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tommy-b7のブログ一覧

2019年09月05日 イイね!

愛車と出会って12年!

愛車と出会って12年!












9月6日でtommy号と出会って12年になります!

登録は8月下旬ですが、フィルム貼りなど追加作業やこちらの都合で、
納車は9月6日でした。
当時はmyDには納車ルームがなく、炎天下の路上で納車チェック及び操作説明を
受けました。
汗だくになりながら…


この1年では、不定期交換としては、バッテリー交換、タイヤ交換をしました。


そうそうリヤのバンプラバーも交換しましたねぇ。

そろそろDに全て任せるのではなく、賢くショップさんなどにもお願いすることを
考えないといけないですね。


■愛車のイイね!数(2019年09月05日時点)
347イイね!

多くのイイね!有難うございます!


■愛車に一言

もうしばらくは頑張ってください!
前車の初代Cクラスの13年に追い付け追い越せ❗️


>>愛車プロフィールはこちら
Posted at 2019/09/05 00:20:53 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2019年09月01日 イイね!

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」⑤ エピローグ

(前回までのあらすじ…中学の山歩きハイキングで途中の分岐点で予定ルートに従って
曲がったT君たち3人は、後ろから来るクラスメートが違う道に進んでいることに気付き、
それを教えに戻ったが、引率の担任を含め、誰も言うことを聞いてくれない。怯えていた
Y子だけを連れて3人は正しいルートに戻った。T君とY子のふたりだけには「彼ら」が
見えていた。最終集合地点にはクラスメートたちはやってこない。1時間たってようやく
迷っていたクラスメートは集合地点にやってきた。帰路のバスの車中で迷っていた生徒の
1人であるA子からT君たちは、自分たちの姿を見ていないというA子の言葉に衝撃を
受けた。やがてバスは学校に戻り、解散して一応一件落着となった。)

これでとりあえず一件落着である。

T君とY子は、事件後、何度かY子の家で謎解きの話し合いをした。


お互いに何を見たのか、A子の話し、後日聞いた級友の話、それらを吟味

して推理した。


また、ふたりの推理が行き詰まると大学で心理学を勉強していたというZ先生

の意見を聞くために、放課後に保健室に行って3人で話し合うこともあった。


そうしてたどり着いた、ふたりの考える真相らしきものとは…



あの日、F組とG組の間に不自然に開いた空間に「彼ら」は現れた


ひょっとするとその不自然に開いた空間さえ「彼ら」の仕業では…

とさえ思われた。



「彼ら」は最初はT君やY子にも見えなかったが、あの間隙に現れていた


だからG組は速度を上げて間隔を詰めることができなかったのであろう。


あの分岐点を過ぎたところで「彼ら」は突然姿を現した。


その姿はT君とY子にしか見えていない。


ただ、T君はすでに実体化している「彼ら」しか見ていないが、Y子は何も

ない空間がボ~っと薄暗くなったかと思うと徐々に人型になり半透明で向こう

が透けて見える状態から、まさしく人間がそこにいると思えるくらいまで

実体化していく様をリアルタイムで見ていた。


「彼ら」は、その姿からして戦時中に疎開すべく歩いていた人たちであろう。


Y子にしか見えなかった「兵隊さん」は、疎開する人たちを指揮する将校か

護衛兵?


それともまた別の霊体がたまたま同時に現れたのか、それは分からない。


「兵隊さん」はG組以下の列を疎開する人たちと勘違いし、みんなをある地点

まで誘導した?


それがあの神社?


疎開した人たちは一度あそこで集合し、それぞれ疎開先を割り当てられた?


そして、あの集落は疎開するために作られた集落?


目的地に到着したことで「彼ら」は満足し姿を消した?



T君たちの姿がなぜ級友には見えていなかったのだろう?


