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2011年10月13日

もう一つの「高校生レストラン」

今回の話は長いですよ~。そう写真でなくて「話」です。

九州旅紀行は全11回シリーズで終了しましたが、実は、九州から家に帰るまでの間に是非立ち寄りたいところがありました。

それは、三重県多気町です。

「多気町ってどこにあるの??」という人もいるかもしれませんが、松坂牛で有名な松坂市はご存知と思いますが、そこの隣町です。今輝いている町であり、多くの人がここを訪れています。

なぜっていうと、あの日テレで放映されていた高校生レストランの舞台となったところだからです。
この話は、ちゃんと実際のモデルがあるんです。

テレビはこんなでしたね。↓








ドラマでは松岡昌宏が扮する村木新吾が主役でしたが、この方のモデルとなったのは地元の三重県立相可高校食物調理科の村林新吾先生。そして、この方の書いている本がこれです。↓ ほとんど実名に近い名で出ていたんですね。



この村林先生も凄い方ですが、そもそものこのレストランの必殺仕掛け人はドラマに出てくる伊藤英明が扮する岸野宏こと多気町役場職員の岸川政之さんです。

岸川政之さんのブログです。



そして、この岸川さんが書いた本がこれです。↓


私もこの本を読みましたけど、この方はとても公務員という枠に収まる方ではないですね。役場に入る前の人生は、一見体たらくな生き方にも思えますが、すべてが繋がっていて、後の役場での仕事に生きていることがよく書かれていました。こうゆう熱血漢の方が地域をそして国を変えていくんだろうなぁ~と思った次第です。

以下に掲げるのは、岸川さんのブログのプロフィール転載です。

ちなみに、私がここに立ち寄ろうと思ったのは、テレビを見ていたせいもありますが、あることがきっかけでこの岸川さんの講演を聞く機会を得たからです。話を聞いて、心動かされるものがあると現場で確認するのが私の主義なもんで...。


**********************************************************************************
岸川政之と申します。
1957.8.15生まれで、現在は三重県多気町役場「まちの宝創造特命監」として地域おこしに取り組んでいます。
プロフィールは、また作っていきたいと思いますが、とりあえず総務省の地域人材ネットに登録していただいた時に使用した取り組みを転記しましたので、私のご紹介に代えさせていただきます。よろしくお願いします。

◎高校生が運営する本格レストラン「まごの店」&
    卒業生が運営する総菜とお弁当の店
    「せんぱいの店」を仕掛ける!!

 現在の「まごの店」は2005年2月にオープンし、「多気町五桂池ふるさと村」にある三重県立相可高校食物調理科の調理実習施設として、学校が休みの土日祝日にクラブ活動の一環として運営されている。
県内の建築を学ぶ工業高校建築科(4校)の生徒たちに店の設計コンペを依頼し、コンセプトは、『料理家を目指す高校生の夢を、建築家を目指す高校生が形にする!“その夢”を地域の大人たちが応援する!』とした。現在は、行列の出来る店として人気を呼んでおり、地域の人もこの高校生たちの頑張りに感動し、大きな勇気をもらっている。また、日本テレビ系列で放送の「高校生レストラン」というドラマのモデルにもなっている。
 さらに2008年9月に、相可高校食物調理科卒業生の受け皿となる惣菜とお弁当の店、(株)相可フードネット「せんぱいの店」をオープンさせる。有機農業など“こだわり”を持った農家がアグリメイツという生産者団体を作って野菜などの提供をしてくれるほか、三重大学、多気町、地元企業などといった地域に根付いた強力な応援団がいることが特徴。
現在は、2号店が2010年4月にオープンした。

◎「多気町まちづくり仕掛人塾」を立ち上げる!
 2007年4月、町内外で活躍する人材を集め、地域を良くしようと企画、実行するプロデューサー集団を組織する。現在26人で組織され、10のプロジェクトが企画運営されている。三重県の町おこしのモデルであるとも評価され、年2回の総会には、プロデューサーより全国からの見学者の方が多くの集まることでも有名です。コミュニティービジネスの考え方のもと、町の補助を受けずに独自財源を求めて活動している。
**********************************************************************************
ということです。

