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きリぎリすのブログ一覧

2025年07月11日 イイね!

※この投稿には映画『F1/エフワン』の一部ネタバレが含まれます。

※この投稿には映画『F1/エフワン』の一部ネタバレが含まれます。

昔は,よく任侠(ヤクザ)映画の劇場から出てきた観客が,肩で風を切って歩く光景を目にしたものだが…
昨晩の私はというと…
F1レーサーが見る景色―――地を這う流れる路面が無性に見たくなり,セブンで真夜中の首都高を疾走していた。
頭の中で(挿入歌の)「Whole Lotta Love」のギターリフを響かせながら…



そう,まだ余韻の残る映画は,ブラッド・ピット主演『F1/エフワン』。
コクピットに収まれば,百戦錬磨のドライビング。ヘルメットを脱げば,あの甘い笑顔。
プロストやマンセル,そしてセナと共に戦っていた伝説のF1無冠レーサーも,現在では御年61歳。
そんな彼が現役の若手と互角に渡り合う姿は,熟年層に勇気を与える。

チームメイトの若手ドライバーとはあるあるだが,確執から,やがて固い絆へ。
エンジニアやピットクルー,また,親友でもありチーム代表との信頼関係。
一匹狼かと思いきや,背中でチームを牽引する姿が心に残る。
齢を重ねた者にしか出せない渋み―――それがブラピの速さの陰にあった。

そして,ラブロマンスも忘れていない。
この手の映画にはお決まりのように,カーアクションとベッドシーンが用意されている。
ハリウッドの処方箋とでも言うべきか,それがなければヒットしない,という神話。

だが,そんなクリシェすらも,ブラピが演じると何となく納得してしまうから不思議だ。
きっと彼の中では,愛もレースも,すべてが「人生」なのだろう。

エンディングは,流れ者のように,肩の力が抜けたバハのデザートレース。
緊張の連続F1の舞台から一転,砂塵舞う砂丘の大地へ。
車好きにはたまらない,心憎い演出だった。



そして,真夜中の首都高,そこで私はそっとアクセルを踏む。
作中,ブラッド・ピットが駆っていたマシンは,カーナンバー「7」。
今夜,私が操っていたのも「セブン」。
ルームミラーに写る自分が,心なしか…「俺って,ブラピに似ている」と見えたのは内緒だ(汗)
夜間工事で抜けない車線規制の環状線を,ジワジワと進みながらも,気分だけは世界の頂点モナコグランプリ。
次のコーナーの先に,夢があるような気がした。


Posted at 2025/07/11 06:01:42 | コメント(10) | トラックバック(0) | クルマ
2025年07月04日 イイね!

EXPO2025,今年一番のビール!

EXPO2025,今年一番のビール!

私は雨男である。
天気予報士が「晴れです」と断言しても,私が買い物に行けばゲリラ豪雨になり,旅に出れば台風が進路を変えて接近して来る。
仕事を引退したら,干ばつに苦しむアフリカの大地に赴き,第二の人生は雨乞いの祈祷師と決めているほどだ。


IMG_7971.jpg


そんな私が,ついにやって来た大阪・関西万博。
目の前に広がるのは,傘,傘,傘で,「ここはパラソル・フェスティバルか!」と思うほど。
しかし,それは私の雨の呪いではなく,全て日傘である。

あれだけイベントで雨を降らせ続けてきた私だが,この日ばかりは日差しが本気モード全開。
雲ひとつなく,空はこれでもかというほど青く,太陽がいつもよりずっと近い。
青空が暴力的… 日差しが突き刺さる… 思考力が奪われる…
なかなか進まない行列は,配給を待つ難民のように,他人に気遣うどころか,横入りを警戒して誰もが戦々恐々としていた。

体力の9割をそがれ,灼熱難民の一人としてやっと入場した………ものの。
そこには,救済も慈悲も日陰もなく,またもや目にしたパビリオンの長い行列に,魂が蒸発した。
これは,熱波の中での精神修行か?新手の汗だくサウナ祭か?万博と言うより,「罰ゲーム・バラエティーセット」だ。
この状況を例の化け物キャラ・ミャクミャクは,どう思っているであろう?