誘導されている間、みんなは催眠状態になっていてT君ら催眠にかかっていな

い者の姿は目に入らなかったのであろう。


T君たち3人は列を離れていたので、「兵隊さん」に疎開者と認識されず、

催眠にかからなかったのだろうが、Y子が催眠にかからなかった理由は分か

らない。


ひょっとすると姿を見たものは催眠にかからないのかもしれない。


先生だけが催眠にかかっていながらもT君たちに応対できたり、Y子が列を

離れたのを把握できたのも不思議だ。


ひょっとすると邪魔者を遠ざけるためにG組担任の口を借りて「兵隊さん」が

応対したのかもしれない、とY子が言った時にはT君はゾッとした。


「えっ?それじゃ俺、幽霊と会話したことになるの?」 


ふたりは「兵隊さん」がいわば善意で誘導したと考えたわけだが、それが正解

かは分からない。


逆に悪意で80人を迷わせた可能性がないわけではない。


ただ、もし悪意があったのなら全員が無事に戻ってくるはずがない

という点で二人の意見は一致していた。



 

ふたりが行き詰った疑問は、神社で皆が正気に戻ったということは、「彼ら」

の影響力ははそこで消えたということになるのに、その後、G組以下はなぜ

迷った?という点であった。


神社を立ち去ってからの奇異な事態は正常なことではない。


細い道、より細い道…とまるで誘い込まれるように深みにはまっていったの

は、来た道を戻るだけならまずありえない。


T君は「ひょっとして、通行止めになっている道こそが通ってきた道なんじゃ

ないか?」

と言った。


霊にコントロールされた状態のG組担任が通行止めのロープを外し、同じく

霊にコントロールされた状態の最後尾の先生がロープをもとに戻したとすれ

ば…


T君のこの推測にY子は同意した。


Y子はT君の推測に、「捜索に出た先生たちも通行止めのロープがあれば、

そこから先は捜索しなかったと思う。」と付け加えた。


捜索が空振りになった理由もこれで説明がつくので、T君もY子の推測に納得

した。


しかし、そもそも通行止めのロープが実際にあったのか?


そのロープも怪異の一部ではないか?


という話になるともう答えは出なかった。


なぜなら確認のために現地に再度行くことなどはしなかったし、翌年からは

ハイキングの場所が変わったため、後輩に確認してもらうようなこともでき

なかったからだ。



一体どこからどこまでが心霊的な怪異現象で、どこからどこまでが現実だった

のかもハッキリしない。


これについては「実はあのハイキングで俺もY子も全員遭難して死んでいて、

今いるのは現実そっくりのあの世かもしれないね」と冗談交じりに極論を言っ

たところで、ふたりは考えるのをやめた。 



迷ったと分かった時点でなぜ引き返さなかったか?

という点についてY子はA子に聞いたことがあった。


すると「だって1回迷ったから引き返してる途中なんだよ。そこでまた引き

返したら遠回りになるだけじゃない?それに、引き返してまた迷ったら時間

を余計に無駄にするだけだし」と返された。


Z先生にそれについて聞いてみると、当事者心理としては理解できると言った。


自分の行動の誤りを認めることは心理的にハードルが高いもので、勇気を出し

て誤りを認めてやり直した場合、それがさらに誤りだったことを認めるのは

さらにハードルが高くなるというようなことをZ先生は言った。


今回の場合、1度誤り(道に迷ったという事実)を認めて、時間的無駄や体力

の余計な消耗を受け入れたのに、再度誤りを認めて引き返すのは、さらなる

時間的無駄やさらなる体力消耗を認めてしまうことになり、より受け入れ難い

心理になるという。


それよりもこのまま道なき道を進んででも本道に戻れれば、これまでの努力も

無駄になることはないんだから頑張ろう、という気になりやすいそうだ。


現代の言葉でいうと「誤ったポジティブシンキング」とでもいうのだろうか


そうすると、神社以降の迷子に心霊的な要因はないように思われ、T君とY子

はそう結論付け、Z先生も同意見だった。


まとめると、二人は「彼ら」により80人は神社まで誘導されてしまったこと

は心霊的な怪異現象だけど、それ以後に80人が迷ったことについては心霊的

な要因はないと考えたわけだ。


本人たちにとっては合理的な選択をしているつもりでも、 はたから見ると

誘い込まれるように自ら「より危険な選択」をしているようにしか見えない。


その結果として山中で迷子になってしまう…

昔から言われる「タヌキやキツネに化かされる」というのはこういう事なのか

もしれない、とふたりは考えた。

 



