
レヴォーグを修理に出している間借りることとなったレンタカーの日産DAYZ(デイズ)。1か月ほど付き合うことになりそうなので、このクルマを色々理解しようと努めています。街行くクルマを注意して見ていると、これと同じクルマが結構走っていることに気付きます。売れているんですね。そしてスライドドア版のルークスや姉妹車の三菱eKワゴンもよく走っています。そして遠目から見るとそのVモーションな面構えはNV200にも見えたりもして前方からのシルエットもよく似ていると思います。ボディカラーが多彩なのも良いですね。そうか、BEVの「サクラ」もこれがベースだったか。
グレードはXの4WD。ターボでもハイブリッドでもない素のガソリンエンジンBR06を搭載しています。元はルノー向けの800㏄エンジンをボアダウンしたものらしく、結構気合いを入れて開発されたものらしいですね。メーター内のディスプレイにエネルギーモニターを表示できハイブリッドじゃないのに何で?と思ったのですが、調べるとアイドリングストップ用のリチウムイオンバッテリーの充放電制御の状態を示しているようです。上級グレードには無いアイボリー×ダークブラウンの内装を備え、明るくカジュアルな雰囲気です。限られた素材とコストの中で精一杯上質に見せようと努めたのがうかがえます。メーターや操作系のデザインやフォントも大人っぽい雰囲気で実に好み。エクステリアは割と男っぽい感じですがインテリアは幅広い層に受け入れられそうです。
室内空間は今時の軽自動車らしく効率的に活用されている印象です。収納が多いのもレヴォーグから比べて羨ましいポイントです。ホイールベースはギリギリまで延長されたおかげで後部座席は目一杯後ろにスライドすれば広大な足元空間が拡がり天井の高さと相まって窮屈さは皆無。窓も大きいのでレヴォーグには無い開放感です。エアコンはよく効いて冷えますが、タッチ式の操作パネルは本当に必要か?と疑問。先進感の演出でもあるのでしょうが周辺の他の物に手を伸ばすと間違って触れて押されたりするし、何よりブラインド操作がしにくいので走行中に触るのはちょっと危ないかも。指紋も目立ちます。タッチ感度を調節することはできるようです。
素敵なデザインや使い勝手とは反対に動的質感、特にパワートレーンについてはどうも気に入りません。私の中での軽トールワゴンの基準はかつて仕事柄よく乗っていたスバルステラ(ダイハツムーブのOEM)。こちらは買ってもいいかなと思っていたくらいでした。それと比べてがっかりなのはクルマレビューにも書きましたがCVTのフィールが良くないのです。エンジンの力不足をカバーできていないのかなと最初は思いましたが、効率的な領域を有効に活かせていない印象です。平坦路を走るだけなら良いのですが、幹線道路での走行では少しの上り坂でも速度維持のためにアクセルをちょっと踏み込んだだけで3000~4000rpm回ってしまい、そのくせ速度も全然ついてきません。トルコンのロックアップがすぐに解除されてしまうような印象です。アクセルを離してもギヤ比が上がるどころか失速するだけでついつい踏み込んでしまいます。実に走らないので安心してアクセルをべた踏み出来るという昔の軽自動車みたいですがエンジンそのものはロングストロークながらレッドゾーンまで軽々とよく回る印象です。ハイブリッド仕様ならもっとマトモなのかな?この個体だけの問題だという可能性もありますが高速道路をこれで走りたいとは思いません。
一方でエンジン由来の振動はとてもよく抑えられていて、走行中はもちろんのことエアコン全開・Dレンジでブレーキ踏みっぱなしのアイドリングでもブルブルしません。走行安定性も十分でスポーティ寄りなハンドリングで静粛性も驚くほど高いのですが、乗り心地は跳ねるような感じが軽貨物車に近いものがあり決して上質とは言えません。複数名乗車なら落ち着くのでしょうか?シートの座り心地が良いだけに残念なのです。
細かい部分を挙げていけば、ワイパーは車速感応式で作動させればオートライト機能も働きヘッドライトが点灯します。雨天は必然的にライトが点灯する仕組みです。オートライトの感度も丁度良くトンネルに入った瞬間に点灯します。最近のトンネル照明は入口付近がとても明るくなかなかオート点灯しない場合が多いですが、レヴォーグのオートライトの反応が悪過ぎるだけに感動してしまいました。そしてハロゲンバルブ仕様だったのですが、配光特性が良いのか暗いとは感じず夜間走行でも不安が少ないのもとても良い点でした。
プロパイロットと呼ばれるオートクルーズは付いていませんが、エマージェンシーブレーキや車線逸脱警告/防止支援、VDCは当たり前に付いていて(装備が義務化されたから当然か)、バックミラー(自動防眩機能付)に映し出すバックビューモニター(ナビにも映る)やコーナーセンサーまで普通に装備されています。アラウンドビューモニター(メーカーオプションで選択可)とまではいかなくてもここまで色々付いていれば十分です。これだけの内容で車両本体価格が150万円弱(2WD)ならお買い得かなと思うのですが、やはり走りのキモであるエンジンとミッションそして足回りのバランスが良くなければ自分は選ばないかなぁ。走りに拘る人ならハイブリッドやターボのハイウェイスターを絶対選ぶべきです。
つらつらと纏まり無い代車のレビューを書きましたが愛車が無い日々はどうにもこうにも淋しいもので(まだ1週間しか経っていないが(^^;))、こんなに素晴らしい(?)代車でも心の隙間は埋まりそうもありません。よく通る国道沿いにディーラーが外注で委託している板金工場がありそこに私のレヴォーグが預けられていて進捗状況が見えてしまいます。まだ全然手が付いていないようだけど(笑)首を長くして復活を待つ日々です。
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2024/08/04 18:24:23