IMG_7995.jpg


「ええい,もういい。見るのはYouTubeで。リアルで体験するのは,無国籍クラフトビールだけで十分だ」
逃れるように,かすかに影をたたえた会場の回廊―――巨大な木造リング状の構造物(名前は知らん)に避難。
…というわけで,私はその木造リングの下で,帰りの時間までビールで涼を取りながら,万博の暑さをイヤと言うほど満喫した。

ところで,EXPO2025のテーマは,「いのち輝く未来社会のデザイン」だそうだ。
そう,私は,いのちが焼かれる未来社会の現場を,日陰からビール片手に目の当たりにしていた。
「いのちが輝くためには,まずは日陰のデザインからだな」とつぶやきながら…


Posted at 2025/07/04 15:10:05 | コメント(14) | トラックバック(0) | 旅行/地域
2025年06月30日 イイね!

雨に唄えば(哀歌)

雨に唄えば(哀歌)

「日本には四季がある」なんて言葉に風情を感じていたのは,はるか昔のことのようだ。
セブンが来た翌日からは,雨季と乾季,すなわち雨かそれ以外である。
そして雨季のキング・オブ・キング,それが梅雨だ。

雨音が軒を叩くたび,世の中の人たちは「今日は電車はやめてクルマにしよう」と思うであろう。
屋根があって濡れずに,エアコンで湿度も快適―――つまり,文明の利器に屈しているのである。
だが,私は違う。
玄関を出て,空を見上げ,「この程度じゃ小雨だし,電車で行くまでもないか」とつぶやいて,セブンに乗り込む。
傘をさすか,ささぬか―――私は小雨なら傘をささない英国紳士よろしく,後者の人生を選んだのだ。

いや,正確には,まだ幌の掛け方がよく解らないだけである。
何しろ,セブンに乗り始めてまだ日が浅い。
幌の張り方は熟練の技がいるので,YouTubeで予習はしたものの,幌を留めるあっちこっちのスナップボタンが,ツンデレな彼女のように言うことをきかない。
道端でモタモタしていたら,通行人の「大変だね~」という言葉に心が折れたので,私は決めたのだ。

「濡れたほうが早いし,楽だし,クールだ」と。

結果,雨に濡れるセブンのシート。雨に濡れる自分のジーンズ。ほおを流れる雨しずく…
そして,雨を受け止め,気象と一体化する自分をストイックと感じている。
傍から見ればただのアホだが,哲学なしだと本物のアホだ(汗)



ある日,ドライブのついでに銀行に寄った。
ところが,幌なしセブンで突然の雨に見舞われ,全身びしょ濡れ。

自動ドアの開扉速度に,もどかしさを感じながら店に飛び込むと…
入った瞬間,待合室の視線が一斉にこちらを向いた。
一瞬,静まり返るロビー。
行員たちが,妙に緊張した表情で私を見ている。

しばらくして窓口に呼ばれ,通帳を差し出すと,若い行員が震える声で言った。
「ご用件は………お振込み,ですね?」
その間に,背後ではガードマンが,ゆっくりと姿勢を正している。
鋭く光る防犯カメラが,私の一部始終を捉えていた。

「いや違うんだ!びしょびしょなのは,クルマで来たからなんだ」
しかし,そんな弁解したら,もう怪しさマシマシである。



今日も私は,雨上がりの街を行く。
濡れても,風を浴びても,晴れ間を信じて走る。
助手席にはタオルとドライTシャツ,そして微妙な後悔。
でも,そのすべてが,セブンとの梅雨の思い出になっていく。
今はまだ「濡れる自由」を楽しんでいたいから―――

(後記)
ちなみに幌は…家の押し入れで眠っている。
実は私は,練習している姿を人に見せないタイプである。
幌の成功率はいまだ低気圧並みだが,いつかスナップボタンを手なずけ,日の目を見る日も近いであろう。

Posted at 2025/06/30 00:37:09 | コメント(12) | トラックバック(0) | クルマ
2025年06月23日 イイね!