神社や廃村については、そもそもそれが実在するかどうかは分からなかった。


今のようにネットですぐに調べられるわけでもなく、現地に戻って調べると

いうこともしなかったからだ。


仮に実在したとしても、かつてどういう経緯があったのか、それは全く分から

ない。


T君やY子は「彼ら」の姿から推測したわけだが、現実に戦時中にそこが疎開

地となっていたのかどうかも不明だ。


「幽霊となって現れるのであれば無念の死を遂げたのであろう→疎開村は空襲

や流行病で全滅したのではないか」

などと想像は可能だが、もしそうなら呪いを受けたはずの80人がまったく

無傷ですむのだろうか?



後日談になるが、この事件は先生や生徒たち当事者たちの学校生活には

ほとんど影響を与えなかった。


単にハイキング中に迷子になっただけということで落着し、警察も親たちも

誰も騒がなかった。


そういう意味ではOld Good Days,古き良き時代。


寛容な時代だった。


今だったらどうだろう?


おそらくリアルタイムで集団迷子が拡散され、警察や親もこれを事件として

扱うだろう。


モンペの中には慰謝料を要求する者もいるかもしれない。


バスの運転手も「コンプライアンス的に…」と言って、会社にお伺いを立てて

許可を得てからじゃないと牽引ロープを貸さないかもしれない。


また、少なくともG組担任は何らかの責め(懲戒処分)を負うだろうし、

校長も無傷では済まないだろう。 



話を戻そう。


結局、この事件が当事者たちに何をもたらしたのだろう?


ひとつだけハッキリいえるのは…


T君とY子がこれをキッカケに付き合うようになったということ(^^)




霊感カップル、それも彼女の方がちょっぴり霊感が強いカップルの交際が

どんなものだったのか…これはまた別の話(^^;


Posted at 2019/09/01 17:37:54 | コメント(3) | トラックバック(0) | シリーズ怖い話 | 日記
2019年09月01日 イイね!

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」④ 誘いこまれる

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」④ 誘いこまれる









(前回までのあらすじ…中学の山歩きハイキングで途中の分岐点で予定ルートに従って
曲がったT君たち3人は、後ろから来るクラスメートが違う道に進んでいることに気付き、
それを教えに戻ったが、引率の担任を含め、誰も言うことを聞いてくれない。怯えていた
Y子だけを連れて3人は正しいルートに戻った。T君とY子のふたりだけには「彼ら」が
見えていた。最終集合地点にはクラスメートたちはやってこない。先生たちは手分けして
捜索することになった。Z先生にだけ見たことをすべて話すと、先生は集団催眠状態なの
ではないかと言い、そのことは他言しないように言った。1時間たってもクラスメート
たちは所在不明のままだったが、広場の一角で突然騒ぎが起きた。)