掻い摘んで話すと、もう一つの高校生レストランの話はこうです。



組織の中で人気のない農政担当に自ら志願し、担当となった岸川さんが仕掛けたのは、地域の特産品開発でした。岸川さんは、多気町で昔から作られている「伊勢芋」を何とか世に広めたいと伊勢芋で何ができるかを地元の相可高校食物調理科にお願いしました。当初、このこと自体地元の農家から反発を買ったようですが...それはさておき..。



しかし、最初は高校生のやることなのでたいしたものはできないだろうと高をくくっていたようです。
それが、実際に作られた料理の品が高級ホテルに出てくるようなものばかりで驚いたといいます。



岸川さんは、これだけのものが作れる高校生たちをこのままにしていたのではもったいないと思い、いろいろこのときにお世話になった村林新吾先生と意見を交換していたようです。

村林先生がその時言ったのは、高校では技術は教えることはできる。でも教えられないことが2つあると。教えられないから、このまま社会にでても挫折してしまう生徒がいると。



それで、その教えられないことはなんですか? と岸川さんが聞くと、それは「接客」と「限られた材料でいかに採算が取れる料理を作り、お客様に満足していただけるかという経営の視点を入れた料理方法」だと言われたそうです。こればかりは実践の中でないと身につかないと...。

そこで岸川さんは村林先生に提案したのが、「ならば、その両方とも実現できるきレストランを作りましょう」ということでした。



ドラマの世界ならそこで多少の壁はあっても乗り越えられるでしょうが、一般的には町立でもない高校に何で町が税金を出してレストランを建てるんだ? とうことになります。大体採算が取れるか? しかも授業があるのでOPEN日は土日のみです。常識を超えた企画です。

ほとんど実現不可能な挑戦です。組織の中でも大反対があったことでしょう。でも、結果的に成功したのは岸川さんの努力と情熱とそれを後ろで支えたこの町の町長の英断であるかもしれません。こうゆう時にリーダーの資質が問われます。いくら岸川さんが優秀でも町長がだめといえばハイそれでおしまいです。これは官民問わず同じですね。一般的には失敗すれば、岸川さんはもとより、町長も町長ではいられないでしょうからね。まさに背水の陣を敷いての挑戦です。
*ちなみに、高校生レストランは施設には町がお金を出しても運営資金は出していません。



さて、この過程の苦労話は本を読んでもらうのがいいので省きますが、この方の凄いのはこうした難しいいくつもの壁を乗り越えて見事「まごの店」としてOPENさせたことなんですが、さらに感動するのはこのレストランは高校生活だけに体験できるものであり、実際こうして体験して社会にでても、なおいろいろな挫折にあって、地元に戻ってくる子たちがいるという現実を目にしたときの行動でした。



高校生レストランを地域から愛される施設にし、経営的にも成り立つようにし、さらに彼が行ったのは、卒業して挫折して地元に戻ってきた子たちが自分たちの腕を生かせる場として「せんぱいの店」という弁当と惣菜を扱うお店をこのレストラン近くの直売所に1店舗。そして、地元スーパーにもう1店舗OPENさせたことです。つまり、常時働ける場所を作ってしまったのです。
*ちなみに、こちらの「せんぱいの店」はお店の開店資金はもとより、運営資金等一切町は出していません。ここの社長は無報酬で責任だけ取ってくださいと岸川さんが頼んだそうです。それで引き受ける人がいるんだから、これまた驚きです。志のある人がいるんですね。



もちろん、私はいずれにも行って、お弁当と惣菜を買ってきました。本当はレストランでお昼を食べたかったのですが、9時45分にレストランに行ったら、もう完売で食べられませんでした。ランチがなんでこの時間に完売なの? と思いましたが、そのくらいの凄い人気ということです。

日帰りで行ける距離にお住まいの方は、一度行かれてもいいかもしれません。先輩の店で買ったお弁当を食べてみて驚いたのが、凄くヘルシーな感じで、味が人に優しい  というのでしょうか? とても好感の持てる味でした。ご飯も注文してからパックによそってくれますしね。いろいろ勉強になりました。



長くなりましたが、このように地域のために命がけて働いている人もいるんだと思うと自分もなんかPOWERをもらった感じになれたのでした。

何事も最初からだめだ、できっこない、先例がない、採算が取れない、売れるわけがない....とできないことばかりをさも知ったかぶりをする組織内評論家がいかに多いことか...。そして、この場合だと多気町だからできた..岸川さんという特別な人がいたからできた...うちの町ではできない..。会社なら、社風が違う、社長が理解しない、条件が違う、金がない..などと、常に自分を安全圏において、できないことを正当化しようとする輩が多いことか..。

こうしたことは皆さんの身近にもいませんか? 

