初夢で見ると縁起が良いとされる一富士・二鷹・三茄子。
富士山は一番高く,鷹は高く飛び,茄子の初値が高いことに由来するが,実は諸説ある。
富士は「無事」,鷹は「高」,茄子は「成す」という掛け詞や,かの家康公が好んだ順とも言われる。
更に続くのは,四扇・五煙草・六座頭。
一二三に四五六の対句で,末広がりの富士と扇,昇る鷹と煙草の煙,毛がない「怪我ない」のが茄子と座頭だ。
どれもが新年の縁起を担っている。
そして七は何か?
私にとってそれは「セブン」に他ならない。
今年,3年待ち続けている念願のセブンが,ようやく納車される。
富士のように堂々と,鷹のように軽やかに,そして茄子のように何かを成し遂げる覚悟で待ち続けた日々。
扇のように広がる喜び,煙のように上昇する期待,怪我なく安全に楽しみたい願い…
そのすべてを込めて,セブンという特別な存在を迎え入れる新年が始まる。
日ごろは,小柄で愛嬌たっぷり,けれどサソリの毒を持つ彼女と駆け回り…
週末は,ハスの花のように気高い彼女と過ごす。
それなのに,どうしてもあの人が気になる―――
艶やかで,危うさを秘めたビショーネの女。
触れたら壊れそうなのに,丸ごと飲み込まれそうな危うさと抗えない魅力。
一度その世界に足を踏み入れたら,後戻りはできないと知りつつも,どうしても見てみたい。
きっと,高揚も後悔もすべてを飲み込んで,忘れられないひとときになるのだろう…
来年は巳年です。
アルファロメオやコブラ,バイパー,オロチの方たちにとって,特別な年でありますように。
また,ヘビ以外のみん友さんたちも今年1年お世話になりました。
来年も皆様にとって幸多き1年でありますよう,お祈り申し上げます。
TVをつけると…
北海道から九州にかけて,太平洋側は広く晴れる見込みです。気温はこのあともあまり上がらず,各地で年の瀬らしい寒さでしょう。温かくしてお過ごしください。
ニュースの天気概況通り,朝から良く晴れて遠くの山々が青く見える。
澄み渡った冷気の路は,すがすがしいけど身を切るような寒さだ。
でも今日はクリスマス。呼応するかのように小鳥たちも元気にさえずっている。
スズメさんは風邪ひかないのかな?
風邪ひいてもお医者さんいないもんな…
年の瀬で仕事が多忙を極め,疲れもピークに達している。
このところ,普段の就寝時間よりも何時間も前に気を失い,そのあと決まって夜中に目を覚ます。
気がつくとベッドに横たわってはいるが,服もそのまま全てやりっぱなし。
それから改めて,ちゃんと寝るために支度を始める。
床に降りると足元が暖かい。ホットカーペットも消し忘れていたのだ。
こいつは,けなげにも私がそこに居ると思って懸命に温め続けていたのだろうか?それとも,また戻って来るのを待っていたのだろうか?