突然広場の一角がザワついた。



その一角は背後に4~5メートルの崖のような急斜面があり、崖の上は大人の

胸くらいまでの草や木々で覆われていたのだが、その林の草むらから突然,

大勢の人が現れたのだ。



それはG組担任以下G組の生徒たちと、H組の担任と生徒、それに最後尾担当

の先生だった。



そこに通じる道はなく、後日、迷い組の級友から聞くと、彼らは闇雲に草をか

きわけて前進してきたとのことだった。


そこに至るルートを確認して救助に向かうのが最も安全だが、もう夕方に近づ

いており救助中に日没になる可能性もある。


そこは気を付けてゆっくりと降りれば降りれないことはないような崖だった

ことから、急遽バスの牽引ロープを借り、それをリュックに入れた先生が崖を

上り、太めの木にロープを固定し、そのロープを下に投げて下で待機する先生

にしっかり持ってもらい、ひとりずつゆっくりとロープを伝って降りることに

なった。


一人で降りれない女子は男子生徒と先生とが補助しながら降りた。


80人が全員降りるのに数十分かかったが幸いなことに誰一人行方不明になら

ず全員が無事に戻ってきた。


救助作業が終わる頃には捜索に出ていた先生たちも皆、広場に戻っていた。


すでにバスの発車予定時刻を2時間オーバーしていたこともあり、点呼を終え

ると、行事終わり恒例の校長の長話もなくすぐにバスで帰ることになった。




G組のバスの中は異様な雰囲気だった。


誰もが何か言いたそうだけど誰も何も話さないというか、妙な緊張感と沈黙が

支配していた。



そのうち、皆疲れが出たのかT君たち4人以外はほとんどが眠ってしまった。



T君たち4人は最後尾の5人席に何となく固まって座っていた。


周辺の席の級友が眠ってしまったので、ヒソヒソ声で話しているとY子の親友

のA子が席を立って近づいてきて、「座ってもいい?」と言ってきた。



4人は左右に分かれ、空いた中央席にA子が座った。



A子はY子を見てこう言った。


「4人はどこに行ってたの?みんな心配してたんだよ」



以下はA子の話から。


4人はクラス全員の横を駆け抜けているはずなのだが、A子はじめ誰もその姿

を見ていないようで、ある場所を過ぎたときに前を歩いていたはずのT君たち

3人に加えてY子まで姿を消していることに気付いたのだという。


クラスの全員が騒ぐ中、担任だけは「4人はF組と一緒だから大丈夫だ」と

言っていたらしい。


そして、おかしなことに分岐点を直進したこと、ある集落を通り過ぎたことは

記憶にあるが、その間に誰かと何かを話したという記憶がないという。


誰も一言も口をきかず、ただ黙々と歩いていたような気がするという。


それが、ある地点で突然我に返ったような、ハッと意識が戻ったような感覚が

あり、その時はみんな周りを不思議そうに見渡して「俺たちどこにいるん?」

という声があちこちから上がったらしい。


それは先生も同じだったようで、先生もキョロキョロとあたりを見渡していた

そうだ。


皆、立ち止まって途方に暮れていると後続のH組が黙々と歩いてきては突然、

目覚めたかのようにキョトンとして周囲を見渡している。




そこは集落のはずれにある神社の境内だった。




点呼を取って4人がいないことがハッキリしたのもこの神社で、その時は4人

が迷子になったと大騒ぎになった。



結局、A子はY子がはぐれたと思い込んでずっと心配していたらしい。


広場に戻ってきたらY子が既にいて、この時ようやく「自分たちの方が迷って

たんだ」と拍子抜けしてしまったとA子は笑いながら話した。




話を迷っているG組H組に戻そう。



 とりあえず引き返そうということになり、集落まで戻って愕然とした。


そこは荒れ果てた廃村だった。


さっき通過したときは確かに生活臭の漂う普通の集落だったはずだと思いつ

つ、気味の悪さに急ぎ足で集落を通過した。


急き立てられるように急ぎ足でそのまましばらく道をたどると、ふたまたの

分岐点に出た。


ここはT君たちと別れた分岐点ではなく、もっと山の奥の地点だ。


一方の道はロープでふさがれ通行止めの看板が立っている。


もう一方の道から来たに違いないということでそちらに進む。



同じように何度か分岐点が現れた。


どの分岐点も片方の道は見るからに暗くうっそうとしていて進んではいけない

ような気にさせる道だったため、選択に迷うことなく進んだのだが…


分岐する度に、しばらく進むと道幅が狭くなり、そのうち二人並んで進めなく

なった。


ここまでくれば誰の目にも道に迷ったのは明らかになった。



だがおかしなもので誰もそれを口にしない。



まるで魅入られたかのように闇雲に前進した



道はやがて獣道になり、そしてとうとう道が無くなった



戻ろうとは誰も思わなかったようで、誘い込まれるかのようにそのまま進む


山中の木々の間をさまよううちにあの林に迷い込み、遮二無二草をかき分けて

進んであの崖の上に出たという。



4人は茫然とA子の話を聞いていた。



「でもY子たちも私たちもみんな無事で良かった~♪」


A子は屈託なく笑った。



A子をはじめ級友のほとんどはG組担任が道を間違えたせいで迷子になったと

単純に思っているようだ。


(だけど先生も同じバスに乗っているので誰も何も言えないのか…(^^; )


T君は車内の微妙な空気感の理由がわかったような気がして苦笑した。

 



T君が自分たちの行動をA子に説明すると、

「ウソ~、4人が走って行くのなんて見てないよ。4人がいないって騒ぎに

なった時も誰もそんなこと言ってなかったから誰も見てないと思うよ。

ウソつかないでよ~(笑)」

とまったく信じてもらえなかった。


(なるほど、道理であの時、誰も俺たちの言葉に反応しなかったわけだ。

誰も俺たちには気付いてなかったんだから)とT君は納得した。


反応したのはY子と担任の先生だけだったのをT君は改めて思い出した。


(先生にはどうして俺たちの姿が見え、会話ができたのだろう?)


