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2024年01月22日 イイね!

エンジンオイル選びはACEA規格でおk。

エンジンオイル選びはACEA規格でおk。日本の売り場で日本生産のオイルばかりを目にしていると、API規格やディーゼルであればDL-1,DH-2位にしか目がいかないけど、本当に優れたオイルをオープンな情報の中で選びたければ、外国製品,そして出来ればACEAを取得したものを選ぶことになる。

ACEAはヨーロッパのオイル性能規格だけど、大雑把に言ってしまえばAPI規格の上位互換です。
逆に言えばそれくらい評価項目の質がより厳格。

ACEA規格については、360ルブリゾール.comで随時情報が更新されていますので、英語のページですが興味のある方は情報を漁ってみてください。

https://360.lubrizol.com/

また、最新のACEA規格については下記PDFをご覧ください。
具体的に基準数値が確認できます。

https://360.lubrizol.com/-/media/LZA360/Documents/ACEA-European-Oil-Sequences-2022-v2.pdf

今回のブログでは、ACEA規格における主要な評価項目について解説してみたいと思います。

ーーーーー

★★ 軽荷重エンジン規格 ★★
2021 ACEA Oil Sequences for Light-Duty Engines

ガソリンエンジン…A規格
ディーゼルエンジン…B規格
ディーゼルエンジン(DPF搭載車)…C規格

ーーーーー

√ 粘度について…

ACEAの場合は油温150℃時の粘度について基準が設けられてあります。
HTHSという名称なのでぜひ覚えておいてください。
よりシビア環境での評価値ですので、オイルに対する信頼性が担保されています。

もちろん数値が大きいほど油膜保持性能が高いということになりますが、粘度の低いオイル(0w-20等)では一般的に大きな数値は出せません。

各規格の数値は以下のとおり。

A3/B4 … 3.5以上
C3,C4 … 3.5以上
C2,A5/B5 … 2.9〜3.4
C5,C6 …2.6〜2.8

この数値こそが現実の油膜保持性能であり、ACEAでは粘度指数(VI)は規定していません。

日本メーカーでHTHSを3.5以上出せているオイルがどれだけあるでしょうか。。。

ーーーーー

√ SAPSについて…

・硫酸灰(Sulphated Ash)
・リン(Phosphorus)
・硫黄(Sulphur)

この3つを総合してSAPS(サップス)といいます。

これらはエンジンの保護性能とオイルの洗浄分散性に対して有効に働く一方、環境や集塵機(DPF)にはよろしくないということで、規格毎に各成分の最低値/最大値が定められています。

https://ja.avtotachki.com/sul-fatnaya-zol-nost-masla-na-chto-vliyaet-etot-parametr/

A3/B4やA5/B5規格はHi-SAPSと言って保護性能や洗浄性能が高い傾向にあります。

しかし燃焼で生じる灰が多いことから、DPF装着車のディーゼル車には使用を避けることとされています。

なのでDPF車用のC3やC2規格ではMid-SAPSと言って、A/B規格よりもSAPSを低く制限しています。
ちなみに以前のルノー車では更に低いLow-SAPSのC4規格での指定がありました。


一方で、SAPS(というか硫酸灰)がDPFにもたらす影響は実はそれほどでもなくて、むしろ悪影響の親玉は日本のDL-1,DH-2規格オイルによくある鉱物油(Gr.I)にあり、その中に含まれる鉱物油特有の不純物だとする言説もあります。

もしそうであればDPF装着車ほど化学合成油(Gr.III以上)を優先して使うべきだし、そもそもSAPSはエンジン保護や清浄性のために必要があって入れているものであって、悪者扱いするのは違うような気がします。

なので個人的にはエンジン寿命よりDPFを優先するのはなんだか本末転倒な気もします。
まぁDPFが詰まりすぎての故障も嫌ですけどね。

ちなみにDPFのすす詰まりについては専用の燃料添加剤で十分解決できます。
(BGのDFCプラスHPおすすめ)

BG DFC+HP
https://www.monotaro.com/g/05125367/

また最終的なアッシュ(石灰)詰まりについても、交換せずに洗浄で落とせるケミカルがBGから売られてます。

BG Diesel ISC
https://www.monotaro.com/p/7060/2797/


ーーーーー

√ 塩基価について…
(Total Base Number)

エンジンオイルの寿命を測る上で、とってもとっても大事な指標。
略してTBNと言うので絶対に覚えて。(もちろんオイルの寿命を決めるのはこれだけではないけど。)

これはオイルのアルカリ値を示す値で、劣化時の酸性化に対して中和する能力を示します。(オイルの劣化原因の一つは酸化です。)

日本のオイルメーカーでこれを公表しているところは本当に少ない。(そして実際の数値もしょぼい)

しかしACEA規格ではこれがしっかりと定められており、その中で最も厳格なのはA3/B4となります。

A3/B4 ... 10.0以上
A5/B5 ... 8.0以上
A7/B7 ... 6.0以上

C2 ... 無指定
C3 ... 6.0以上
C4 ... 6.0以上
C5 ... 6.0以上
C6 ... 4.0以上

傾向としては低粘度な低燃費オイルほど、どの性能も低くなります。

粘度指数だけでは何も評価できないという事です。


ーーーーーーーーーー

★★ 重荷重エンジン規格 ★★
2021 ACEA Oil Sequences for Heavy-Duty Engines

ディーゼルエンジン…E4,E7規格
ディーゼルエンジン(DPF搭載車)…E8,(E9),E11規格

このE規格は大型車向けの規格ですが、共通してロングライフ性能を重視しているようです。
したがって自動的にTBNも高めに設定されています。

ーーーーー

√ 150℃時粘度(HTHS)

