブジェは高さ2m程の壁型で、上から見て緩いS字カーブを描き、横に長い形状だ。
壁の足元辺りに、しゃがめば大人も抜けられそうな、丸、三角、四角型の小窓の穴が空いている。
彼女Aは、私が気付くと立ち上がり、オブジェを指差す…そこに「牛」が歩いてると呟いた。
皆が彼女の指すオブジェの方に視線を向ける。
…何もいないので友人が、虫か?と問うと、牧場で飼われている「牛」だと返した
やはり何もいない…歓楽街の公園に牛がいるとか有り得ない
誰かが何も見えないと言うと、オブジェの裏に行った、と、真顔で返した。
友人が冗談だろ?と言ったが、本当にいたよと言う。男子2人が顔見合わせて立ち上がる…否定しながらオブジェに向けて歩いた…
歩く2人を目で追いつつオブジェを見ていたら、壁の穴に、スーツ姿の人が立っているらしい足が見えているのに気付いた。
近付く2人に、誰かがいると喚起して指差すと、その人物は横に歩いて穴から見えなくなる…次の穴は横切らないのでまだ裏側だ。
2人は警戒して、オブジェから少し距離を取りながら迂回する様に回りこむ。裏まで見通せる位置まで移動した
友人が、牛もいないし誰もいないと声を出す
いや、牛はともかく人はいるだろう…
その時、ベンチに残っていたもう一人の女子Bが上げ気味に女子Aの名を呼ぶ。
私が見ると同時に女子Aがベンチに倒れ込んだ。
驚いた私は、すぐ近くにいたので側によると、彼女は顔を上げて耳打ちする様に囁く…
「…!?」
私の友達が亡くなる、と彼女は言った
そのままぐったりとベンチに横たわる。
意味が解らず聞き返えそうとしたが、彼女は気を失った様だ。呼び掛けると同時に痙攣し始めた
肩に手を掛けて軽く揺するが、痙攣したままで応答は無い…焦った。
彼女の友人が、Aは癲癇(てんかん)持ちなので時々起こす発作だから、暫く安静にしてれば大丈夫ではないかという。
心拍数と脈を見る様に言われて、素人に何かの判断は無理だと返したが、オブジェから戻った友人にも頼まれて、取り敢えず脈をとってみる。
皆、混乱気味なのだろうと思いながら、そのまま暫く様子を見た…
暫くの時間経過後、痙攣は収まって呼吸等も落ち着いてきた様に感じる
更に待つと、軽く呻いて瞳を開いた。周りを確認している。
声を掛けると返答が帰った。…どうにか意識も回復した様なので、状況を説明する。
全員が安堵した…
まだ身体が痺れた様に力が入らないというので、そのまま様子を見ていたが、起き上がれるまで回復した。
販売機で買ってきた飲物を渡す…
落ち着いた所で、再度、経緯と状況を説明して、彼女の記憶を確認すると、発作の前後の記憶が曖昧らしい。
牛がいたという件も訪ねたが、よく解らない様だ。
一応、私に囁やいた件も訊ねてみたが、同様に記憶にないと言った。
どうやら癲癇の発作を起こすと幻覚が見える事が有るらしく、牛が見えたのは癲癇の仕業だろうと片付けられる…
一同、女子Aからお詫びを受けてのち、おおかた動けるまで回復したというので帰宅を促し、本日解散となる。
其々が帰路につく。
帰りの道中で、本日の出来事を反芻しながら帰宅した…
事実として、私はその後の一年で、同級生を含めた5名の友人を亡くす事になった…
解説
偶然だろうけど、予言としては的中と言えますが、内容が内容だけにチョッとカンベンな事案でした。
話が飛びますが、私は当時、承知していませんでしたが、皆様は「件(くだん)」という妖怪(幻獣?)をご存知でしょうか?
「件」とは、見た目を今風にいうと「人面牛」の妖怪らしく、予言をすると伝えられているそうです。
「件」を知っている方なら、本件絡みで嫌な連想するのも繋がるかと思いますが…
「件」の解説については一旦、後回しにします。
本件、未だマジかよって感じなんですが、私が二十歳の年代に、友人や同級生が事故、自殺、病気などで立て続けに亡くなりました。
最初はキモな偶然だと思ってましたが、3人目から短期集中に思えて怖くなりましたね。まだ続くのか、いつまで続くのかって感じで不気味でしたが…
各、事故は別件で、私とも無関係でした。
自殺の同級生は、とある交通事故を起こして、事故現場で「自宅(近距離)に忘れた免許証を取ってくる」と言い残して自宅に戻り、そのままパラコート(劇薬的な農薬)を飲んで自殺してしまったらしいです。彼が発作的にでも自殺なんてするのか?って感じでしたが。
事案それぞれも、私とも、特に因果関係は無く、必要以上な不自然さは無い模様なのでやっぱり偶然でしょうかね?
