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2025年10月14日 イイね!

数値は高ければ良いというものではない。

数値は高ければ良いというものではない。日本のオイル規格と比べて欧州のACEAでは全体的に厳し目な印象がありますが、その中で塩基価は特に目を引く数値の一つです。

酸価とは文字通り酸性の値。
塩基価はその逆で、アルカリ性の値を指します。

ではなぜオイルの塩基価の最低基準を定めているのか。



燃料は爆発(燃焼)した際に窒素酸化物(NOx)を生み出すのですが、これがおそろしく酸性を示します。

その燃焼ガスは100%排気されるわけではなく、一部はピストンリングを吹き抜けてクランクケースに入り込みます。

これをブローバイガスと言います。

ブローバイガスはオイルを酸化させる為、それに耐えられるようにオイルにはあらかじめアルカリ性を持たせておく必要があります。

それを「塩基価」として評価しているのです。

つまり塩基価が高ければ高いほど酸化に対する耐久力が高いことを意味するので、長寿命と言えます。

でも市販の高性能オイルを見渡しても高くて12程度。
それ以上に数値の高いオイルは(一部ディーゼルオイルを除いて)なかなか見当たりません。

ちなみに塩基価を上げるのは非常に簡単な話で、過塩基性の清浄分散剤(スルホネート等)を入れるだけです。

ただそれだけで塩基価はどこまでも上げられます。
そんな簡単な話で長寿命をアピールできるはずなのに、どのオイルもそこまで極端な塩基価をもたせる事はありません。(マリン用オイルは別ね)

なぜか。

ベースオイルと違って添加剤の組み合わせは、あちらを立てればこちらが立たずの"綱引き"の関係だからです。

清浄分散剤(スルホネート等)の過剰添加によるデメリットとして、
●灰分による燃焼堆積物増加(特にLSPIリスク)
●触媒への悪影響(特にDPF)
●金属表面の膜生成による競合(モリブデンや高極性ベースオイルや極圧剤等)

…と、軽く考えただけでこれらの副作用が挙げられます。

*

先程書いたように添加剤は綱引きの関係性なので、開発者としては「できるだけ少ない配合でより高い効果を出したい」と考えます。

塩基価の確保が酸化防止(寿命延伸)を目的としているなら、高塩基価にするだけでなくとも酸化防止剤もあるし、油膜等でのブローバイ抜け抑制というアプローチだってあります。

各方面からアプローチを取ることで各添加剤の配合率を小さくでき、競合問題へのリスク分散を図ることができるのです。



同様の話で粘度指数についても同じことが言えますね。

塩基価みたいに、粘度指数も上げるにはポリマーという素材を入れればいいだけなのですごく簡単な話です。

でも(一般には)極端に上げたりはしない。

なぜか。

色んなデメリットがあるから。

この話は以前のブログ「粘度指数の捉え方(参考)」でも書きましたが、結論だけまとめると、

●ベースオイルの粘度指数は高いほど優れているが、
●製品としての粘度指数が高すぎるやつは低性能

と思って差し支えないです。

どの世界にも通じることやが…



て事ですね。

表面上の数字だけで捉えたがるスペック厨は卒業しましょう。
関連情報URL : https://verior-oil.org/
Posted at 2025/10/14 21:46:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年08月08日 イイね!

【物は試し】GR Endurance 0W-20 にオイル交換

【物は試し】GR Endurance 0W-20 にオイル交換先日のブログで、コメントにてGR Enduranceをぜひ一度使ってみてほしいというお話があったので試しに買ってみた。

本当はかみさんのBクラスに入れるつもりだったけど、オイル容量が5.2Lあるのに対して、GRのオイルは1L単位で売ってないのでめんどくさくてやめた。

代わりに私が普段乗っているエディックスの方に入れることにしました。
BE3 20Xなので、ちょうど4Lでぴったし。
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とは言え、こないだ6月に交換したばかりだし、1年使い続ける予定なので、抜いたオイルは容器にとっておきました。
どうせGRオイルの方は寿命短そうだし、そしたらまた後で使おう。

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あ。そういえば生まれて初めての0W-20だな。

このオイルを使ってみての使用レビューはこちら。
https://minkara.carview.co.jp/userid/3602924/blog/48608810/

- - - - - - - - - - - - -
次に家内のベンツBクラス(W246)も交換。
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こっちは去年の6月に交換していたので、1年2ヵ月経ちました。
距離数は大したことないけど、めちゃくちゃチョイ乗りが多くて(特に冬場は)超シビアコンディションだったと思います。
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抜いたオイルは…?
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ちゃんと粘り気あるし色も大して黒くないな…。
なお、使っていたオイルはShell Rotella T6 5W-40でした。


んで今回入れ代えるオイルは、当然自分が製造・販売しているVeriorです。
ベンツで純正指定が229.5(5W-40)なのですが、Veriorのベースにしているオイルもその認証が取れているので同程度以上の性能です。
Posted at 2025/08/08 13:51:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | クルマ
2025年08月02日 イイね!

粘度指数の捉え方(参考)

粘度指数の捉え方(参考)私のブログを読むような方であればオイル選びの際には商品スペックにも目を通していると思いますが、その一つが粘度指数ですよね。

聞き飽きているかもしれませんが、粘度指数について簡単に説明すると、「温度による粘度変化」を示す値になります。

単純に、粘度指数の値が
低い → 低温で硬く、高温で柔い
高い → 低温で柔く、高温で硬い
と捉えることができます。

下のグラフを基に言うと、「粘度指数が高いほどグラフが平たくなって粘度が安定する」ということです。


ただしこれは基準値から見た話ですので、例えば20W-50のような硬いオイルは、粘度指数が高くても低温時はそれなりに硬いですので、「絶対的ではなく相対的な指標」という意味合いです。



┃粘度指数がずば抜けて高いオイルは高性能と言えるのか?