ステアリング・リムーバブル・ライフ

ステアリング・リムーバブル・ライフ

セブンといえば,ステアリングは当然クイックリリース。
…のはずが,納車されたセブンのステアリングは,ヴィンテージワインのコルク並みに抜けない。

は!もしかして組立工程を飛ばされた?たぶん欠陥車両がそのまま紛れ込んだのだ。
このままでは,乗り降りの度にあん馬のソロ大会だ。
そこで,リコールまで待てないので,クイックリリースに改造することにした。

ところで,F1でリタイアしたドライバーが,ふて腐れてステアリングを外す光景をよく目にするが…
その割には,外したブツは,ピットまで後生大事に持ち帰る。
どうやら,近ごろのステアリングは,データやら何やらで,お値段も1千万ぐらいするとのこと。
怒りで投げつけでもしたら,来シーズンのシートは約束されないw

だからという訳じゃないが,ステアリングは外してバッグに仕舞うのが一番だ。
少しかさばる丸いカギだと思えば造作ない。

セブンは,駐車してちょっと目を離した隙に,誰でも勝手に乗り放題。
少々変わった芝刈機だと思われているから,無理もない。
しかし,ステアリングさえなければ,ただの鉄パイプだ。
セブンはシンプルな作りゆえ,セキュリティーもアナログでいくのが,案外,理にかなっているかも。

ステアリングを外すという行為には,実用と遊び心が仲良く同居している。
走り終えたあとに,ステアリングを外して降りるだけで,なぜか満足度2割増しだ。
だから,セブンと共にある日々には,そんな小さな儀式がよく似合う。

Posted at 2025/06/23 17:14:33 | コメント(10) | トラックバック(0) | クルマ
2025年06月16日 イイね!

「必ずや,新車が買える大人になろう!」と誓ったが…

「必ずや,新車が買える大人になろう!」と誓ったが…

この人と一生,歩んでいこう。
この仕事こそ天職と考え,まっとうしよう。

人は人生の節目ごとに,幾つかの大きな決意を胸にする。
それは,未来を自らの手で掴み取ろうとする,強い意志の表れだ。

実は,そこまで深い話じゃないが,私にもある。
もしも,新車が手に入るなら,そのときは新車と決めている。
以前も書いたが,クルマの見極めが下手な私は,中古車に泣かされ続けた。
中古車を買い替えても,買い替えてもトラブル続き。
小雨ぱらつく山道で,白煙を上げるポンコツを前に…
こぶしを固く握りしめ「必ずや,新車が買える大人になろう!」と誓った。

ところがである!
新車で買ったセブンは,慣らし運転から故障するのが大前提。
次々と繰り出される故障を直しながら,少しずつ完成形に近づけるのだという―――
直しても直しても,次が出てくる「故障わんこそば品質」だ。
近い将来,月旅行が可能になっても,ケータハム製の宇宙船には,絶対に搭乗しないだろう。

さて,月旅行ではないが,ライダーたちに根強い人気の北海道ツーリング。
私もロングバケーションには,何処までも続く大自然の中をセブンで駆け抜けてみたい。

「…ん?故障して立往生したら,どうすんだ?」

そう,問題はそこだ。
地平線の彼方まで続く一本道,そのど真ん中でエンジンが沈黙したらどうするのか?
積載車を呼ぼうにも電波は圏外,目の前には「熊出没注意」の黄色い看板。
スマホを持つ手が震えるのは寒さのせいか,それとも人生の選択を間違えた後悔か?
いつしか陽は落ち,風が立つ。
時折り飛び立つ鳥の羽音や,ざわつく熊笹の音に,私は身構え,一心に暗闇を見詰める―――

だが,そんな旅こそ後々になって笑い話になる。
そして,セブンはその笑いを一生分,納車時に標準装備してくる。

だから私は,今日もハンドルを握りしめながら祈るのだ。
「どうか,あと50キロだけ…いや,せめて10キロ無事に走ってくれますように」と。
そしていつか,その祈りが通じると信じている―――
セブンと過ごす人生そのものが,もう既に「走る旅」なのだから…

Posted at 2025/06/16 06:11:27 | コメント(12) | トラックバック(0) | クルマ

プロフィール

きりぎりす(旧GRASSHOPPER)と申します。 ここ10年ほどで,やっと実用性0(ゼロ)のセカンドカーを持てるようになりました。 サルはエクスタシー...
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