子供のころウチの犬に餌のとき,「待て!」をしたまま忘れて遊びに行ってしまったことを思い出す…
機械は人間が一度指示すると,こちらが忘れても任務を遂行し続ける。
電池がなくなり痙攣(けいれん)したような秒針で時を刻もうとする時計もそう。不在着信を知らせるため,何時間でもランプを点滅し続ける携帯もそう。
そんな献身的で,無垢な姿を見るにつけ,いつも胸が締め付けられる…
私の部屋にもたくさんの機械があるが,大掃除の日には電池も新しいものに換えて,ピカピカに磨いてやろう…
私は,もつ煮が大好きで…
むしろ,スキ焼やトンカツよりも好きかもしれない。と言うと,関西人から白い目で見られそうだが…
それぐらい大好物である。
今日は,もつ煮のメッカ,上州群馬の伊勢崎を訪れていたので,有名店の「日の出食堂」へクルマを走らせた。
昼食には少し早い11時が幸いして,すんなり入店できたが…
帰るころには,40ほどの席が満席となり,外には長蛇の列ができていた。
他の地方は知らないが,概して関東人はもつ煮が好きである。
そんなもつ煮であるが,実は,もつ煮を食べるたびに,ふと思い返す人がいる。
大学生のころ,大阪の古いボロアパートで暮らしていた。
流しは廊下で,部屋に台所がなかったので自炊はできず,ほぼ外食だった。
毎日アパートの近所にあった食堂に通っていた。
その食堂は,夫婦二人で切り盛りしている小さな店。
貧乏学生だった私は,毎回肉の入っていない野菜炒め定食を頼む常連客だったので…
店主の親父さんは「いらっしゃい!」とだけ告げたら,何も聞かずに野菜炒めを作り出していた。
ある日,関東のもつ煮を懐かしんで話題にすると,関西では豚もつを食べないと,話の腰を折られた。
それから数日後,注文しなくても出てくる野菜炒めの脇に,鉢に入った味噌煮が並んだ。
「ためしに作ってみたんや。食うてみ」
中には,なんと!豚もつが煮込まれている。
関西風と形容すべきか,私の舌が覚えているもつ煮とは少し違っていたが…
それでも口にした瞬間,心の中が温かくなった。
食後に代金を訊くと,親父さんは手を振りながら私を制した。
「豚もつ,ただ同然でもろてきたんや。関西ではホルモンは『放るもん』言うてな」
その後も,親父さんは安く豚もつが手に入ると,幾度となく私にもつ煮を振る舞ってくれた。
そのたびにお詫びすると…
「ええんや。兄ちゃんみたいな貧乏学生からゼニ取ったらあかん」
そして,いつも同じことを私に言って聞かせた。
「しっかり勉強して,偉くなるんやで」
親父さんの気遣いが胸に染み,私はその後も励まされながら大学生活を乗り切った。
―――それから20年後。
大阪出張の合間を見て,私は懐かしさと感謝の思いを胸に,その食堂を訪ねた。
店構えこそ当時のままだったが,厨房に親父さんの姿はない。
代りに立っていたのは,おかみさん一人で,私のことは覚えていなかった。
野菜炒め定食を注文して,できるまでの間,店の中をつぶさに眺めていた。
椅子が変わったぐらいで,天井も壁もテレビの位置も当時のままのような気がする。
出てきた野菜炒めには,当時とは違い肉が入っていたが,懐かしい味はそのままだった。
「親父さんは?…」と尋ねると,おかみさんは少し寂しそうに笑った。
「5年前にね…でも子供がおらんかった私らには,この店が子供みたいなもんやから,一人でも続けてるんよ」
私は当時のことを話し,感謝の気持ちを伝えた。
するとおかみさんは細い目を少し見開いた。
「あっ?野菜炒めの兄ちゃんか!見違えるほど立派になったんで分からんかったわ」
おかみさんは私を手招きして,奥の仏間に通してくれた。
「あの人ね,あんたのことよう話してましたよ。『あんなに美味そうに食べてくれはる。料理人はその笑顔が見たくてやってるんや』ってね」
私は手渡そうと用意してあった,のし袋を仏壇に供え,手を合わせた。
そして,しかめっ面の遺影に,こう呟いた。
「親父さんが期待したほど成功したかは分かりませんが,あのころを糧に毎日がんばっています」と…
帰り際,おかみさんが笑顔で声をかけてくれた。
「またいつでも帰ってきてな。きっと,あの人も喜ぶわ」
振り返ると,店の暖簾(のれん)が揺れていた。
それはまるで,親父さんが「よう帰ってきたな」と笑っているかのようだった。
湯気の向こうから,あの頃の声が聞こえた気がする。
「しっかり勉強して,偉くなるんやで」
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