多忙な友人が通うペン習字教室の展覧会に,ヒマな私が招かれた。
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます
彼が書に選んだ言葉は,中島みゆきの名曲「糸」(1998)の一節。
他の諸先輩方の生徒さんたちと見比べると少々キャリアに差はあるものの,私を充分感動させるにたり得る魂が宿った作品であった。
披露宴の余韻で恋人が欲しくなる独り者の心理のように,この曲を元に以前映画化された「糸」を観たくなる。
動画配信で検索し,夜中にビールとスナックを用意してから灯りを消した。
菅田将暉の映画など観ることもない世代の私が,披露宴で花嫁が両親に宛てた手紙にむせび泣きするがごとく,まんまと涙した。
このことを飲みに行った先で女の子に話したら,菅田将暉の映画には他にも泣けるものがあるとのことで,オススメの作品を紹介してくれた。
プロポーズも済ませ,あとは親御さんへのご挨拶に行くばかりの心理状態の私は,さっそく動画配信で「花束みたいな恋をした」の再生ボタンを力強く押した。
2時間4分が過ぎた。
うーん。監督が伝えたいことは分かる。
しかし,コロナ禍で結婚式を先延ばしする間に熱も覚め,婚約を解消したカップルのように,最後まで涙腺は刺激されずに終わった。
だが涙こそ浮かばなかったが,一つだけ共感できる部分があった。
劇中,主人公がグーグルマップのストリートビューで偶然に写された自分の姿を見つけて大層興奮する場面がある。
それから5年経ったラストシーンで,今度は同棲していた町内で別れた彼女と連れ添って歩く自分を発見し,偶然のように思える必然に気付かされるシーンだ。
私は以前,別れて何年も経つというのに,元婚約者の実家までストリートビューで行ったことがある。
ご両親へのご挨拶をはじめ,盆暮れの度に二人して帰省した勝手知ったる道だった。
そのときである!
実家へと急ぐ私の脇を顔にボカシの入った彼女とすれ違ったのだ。
髪の長さも服の好みも変わってしまった彼女は…
ベビーカーを押していた。
しばらく…その場に立ちすくんだ…
縦の糸と横の糸が,決して交わることのない宿命を思い知らされた…瞬間であった…
私のような車好きは,配管がクネクネしているだけで身もだえしてしまうw
先日羽田空港の格納庫を見学して来た。
業界の集まりで…言わば仕事の延長で行ったのだが,私は旅客機などに興味はない。
興味があるのはCAと機内食ぐらいだw
つまらねーなーと思いつつ,格納庫を案内されていると…
何と!むき出しのエンジンを覆うように複雑に絡み合ったエキマニではないか!
まるで大友克洋原作の『AKIRA』の実写かと思ったぐらいだ。
我々に同行していた案内嬢に訊ねると,ジェットエンジンはエギゾーストを直接噴射するので,配管を通すことはないとのこと。
あれは,燃料供給パイプや制御の油圧・冷却システム,エンジンで作った与圧空気を利用するための配管なのだそうだ。
うーん。そうかぁ…エキマニではないのか。
だが,それにしてもタコ足を見て興奮する,妙なこの胸のざわつきは何だろう?
ちなみに大友克洋と同じく,葛飾北斎もタコ足には萌えていたようである。
梅雨の楽しみは雨である。
ジメジメした梅雨の,いったい何が楽しいのか?
それは,路面がウェットなので,クルマを滑らしやすいのだ。
クルマにスピードを求める輩には,大きく分けて2種類いる。
コーナリング重視で峠などを攻めるワインディング派と最高速を求める直線番長だ。
元々ライダーだった私は,四輪免許取得後も峠に通った。
以来,ずっとワインディング派である。
最初は峠を走っても,バイクのときのような爽快感が得られなかった。
コーナーを軽快にパスできるバイクとは違い,その手前で充分に減速するクルマでは速く曲がれなかったのだ。
そこで,自然と誰もが通るドリフトにトライしていくことになる。
充分なトラクションを必要とする直線番長とは違って,ドリフトは滑りをコントロールすることが重要だ。
広い河川敷のグラベルで夜な夜な練習を重ねた。
あえて,山の減った細い中古タイヤを探し回ったり,LSDを4ピニから2ピニに替えて試したりもした。
おっかなびっくりカウンターを当てられるようになると,腕試しに峠に戻った。
何度も走っている内に,今度は新たな発見をすることになる。
ドキドキしながら,アクロバティックにドリフトを決める先行車の真似をしなくても,意外に付いて行けることに気づいたのだ。
まぁ,ドリフト族の半分は速く走るためでなく,パフォーマンスや美技が目的だからだ。
そこで,グリップ走行を模索することになったが,ここでドリフトを練習していたときの荷重移動やグリップ限界の見極めが役に立つことになる。
ドリフトのときはズリズリッとなるまで待つが…
ズリッとくる最初の一瞬の滑り出しの感覚が分かれば〆めたもの。
そのまま我慢して,コーナー出口がイメージできたらガバッとスロットルオン!