T君はいくら考えても答えが見つからず、考えるのをやめた。





バスが予定の2時間遅れで学校に戻ると心配した父兄が集まっていた


誰かが通報したのかパトカーが1台来ていて、解散後に校長など数人の先生が

事情聴取されたらしいと後で知った。


特にG組の担任は故意にはぐれたのではないかと疑われ、何度か事情聴取され

らしいが、結局は不問となった。


これでとりあえず一件落着である。


(続く…次回は最終回です)



Posted at 2019/09/01 00:47:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | シリーズ怖い話 | 日記
2019年08月31日 イイね!

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」③ ふたりが見たモノ

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」③ ふたりが見たモノ








(前回あらすじ…T君たち仲良し3人組は中学の山歩きハイキングでクラス
から離れて歩いていた。途中の分岐点で予定ルートに従って曲がったT君たち
は後ろから来るクラスメートが違う道に進んでいることに気付き、それを教え
にクラスの列に戻ったが、引率の担任を含め、誰も言うことを聞いてくれない。
そんな中怯えていたY子だけを連れて3人は正しいルートを行く前のクラスの
担任に事情を伝えた。結局そのまま様子見することになったが、T君には気に
なることがあり、Y子に何を見たか聞いてみた。)


「Y子ちゃんも見たの?」


「!!!」


Y子は驚いたようにT君の方を見た。


「……(無言で頷く)」


確認しあったわけでもないのに、二人はお互いに同じものを見たと思った。


ふたりは歩く速度を緩め、前を行く4人とは少し距離を取った。


二人との間隔が広がったことにS君たち4人も気づいたが、振り返ると意味

ありげにニヤつきながら「お前らまではぐれるなよw」と言って笑い、前を

向いて4人ではしゃぎながら歩き出した。


どうやら4人は事態を深刻には考えていないようだ。


小声の会話なら4人に聞こえない程度まで少し距離があいてから二人は話し

始めた。


T君「あれ、何なんだろ?」


Y子「わからないけど怖い」


T君「パッと見だとハイキングしてる人達に見えたよね…」


Y子「でも雰囲気が何か違う…」


T君「そう、ハイキングにしてはリュックも大きいしそれ以外の荷物も

たくさん持ってた」


Y子「小さい子や赤ちゃんおぶったお母さんもいたよ…」


T君「それに何か古臭い服装じゃなかった?」


Y子「モンペとかね…」(筆者注・昭和前期までは一般的だったズボンのよう

なもの。)


T君「どこかの農協がキャンプでもするのかなぁ…」


Y子「…その人たちしか見てないの?」


T君「えっ?」


Y子「…」


T君「ほかにも誰かいたの?」


Y子「…兵隊さん…」


T君「えっ?」


Y子「先生(G組担任)の前を先導するみたいに急に兵隊さんが現れたのよ。」


Y子「モンペ履いた人たちも、何もなかったところにふっと湧いて出てきた

ように、気が付いたら前を歩いてたの…そういえば、みんな防災頭巾みたい

なのをかぶってたのに気づいてた?」


Y子はその時のことを思い出して怖くなったのか涙を流し始めた。


「大丈夫だって」T君は慰めながらY子の手を握った。


Y子もT君の手が痛くなるほど力いっぱい握ってきた。


そのまま少し歩くと少し落ち着いたのか、やっと顔に血色が戻ったY子の握る

力が弱くなった。


Y子「ごめん、痛かった?」


T君「いや、大丈夫…ってことにしとく」


Y子はT君の言葉に笑顔を見せた。



T君「だけどさ、そうすると俺らの見たのって…」


Y子「多分そうだよね…」


言葉には出さなかったが二人は理解しあった。



あの集団は戦争中の時代の人たちだと…


そしてその集団に先導されていったG組H組はどうなるのか不安になった。


でもこんな話、誰に言ったところで信じてはもらえないだろう。


現に4人に追いついてS君とU君に「G組の前を歩く人って誰かいたっけ」

と聞いても「誰もいなかった」としか返ってこなかった。


結局、無事であることを祈りつつそのままF組と行動をともにするしか

なかった。

 