→ 全規格において3.5以上


√ 硫酸灰,りん,硫黄(SAPS)

E4,E7…より高SAPS
E8,E11…低SAPS


√ 塩基価(TBN)

E4 ... 12.0以上
E7 ... 9.0以上
E8 ... 7.0以上
E11 ... 7.0以上


どの項目を見てもA/BおよびC規格の上位互換といった感があります。

E規格を取っている時点でHTHSは3.5以上が約束され、硫酸灰の数値の許容値もA3/B4より更に大きくなっています。

ちなみにACEAの中で最も性能の高いのがE4規格になりますが、現在のところ日本でE4規格のオイルを販売している所はないようで、手に入りません。欲しいぞ。

ーーーーー

というわけで、最後に一覧表にまとめてみました。


乱暴な結論として、

保護性能からみてもオイル寿命からみても、

「ACEA A3/B4の商品を選べば間違いない」

それくらい信頼性のある規格です。
(どうしても省燃費性を重視したい方はエンジン寿命を犠牲にしてC5,C6を選べばよろしい)

個人的には、乗用車であってもACEA E規格のオイルを使った方がよほどエンジン保護性能とオイル寿命が良くなるので良いのではと思ってます。



ACEA E規格に具体的に言及したサイトは(私の調べた範囲では)日本では見つからなかった為、これで皆さんのオイル知識を深める一助になれれば幸いです。

自分でも随時加筆・修正していこうと思いますが、読んでいて間違いや指摘がありましたらコメントでお知らせください。

以上よろしくお願いします。
関連情報URL : https://360.lubrizol.com/
Posted at 2024/01/23 01:27:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 勉強 | クルマ
2024年01月13日 イイね!

【驚報】恐ろしいエンジンオイルを見つけた。

【驚報】恐ろしいエンジンオイルを見つけた。ここ、みんカラでのブログや、ミカドオイルさんのブログなどでオイルの知識を深めたところで、私の中で結論は固まった。

『GTL(=gas to liquidの略。シェルではXHVIとも言う)ベースオイルで、かつ、ACEA認証取得』

もうこれで"絶対に"間違いない。
何よりACEA認証の信頼度が高い。

特にA3/B4であれば塩基価(TBN)も10以上と定めているので寿命も長い。
(試しにWAKO'Sのオイルの塩基価を見てみるといい。ディーゼル用含め、塩基価が10を超えているオイルはない。)
https://www.wako-chemical.co.jp/global-image/units/upfiles/404-1-20230907092501.pdf

ーーーーー
昔、約20数年程前に空冷VWビートルに乗ってて、チューニングエンジンでサーキット走行が趣味だったのですが、当時もやはり色々とオイルを(多分10種以上は)試してみてはいて、その時に辿り着いた、性能もコスト面も文句無しなオイルが「シェル ヒリックスウルトラ5W-40」でした。

↑当時は紙パックの1L入りで、1600円/Lで買ってました。

空冷エンジンでチューニングエンジンでサーキット走行で、油温が130℃超えるのも珍しくない状況でも、3000km交換時まで全くフィーリングの変化がなかったのはこのオイルだけでした。


↑当時、自宅の岩手〜埼玉(524km)まで自走で行き、サーキットを全開走行した後にその日のうちにまた自走で帰るという鬼のようなスケジュールで遊んでました。


しかもシェルヒリックスウルトラはPAOでもエステルでもないベースオイルですから、旧車にも安心。
我ながら当時の時点で最適解に辿り着いていた自分を褒めてやりたい。

ーーーーー
そんな昔話はさておき、本題のタイトルの件。

amazonでオイルを眺めていた所、目を疑うような文言をパッケージに書いたオイルを発見しました。

「15年もしくは50万マイル保証」



シェル ロテラ T6 5W-40
https://amzn.asia/d/iz1QCR3


ターゲット層からディーゼル用オイルという事で書いてありますが、当然ガソリン車であろうとも何ら問題はないでしょう。

それにしてもあろうことか訴訟大陸アメリカにおいてこの常識外れの謳い文句で販売できるのは、相当な自信の現れですね。

価格はリッター4,000円超えるけど、その長すぎるロングライフ性能を考えれば圧倒的に財布に優しい。
amazonの評価も☆5ですね。(アメリカ人ばかりのようだけど)

うちで所有の車たち(特に自家用バス)に入れたくなりました。

ーーーーー

このロテラ T6、ACEA規格でE9をとってあるんだけど、調べても最新2022でもE9というのが分からなかった。
E4,E7,E8,E11はあるけどE9が無い…。

https://www.acea.auto/files/2022-ACEA-oil-sequences-heavy-duty-engines.pdf

でも上の表から見るに、Eの規格ではHTHS(油温150℃時の油膜強度)が3.5以上と定めてたりとかなり厳しいハードルを設定しているあたり、他の数値からも察するに要求レベルはかなり高い。

ーーーーー

エンジンオイルの世界は、MSDSシートの中身が分かるようになってからが本番。
CAS#(キャスナンバー)の数値が何であるかを読み取れるようになると、もうGTLオイル以下のエンジンオイルはコスパが悪くて使う意味を感じなくなる。

それを教えてくれて一つ上のステップに上げさせてくれたここみんカラの存在には本当に感謝。
Posted at 2024/01/14 01:54:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | 勉強 | 日記

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