そして、これは国政も同じかもしれないですね。

でも、その前に考える必用が私たちにはあるかもしれません。

地域を町をそして国を変えるのはこうした一つ一つの不可能を可能にしていくたゆまない挑戦の連続かもしれません。

ケネディ大統領が言ったようにこのように混沌とした時代だからこそ、「祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません、あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい」..と、

ここまで大きくはなくとも、言い換えれば「町(人)があなたに何をしてくれるかを求めるのではなく、あなたが町(人)に何ができるのかを考えて欲しい..」

それがある意味、真の責任のある民主主義かもしれません。傍観者に甘んじるのではなく、今自分が何ができるかを考え、言葉ではなく行動に移していくことが求められているのかも..。

長くなりましたが、おしまいです。

次回は東北の旅の風景です。
ブログ一覧 | 旅と撮影 近畿編 | グルメ/料理
Posted at 2011/10/13 21:26:02

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この記事へのコメント

2011年10月15日 14:13
こんにちは。
おおーっ、そこに行ってくれたんですね。
嫁の実家から20分。
嫁の兄貴はそこの卒業生です。
その頃は野球が強く、甲子園を目指しましたが、
ダメでした。
コメントへの返答
2011年10月15日 15:41
こんなちわ。
そうなんです。
確か守・高さんは三重県がご実家と言っておられたので、ご存知かと思っていました。
しかし、奥様のご実家でしたか。奇遇ですね。

今はこの町は注目の町ですね。テレビのドラマは終わっても、一過性に終わることはないと思います。

生徒たちの戦いは終わっていないので、彼らのひたむきに生きる姿がきっと多くの人の
心に響くと思います。
2011年10月15日 20:40
こんばんは。

>それは「接客」と「限られた材料でいかに採算が取れる料理を作り、お客様に満足していただけるかという経営の視点を入れた料理方法」だと言われたそうです。こればかりは実践の中でないと身につかないと...。

今の教育では、教科書に載っている事だけは教えてくれますが
それ以外はお堅い教育委員会&役所が許さないのが現状でしょうか。

今の高校生なら、こういった現実的なカリキュラムをもっと組み入れれば、もっと優秀な人材が育つと思うんですよね~


農業関係に携わる鷹山さんならではで
こういった成功事例は話では聞いても、それを胃袋で実際に感じるのは
全然違いますもんね!

胃袋つながりではありますが
先日亡くなったジョブズ氏が言っていたように
Stay Hungry Stay Foolish!

岸川さんと村林さんのように、ある意味バカになって前に進めば
道が開けてくるという事を実践した例かもしれませんね。
人間の胃袋が一番敏感なのかもしれませんし(笑)

3.11以降の日本でこういった若い世代が食の安全を担ってくれればと思います。




コメントへの返答
2011年10月16日 13:51
シュガートさんこんにちわ。

可愛い子には旅をさせろ といいますが、本当に自分の子供を愛しているのであれば、若いうちに親の目の届く範囲で試練を経験させるのがいいことだと思います。挫折も知らないで大人になるのは危険だと思いますね。

多気町では役場もですが、よくもこの相可高校側でこうしたレストランに生徒たちを参加させることに賛成したなと思いました。いろいろ葛藤があったことと思います。

なんでも、バカといわれるぐらい真剣になって突き進まないと世の中変わらないと思います。

自分もその他大勢の「冷めた評論家」にだけはなりたくないものです。

そして、これからの若者に期待したいです。
2011年10月15日 23:48
こんばんは。

高校生レストラン、テレビでやっていたのは知っていましたがこういう内容だったのですね。

地方はどこも地域振興や地場特産の開発に躍起になっていますが、まずはプランよりも熱意なんでしょうね。
コメントへの返答
2011年10月16日 13:54
こんにちわ。

私も最初は完全ドラマだと思っていたのですが、素地はあったんですね。

実は、こうした不可能を可能にするような試みってたくさんあるんですよね。

大切なのは情熱、必用なのは人を動かす器量と戦略なんでしょうね。

自分も趣味もですが、仕事も残りの人生、頑張りますよ~ん。

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