 

そして最後の集合場所の広場にF組とともに着いた。


A組からF組までの6クラス全員プラスG組の4人が揃ったが、G組とH組

はなかなか来ない。


F組担任から事情を聴いたほかの先生たちもG組担任がそう言ってたなら

大丈夫だろうということになり、少し待つことになった。


だが、20分くらい待っても誰も姿を現さないので、とうとう先生たちが

手分けして捜索に行くことになった。


携帯電話のない時代なので、非常連絡用に用意していたトランシーバーを

各捜索隊にひとつずつ配布して手分けして山を探すことになった。

 

生徒たちもようやく事態を把握して少し騒ぎ出している。



広場には先生は数人しかいなかったが、その中にT君の属する陸上部顧問の

Z先生がいた。


Z先生はいわゆる「保健室の先生」で大学新卒の若い美人女性教諭で人気が

高く、仮病で保健室に行く男子生徒も多かった。


そんなZ先生がT君の姿を見つけると寄ってきた。


いつもならZ先生が近づいてくるだけでドキドキするのだが、この時はそれ

どころではなかった。


Z先生「T君ってG組じゃなかった?」


T君「そうです」


Z先生「良かった、無事で。どこかケガしたりしてない?気持ち悪かったり

しない?」


T君「大丈夫です」


Z先生「何があったの?」


T君はZ先生なら信じてくれるかもしれないと思い、そばにいたY子を呼び

3人は人気のない所に移動し、そこで2人が見たすべてを話した。


Z先生「…そう。大学で勉強したことがあるんだけど、それはもしかすると

集団で催眠術にかかったような状態になったのかもしれないわね…

何が原因でそうなったのかは、あなたたちの話が本当だとすると心霊的な原因

なのかもしれない。ちょっと信じられないけど、ふたりが嘘を言っているとは

思えないし…」


そこへ広場に残っていた校長と教頭が近づいてきた。


Z先生は「事情を聴きに来たんだと思うけど、幽霊のことは話しちゃダメよ。

絶対に信じてくれないから。」と言い、やって来た二人の先生にはZ先生から

事情説明をしてくれた。


やはり美人力というのだろうか、ふたりの先生はZ先生の説明を聞くと簡単に

納得して戻っていった。

 

その後6人は何も事情聴取的なものはされなかった。


後日聞いた話では、Z先生が職員会議で「あの6人はそれぞれ自分にも責任が

あるのではないかと内心で自分を責めているはずです。そんな状態の子供たち

を呼び出して事情聴取的なことをしたら、子供たちの心に一生残る傷を与えか

ねません。すでにF組やG組の担任の先生から事情説明があったのですから、

これ以上子供たちから何か聞く必要もないのではないでしょうか」というよう

な発言をして、自分が盾になって6人をかばったらしい。


新米教師とはいえ、あまりの迫力に誰も反論できなかったとか(^^;

 

 

話を現場に戻そう。


そのまま1時間ほどたち、すでに帰りのバスの発車予定時刻はとうに過ぎて

いたが、ほとんどの先生が捜索のため山の道という道に出払っていたため

バスは待機したままで、遊び疲れた生徒たちも広場にクラスごとに集まって

体育すわりで休憩していた。

 


突然広場の一角がザワついた。


(続く…話の展開が遅くてすみません(^^; )


Posted at 2019/08/31 14:47:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | シリーズ怖い話 | 日記
2019年08月30日 イイね!

シリーズ怖い話・第27談 「山での異変」② 何かがおかしい

(前回あらすじ…T君たち仲良し3人組は中学の山歩きハイキングでクラス

から離れて歩いていた。途中の分岐点で予定ルートに従って曲がったT君たち

は後ろから来るクラスメートがちゃんとついてくるか確認しようと振り返り、

信じられない光景を目撃した。)





G組は直進している!