いつしか,それに味を占めるようになった。
…とは言え,最近のクルマは,トラコンで武装され,タイヤ性能も格段に向上している。
よっぽどスロットルを開けなければ,滅多なことではズリッとはできない。
若いころと違い,猛スピードで突っ込んだり,トラコンを切る度胸や反射神経もなくなった。
そこで登場いただくのが,ミューの低くなったウェットな路面だ。
さほどスピードも出さずに,安全マージンを保ちつつズリッとくる感覚は,雨の神様が与えてくれたご褒美だ。
それに雨予報のときは,峠もガラガラですいている。
欲を言えば,私の愛車はフロントガラスの曇り止めが弱い上に雨漏りが激しいので,雨が上がってくれればベストコンディションだ。
シトシト降る雨も,そろそろ上がりそうだ。
さあ今日は,地盤の緩くなった土砂崩れに注意しつつ,安全にズリッとしてこよう(笑)
真夜中のしじまを切り裂きながら貨物列車の金属音が通り過ぎていく…
再び静寂が訪れた部屋で自らを落ち着かせるかのように,グラスに水を汲んだ…
私はつい数時間前まで,轟音が鳴り響く歓声と熱気の渦に身を委ねていた。
昨年,23年振りに沈黙を破ったポリスの東京公演だ。
箱が大きいばかりで音響に難のある東京ドーム… 相場の倍はするチケットの額… メンバーの年齢による体力の衰え…
様々な問題点が山積し,中傷めいた憶測が取り沙汰される中…
彼らのライヴはサポートも付けず,全盛期を彷彿させるシンプルかつストレートな音で,余計な懸念を全て払拭してくれた。
昔ストーンズやツェッペリンは正統派(?)の不良だった。
怒濤を組んで肩で風を切り,仲間とたむろすみたいな… 数に物を言わせるタイプの連中だった。
それに対してポリスは,いつもクールに壁際で傍観していて…
誰一人として信用していない… 心に傷を負った… 孤独な不良のようだった。
ガキの頃,そんなポリスが好きだった。投げ遣りになるとポリスを聴いた。
恥ずかしくもあり… 懐かしくもある…
恐らく今回がポリスを観ることができる最後のツアーだろう。(注)
いや!彼ら自身がポリスをやれる最後のチャンスと悟っているのであろう。
私は運良くアリーナ中央の前寄りの席だったので,何度かスティングと目が合った(?)ような気がしたが…
スティングはファンに向かってそんな告白をしているようにも思えた。
惜別の情をいだきつつも… 本気でガキに返ることができた貴重な2時間…
静寂の中で思い起こされる今夜の興奮… その余韻を確かめながら… 私は,手にした水を一気に飲み干した…
(注)2024年現在,国内最後のステージとなっている。
[ケータハム ロードスポーツ] カーナビとして使用するスマホの取付 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2024/06/11 15:33:22 |
![]() |
ナビホルダー カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2024/06/11 15:32:44 |
![]() |
お盆休み三日目 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2024/06/11 15:16:19 |
![]() |
![]() |
ブルーラリー (アバルト 695 (ハッチバック)) 695 TRIBUTO 131 RALLY(LHD 5MT)に乗っています。 Hat ... |
![]() |
ブルーアルピーヌメタリック (アルピーヌ A110) A110 PREMIERE EDITION(LHD 7DCT)に乗っています。 Co ... |
![]() |
ファイアーレッド (ロータス エリーゼ) ELISE 220Ⅱ(LHD 6MT)に乗っています。 ★Targa top ★Whe ... |
![]() |
オブシディアンブラック (メルセデスAMG Cクラス セダン) C 63S E PERFORMANCE(LHD 9AT)を2023年12月に注文し,20 ... |
2024年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2023年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2022年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2021年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2018年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2017年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2016年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2015年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2014年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2012年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2011年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2010年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2007年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |