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2024年08月12日

オペラ歌手じゃないほうのドミンゴ

オペラ歌手じゃないほうのドミンゴ  Domingo(ドミンゴ)と聞いてどっちを思い浮かべるか…三大テノールの話ではありません(笑)ここは自動車系SNSですので7人乗り繋がりで前回のTRAVIQ(トラヴィック)に続いてスバルのドミンゴのほうの話であります。1983年から1994年まで(意外にもロングセラー!)生産されたKJ型と1994年から1998年まで生産されたFA型の2世代にわたり発売された7人乗りキャブオーバーワンボックスワゴンです。ぺんこさんは2003年に新卒でスバルディーラーの整備士になりましたが、その当時でも現役で走っていた個体は多くいろいろと勉強させていただいた車種です。

 ご存知の通り軽自動車規格のサンバーの車体をベースにジャスティにも搭載されていたEF型と呼ばれる1.2ℓ(KJ初期型は1.0ℓ)3気筒エンジンを押し込み3列シートを乗せた魔改造したようなクルマで、非力ながらも山間部を走るには丁度良いということで根強いファンがいらっしゃいました。私自身も好きなクルマの一つで、特に初代KJ型は昭和~平成と時代を跨ぎながらも角目4灯ライトにカリフォルニアミラーやBピラー装着のサイドウィンカーランプ、5速MTのみの設定でしかもパワステ無しでトラックのような運転感覚が時代に取り残された侍のようで愛おしくもありました。FA型でグッと近代的になりましたが、バブル崩壊とRVブームの最中でやや時代遅れな部分もありヒットまではいかなかったもののニッチな需要を埋める名車であったことに間違いはありません。生産終了後に各社から新規格のセミキャブオーバー型軽自動車をベースに7人乗り乗用車が発売された事実を見るに、当時はその先駆けとして大きな影響を与えた存在であったと思います。

 運転でも使い勝手でも楽しいクルマなのですが、整備する側にいた身としては苦い思い出もまぁありまして、今回はそんなエピソードをブログに綴っていきたいと思います。今ならOUT!なこともありますが時効ということでよろしくお願いします。


♢牽引♢
 ディーラーに入社してまだ2年目くらいだったかと思います。ある日走行不能になったFA型のドミンゴ。工場長とともに客先に出向き引き取りに行ったのですが、走れないということで工場まで牽引していくことに。牽引するスキルに自信が無かったので私は故障したドミンゴに乗り引っ張られるほうになったわけですが、それはそれは地獄の時間でした。
 若い頃からスピード狂だった工場長がすごい飛ばすのです。国道4号線を80km/hで牽引して走られました。それで車線変更も繰り返され…、車幅が狭く背が高いせいかハンドル操作をしくじったらコテっとドミンゴが転びそうで命懸けで追従してました。エンジンも止まっているのでブレーキブースターも利かず急ブレーキをかけられたら追突必至です。
 無事に工場に到着してから工場長に猛抗議をしたのは言うまでもありません(笑)



♢ステアリングのセンターレバー♢
 ハンドル操作が利かなくなったというKJ型ドミンゴ。普通ならセーフティローダーで運搬するところなのですが、自走で持って来いとの指示。原因はギヤボックスとタイロッドを繋ぐセンターレバーという部品のブッシュ抜け。
 ハンドルを90度以上動かしてやっとクルマが曲がり出すくらいの挙動で、交差点を曲がるのも一苦労。これでまた流れの速い国道4号線を走り抜けてきました。この怖さは運転した人にしかわからないと思います。




♢クロスメンバー♢
 車検で入庫したFA型ドミンゴ。見積を取るために点検終了後、一度リフトから出したわけですが、駐車場まで走らせている間に操舵感に違和感が。ハンドルの操作に対してクルマの動きがワンテンポツーテンポ遅い。お客様宅から引き取りで走った時はそんな違和感無かったのに…。
 改めてリフトに載せて上げてみると、青ざめてしまいました。フロントクロスメンバーが腐食の進んだシャシフレームからボルトの付け根ごと剥離していたのです。私がリフトアップしたことで分離してしまい、再度接地させたら元に戻らなくなり車体と足回りの動きが一致しなくなり違和感となったわけです。この時点でクロスメンバーはストラットと操舵系で吊り下げられているような形でどこかぶっ壊れてもおかしくありませんでしたが幸いなことに無事でした。
 即上司に報告、相談。その後ココに持って行けと言われ或る民間工場へセーフティローダーで持ち込み。後日溶接でくっつけられて戻ってきて無事に車検も通しました。つーかそれ直せるんだぁと感心しながらも割と衝撃的な体験でした。


♢アラジン♢
 スバルの関連企業である桐生工業が手掛けた知る人ぞ知るキャンパー仕様のドミンゴ。FA型を架装し、ルーフがリフトアップしてそこで寝られるいう仕様でシンクや水道タンクを備えた8ナンバー仕様もあったとか。販売台数は282台でレアなドミンゴなのですが一度だけぺんこさんも触れたことがあり、キャンパー仕様なだけあってリヤフロアのエンジンフードを開けるのに一苦労した記憶が。めっちゃ舌打ちしながら作業していましたが、当時はそんなレアなクルマだとは知りませんでしたよ。



 
 扱ってみればいろいろと面倒臭いことも多々あるドミンゴですが、珍奇(?)なクルマばかりの個性輝くスバルの7人乗り、その中でもやはりドミンゴは傑作であると思うのです。後にトヨタシエンタやホンダモビリオなどが登場しコンパクト7人乗り仕様は完全な乗用車タイプに主流が移り安全性も整備性もグッと上がりましたが、キャブオーバータイプの面白さは現代のクルマにはない魅力があり夢がありました。

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Posted at 2024/08/12 22:06:02

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