 



 



 



 



 



すでにG組の列の半ばくらいまでは分岐点を通過してしまっていた。



 



T君はもちろん、T君に知らされて事態を知った4人も慌てた。




とりあえずF組の2人はF組の先頭にいるF組担任に事態を知らせ、G組の

3人はG組先頭にいるG組担任に道を間違えていることを知らせに行くこと

になった。



 



T君たち3人は必死に走ってG組の列の追いつくと級友に「道間違えてるぞ」

と教えたのだが、なぜか誰も相手にしてくれなかった。


が、そんなことを気にする余裕もなくとにかく先生に伝えねば…と、3人は

列の先頭まで走って行った。



 



ようやく列の先頭に出て担任の先生に「道間違えてます!」「戻りましょう」

「このままだと迷うかもしれません」と口々に言うのだが、なぜか担任は立ち

止まるどころか歩みを緩めることさえしなかった。


そして、淡々とした口調で「こっちでいいんだ。こっちからでも行けるから」

と生徒と同じくやはり忠告にまったく耳を貸そうとしない…



 



途方にくれた3人はどうしようか迷い始めた。




自分たちもG組だし、担任があれほど断言するなら、こっちの道もどこかで

予定ルートと合流するのかもしれないと思い始めたからだ。




しかたなく列の先頭で歩き始めた時、右側の女子の列(男子は左側だった)

の先頭にいた女子の学級委員Y子の様子がおかしいことにT君が気付いた。



 



色白美人で男女問わず人気のあったY子だが、この時のY子の表情をT君は

今でも鮮明に覚えているという。


Y子の顔は恐怖に引き攣り、青ざめていて唇も色を失っていたのだ。



 



T君はとっさにY子に寄り添い、耳元で「どうした?」と囁くと「怖いよ…」

と言うので、S君とU君に「戻ろう」と声をかけて、今度はY子を連れて4人

で走り出した。



 



4人がG組H組の列から離れ分岐点を曲がるとF組の方からV君とW君が

走ってきた。




もうH組の最後列も直進路に進んでおり、分岐点には誰の姿も見えない。



 



合流して6人になると、荒い息も構わずV君が「どうだった?」と聞いてきた

ので、T君はG組担任の言葉を伝えた。




V君もW君も信じられない様子だったが、どうすべきか判断できないようだっ

た。



 



T君以外の男子4人はここで初めてY子の様子がおかしいことに気付いたが、

グズグズしているわけにもいかないので、F組の担任に報告することにした。



 



F組の生徒は担任の指示でE組との間隔を詰めるように急ぎ足で前進してい

て、F組の担任だけは待っていてくれた。




G組担任の言葉を伝えるとF組担任は困惑していたが、G組の担任は年長の

ベテランで、このハイキングコースも何度も来ているので、G組の担任がそう

言うのなら本当だろうということになった。




ひょっとすると直進した方が近道なのかもしれないとまで言った。



 



G組、H組はすでにもう分岐点を通過して見えなくなっていたので、今から

また走って追いつくのは大変だろうということで、T君らG組の4人はF組

最後尾に付いていくことになった。



 



T君はY子と最後尾を歩くことになった。




ふたりは学級委員同士ということもあり、付き合っていると噂されるほど

仲が良かった。




実際この事件がきっかけでその後に二人は付き合うことになるのだが…

それは別の話。



 



現場に話を戻そう。




前を歩く4人が興奮気味に今のことをしゃべっている間も、最後尾を歩く二人

はしばらく押し黙ったままだった。




意を決したT君は、さっきからずっと気になっていたことを聞いてみた。



 




「Y子ちゃんも見たの?」


(続く)


Posted at 2019/08/30 23:39:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | シリーズ怖い話 | 日記

プロフィール

「明日は久々にゆっくりしよう♪ http://cvw.jp/b/349022/43700783/
何シテル?   02/04 21:11
初めてのステーションワゴンですが、その便利さを実感しています。 アウディも初めてなので、いろいろと情報交換等できれば嬉しいです。
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メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メルセデス・ベンツ Cクラス セダン
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