公園の現場にて
私がオブジェの穴から見た、スーツ姿?の人はドコに消えたんでしょうか。
スーツ姿、横に歩いた後、直角ターンでダッシュして壁面から離れれば、私からも歩いて回り込んだ友人からも確認されずに逃亡可能です。
話の流れから浮いた存在で違和感が残ってるんですけど、あの方は何だったんでしょうか?。
妖怪(幻獣?)「件(くだん)」について
件が産まれる、または遭遇すると、予言を残してスグに死ぬらしい。
予言の内容は豊作などの吉的予言をするという話ですが、凶も告げるとか告げないとかよく解らない。
↓ウィキより(冒頭。一部割愛)
件(くだん)は、19世紀前半ごろから日本各地で知られる予言獣(妖怪)。「件」(=人/にんべん+牛)の文字通り、半人半牛の姿をした妖怪として知られている。
丹後倉橋山の件を描いた天保7年の文献(瓦版とされるが、木板に刷られているのがうかがえる)。
人間の顔に牛の体を持つ件(くだん)が、天保7年(1836年)、丹波国与謝郡「倉橋山」(現・京都府宮津市の倉梯山)に出現したと触れまわる当時の瓦版が現存する。
↑当時の瓦版?
この件は、その先数年連続で豊作が続くと予言し、また、その絵図を張り置けば家内は繁盛し、厄も避けられると教示したという。
「…よって件のごとし」という常套句は、この幻獣になぞらえているというのは誤りである。
皆様はホラー漫画読みますか?
ひと昔前ですがヤンマガで「クダンノゴトシ」という漫画が連載されていたらしいです。
私は同紙は立ち読みで「湾岸」と「イニD」しか読んでませんでしたので、「クダンノゴトシ」連載に気付いてません(同時期かも不明だが)。
連載終了後のかなり後に、たまたま知ったので読みました。
コレ読んだ私は無駄に本稿と関連付けてしまい、恐ろしくなりました。
牛が喋ってないし彼女も件ではないでしょうけどね(笑)
とりまホラー好き、漫画好きでまだ読まれてない方、興味の有る方はレンタルか漫画アプリとかで一読されては如何でしょうか。
↓クダンノゴトシ紹介文より
「卒業旅行帰りの大学生7人が事故で轢いてしまった、“異形の何か”。その出遭いこそが、悪夢の始まりだった。前途洋々だったはずの若者たちに、突如下される“余命7日間”の宣告。逃れる術は、無いのか――。『三億円事件奇譚 モンタージュ』の渡辺潤が描く、戦慄の“異形”ホラー!!」
ストーリー展開は意見が別れる感じ…というかブレマクリですが、個人的には画力というか、特に件の絵がかなりブッキーでしたね。
関係無いが、今時のホラー漫画で来そうなのといえば「令和のダラさん」ですかね?チョッとお気に入りですが。
(ダラさん、ホラーか?あれ(笑))
当時、妖怪「件」が知られていたら、内輪での見解や心構え等が変化していたかもしれませんね…
女子Aとは一期一会。
人伝いに、改めてお詫び&お礼がしたいと言ってたそうですが、ドコかで元気に暮らしてると良いですけどね…
第二部
私は若い頃、代行運転手をやってました。
当時は代行と言えば暴走爆走、街中をハードドライビングで激走してましたね〜地球を何周しただろうか…
今回もその時に経験した話ですが、多分、怪異でもなければオチも有りません(笑)
「公園 (2)」
ある深夜、代行運転で、とある丘にある団地に住む客を自宅に送った。
山を切り開いて造った郊外の団地で、戸建住宅が連なる一般的な家だ。
客「そこの右の家だから、車庫の前で停めて貰える?。車庫入れは自分でやるから」
言われた位置の車庫の前で車を降りる。
後ろを追走してきた代行社用車に、メーター金額の確認に向かう…
その時、金属が擦れる高周波音が断続的に聞こえるのに気付いた。歩きながら音源に目を向ける。
お客の家の斜(はす)向かいに、住宅地によく有りそうな2〜3軒区画程度の小さ目の公園が有った。
深夜なので真暗に近いが、間隔の広い街灯と車から漏れる明かりで、辛うじて公園だと認識出来た…
「!!!」
音源は、よく有る並列2座のブランコの片方を、誰かが漕いでいるからだった…
深夜帯で人気の無いはずの公園で一人でブランコ…
寒気を感じながら代行車運転席の横まで歩く。
窓を明けた相方に、メーター金額を訊ねると同時に小さく指差して小声で公園を確認させる…
相方が驚愕して小声で呻く
集金の為に、車庫入れして道路に出てくる客を少し待ち、金額を告げた。
集金を済ませると、礼を言う。
通常ならこの時点で社用車に戻って引き返すのだが、自宅に入ろうとする客を捕まえて、響き続ける金属音を認識して貰う…
不気味さに驚いた客は大袈裟に怖がり、通報すると言って自宅に戻っていった…
我々も、逃げる様に現場を去る…
あ〜桑原クワバラ…
解説
…めちゃくちゃブッキーでした(笑)
不審者極まる
真暗な公園で、全力ではないが、そこそこ漕いでる振り幅でした。
客「こっわ〰…あいつ何?、こっわ〰………こっわ〰…」
と、「恐い」連呼しながら自宅に帰って行きました(笑)
↑現在は宅地化されたのか、見付かりませんでした。
客は不審者と直接の接触は避けて家に戻ったので、私達もとっとと現場を去りました。
公園側の助手席がやたら遠く感じました。刺激しないよう、視線は送らず意識だけは集中で(笑)…極力、静かに速やかに助手席に乗り込みました。
相方もかなり恐がってましたね。不審者が追い掛けて来たりは無かったです(笑)
その後の顛末は不明ですが、どうなったのか…
以上、なんとか夏中に予告通り4話(6話だが)終われました。
妄想爆発の長文に、お付き合い有り難うございました✨