自動車転売を本格的にやっていた15年程前、当時の自動車業界で見聞きしたことを不定期で書いていきます。
今は悪徳業者も淘汰され、ずいぶん健全化していると思います。2000年代のちょっとアウトローな雰囲気を感じてもらえたら幸いです。
事故おこし
AA(オートオークション)で事故現状車と言うカテゴリーが今でもあります。
例えば、こんなのです。
先月(2021年5月)に落札されたNBOX、EXターボ、3年落ち、走行2万キロ、黒。
落札84000円でした。安っ!!
今回の主役はこんな事故りたてホヤホヤのクルマです。
15年前だと人気車種は今とは違いますが、事故現状車で外見以外のスペックが高い(高年式・低走行・人気色・売筋グレード)車両を1桁〜10数万円で落札してから工作していきます。
前事故と後事故の2台を買ってきて半分で溶接しニコイチなんてのもアリです。
工作後は部品代を差し引いて1台あたり3〜50万円の粗利がある計算です。
売り先は某個人オークションサイトに流します。事故歴は「不明」と書いて出品します。
今後の参考のために…
「不明」とは、「間違いなく事故おこしです」と言うオークション言葉です。(10万キロ桁をフレッシュにして「メーター不明車両」として出品しますよね。あれと同じです。)
手抜き工作には色々ありますので敢えて詳しく書きませんが、僕が感心したのは、エアバッグ本体を買って取り換えると高いので、パテ埋めしてビニールを貼り直してエアバッグランプ球を抜くと言う荒技もありました。
純正デッキやナビは別IDで転売して、1DINの5000円程度のCDデッキに入れ替えるとかはよくします。アルミホイルは事故の衝撃で台形になっているものがほとんどなので丸になるように修正をかけます。無理なら社外品を4本タイヤ付き1万円ぐらいで仕入れて交換します。
ここで算数の時間。
粗利30万円で週間3台、1ヶ月4週として、
30万円×3台×4週間
=360万円
キッチリ直すと微妙ですが、〇〇オク!に出品する程度のクオリティーでよければ事故おこしは儲かります。
例えば、20km/hでハンドルが掴めないぐらい振れるとか、あらゆるところから異音が鳴るとか、強く閉めないと半ドアになるとか…
転売後高速に乗った客からクレームがあって、いまエンジンから火が出ましたってのも聞きました。
オイル関係の漏れまで見ませんし、ガソリンラインの滲みのチェックなんてやりませんしね。
引き渡し時にとにかく動けばOKです。
ジャッキ上げて見たら事故の衝撃でタンクが変形してガソリンの液面が見えるクルマもありました。RBは燃費悪いんですよー何て言って売りますが、ブレーキの度に原液が溢れているだけです。
当時はNC・NRの名の下にやりたい放題のアングラサイトでした。
Posted at 2021/06/26 07:26:18 | |
トラックバック(0)