
初代C5に20年近く乗って思うことは、自分の「車」に対する価値観やら評価が随分と変わったなということです。
29歳でこのシトロエン初代C5前期型に乗ったのですが、それまではスペック偏重主義でした。
免許を取得した時は、峠や走り屋ブームの真っただ中。レースをやれば当然?スペック偏重主義になります。
で、レースから足を洗ったとたんにコレです。正反対なんです。
この初代C5前期型、パワーウエイトレシオは10です。基本的には中庸なスペック。というか、レース仕様の車からみれば走りに関しては相当にダルい車です。
唯一特徴的なハイドロラクティブを除けば、エンジンスペックは大したことない。
静音性が高く、シートの乗り心地が良く、積載量も多い。ここだけ見ても初代C5よりも良い車はほかにもたくさんあるわけです。
でも、この初代C5前期に乗っていると「他人は他人、自分はこれが一番良い車。」と思うようになりました。
他車と比較すれば欠点は確かにあります。他車と比較すれば。
でも、自分の感性に初代C5はピッタリ嵌っていたんですよね。良い点悪い点を含めて自分にとって最適な車だったんです。
フランス車に乗ると、一度は行ってみたくなるフレンチ・ブルー・ミーティング(FBM)。10回は行ったかな。
行ってみると解るのですが、新旧のフランス車があります。はっきり言えば国産車の方が出来が良いです。でも、皆さん楽しそうにしている。いや、自分の車とそのライフスタイルを楽しんでいる。
良くも悪くもすべて含めて「自分にとってこれが一番良い車。」なんです。
フランスは個人主義といいます。この「個人主義」、自分の意見だけしか認めないんじゃなくて、「他人の意見も認める。だから自分の意見も認めろ。」と捉えています。
簡単に言えば、「あなたはこの車が好き。それは分かる。それでも、私はこの車が好き。」なんです。
他者の意見に否定はしない。共感はする。でもね、私はこれが好き。
FBMでいろいろな車のオーナーさんたちと話していると、みなさんこんな感じ。
みなさん、自身のセンスや考えに確固たる信念がありました。でも、それが自分だけの考えというのも理解している。だから他人の意見もちゃんと聞いて認めるけど、だからと言って自分の信念は揺るがない。その人にはその人の考えがある。だからこそ、自分の考えは強要しない。あなたはあなた、私は私。
初代C5に乗り始めた時は、他人の意見や評価というのは結構ビクビクしていました。けど、初代C5前期型に3年乗って、初めて参加したFBMにてこの考え方に気が付いた時、すごく楽になりました。

初代C5後期型、発売当初は違和感ありまくりで否定的でした。今見ても、このフロントフェイスはアクが強いです。
前期型の相性の良さを知り前期型がもう乗れないとなったとき、妥協してプジョー307SWにしようか国産車にしようか思っていましたがなかなか決めかねていました。
後期型が認定中古で出た瞬間、「これしかない!」と即座に注文しました。奥さんには承諾を得ず購入しましたが、何も言いませんでした。逆に「新しいC5だ♪」と喜んでいました。そして、「これでまたFBMに行ける。」と言っていました。
我が家のライフスタイルには、いつの間にかC5は欠かせなくなっていたのだと思います。
if・・・は人生ではありませんが、C5に乗らなかったら「他人は他人、でも自分にとってはこれが一番良い車。」という考えに至らず、今でも人の意見に左右され車のスペックの良し悪しのみで車を判断していたのかもしれません。
Posted at 2021/08/03 05:29:44 | |
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シトロエン | 日記