エンジンオイルは低温時に柔らかいほど良く、高温時に硬いほど良いわけですが、それを実現するための代表的なアイテムが「粘度指数向上剤」、つまり高分子ポリマーです。

低温時にはオイルの流動性を妨げず、逆に高温時には流動性に抵抗をもたらすという、なんとも(良い意味で)都合の良い性質を持っています。



「じゃぁ粘度指数が軒並み280~310なんていうとびぬけた数値を持った某純正GRオイルは超最高じゃないですか!」

「…あれ? GR純正でもNA用のCircuitは粘度指数310だけど、ターボ車用のEnduranceは165しかないぞ。」

「より厳しい環境で使うターボ車用オイルの方が粘度指数が低い。よく読んだらノンポリマー処方って書いてる。しかもこっちの方が高価。」

「なんで粘度指数高い=ポリマー足した方が安いの? つーかなんで310とかまで粘度指数を求めたの? じゃぁ165だと低いの?高いの?なんかよく分からんくなってきたぞ?」

GRオイルに限らず、粘度指数に関してこんな感じのことを思った方も多くいるのではないでしょうか。



┃粘度指数向上剤のデメリット


前段で書きました。「粘度指数は相対的な指標」だと。
あくまで基準値からどれくらい変化するかという指標。

基準値...。

そういえばベースオイルの区分のグループI、グループII、グループIIIとかって、何の要素で分けられてましたっけ?

はい、粘度指数ですよね。

(引用:AZ)

グループVは別として、ベースオイルの性能を決める一因は「粘度指数の高さ=性能の高さ」と言えます。

なぜなら最初に書いたように、粘度指数の高さは粘度の安定性の高さだから。

でもそれは素材(ベースオイル)での話。

粘度指数向上剤を使って数値を上げるのは話が別。

なぜか。

粘度指数向上剤にはデメリットがあるから。

1.ピストン運動によってせん断される
 →効果が無くなる=粘度指数が低下する

2.高温で酸化・分解する
 →分解生成物がスラッジ(汚泥)になる
  →スラッジを処理するために清浄分散剤の消耗を早める
   →オイルの寿命を縮める

3.その添加分がもったいない
 →粘度指数のためだけに、ものによっては10%前後かそれ以上添加されているので、もし少量or無添加にできればその枠を別の物に使える


なので、デメリットを消すためには初めから粘度指数の高いベースオイルを使えばそれ以上はあまり上げる必要がない。

高価なオイルほどSDSを見ると添加剤割合が小さい理由もそれ。

粘度指数向上剤の劣化による性能低下の懸念が無くなればオイルの寿命も伸ばせるし。

逆に粘度指数の低いベースオイルを使っている場合は補うためにどうしても粘度指数向上剤が必要。
なぜなら、劣化を見込んでも一定期間はマージン(安全率)を確保しておきたいから。



私は高耐久であることが良いオイルという価値観を持っているため、短期間交換を前提としたオイルには興味がありません。

その意味で、新油時の評価値としての粘度指数やHTHSはほとんど気にしなくなりました。

もし公的に劣化試験が義務付けられてその評価値が出るようになれば、もっと業界のレベルも上がる(底上げされる)だろうにね。
Posted at 2025/08/02 05:27:18 | コメント(2) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年06月14日 イイね!

エディックス(BE3)をVerior 5でオイル交換

エディックス(BE3)をVerior 5でオイル交換前回のオイル交換(2024.6.22)からそろそろ丸1年を迎えそうなので、交換しました。


なお、1年前の交換時に入れたオイルはShell Rotella T6というめっちゃ高価で長持ちするようなオイル。


抜いたオイルは別に真っ黒なわけでもなく、赤茶色でした。見た目だけならあんまり劣化進んでなさそうに見える。

ちなみに、「よく汚れるオイルは清浄性が高い証拠」ってよく言う人いるけど、高性能(≒高価)なオイルを使ってる人ならそんなに汚れない事をよく知ってるはず。

むしろ安オイルほどよく汚れ、良オイルほど汚れづらいというのが現実。

分散性の違いかな?
スラッジの分解能力が低いとスラッジが塊になって黒いのが目立つようになるから。

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んで、新しく入れるオイルは当然、自分トコのVeriorです。

ちょうど配合比率を見直してラインナップをフルモデルチェンジしたところだったので、使うにはちょうどいいタイミング。

今回入れるのはGTLベースのオイルにアルキルナフタレンとひまし油エステルをそれぞれ5%ずつ添加した、Verior 5の5W-30

↑二硫化タングステンも添加(標準)されているので色は真っ黒。


自分で製造・販売しながら顧客の声も聞いているけど、アルキルナフタレンとひまし油エステルはどちらか片方でも5%も入っていれば十分なほどに体感できるくらい滑らかになる。
あとは寿命とか熱耐性とかに応じて配合率を増やすのは自由。

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ほんで乗ってみたけど、この一年間Rotellaが5W-40だったのもあるけど、今回の5W-30は本当に軽快。

         40℃動粘度  100℃動粘度
Shell Rotella T6   90     14.9
   (5W-40)
Verior 5      52.36    9.56
   (5W-30)

調べてみたら低温側の固さがこんなに違うんだもの、そりゃそうだわなぁ。
加えてアルキルナフタレンとカスターエステルのコンボでさらに潤滑性能アップだし。

燃費も上がるのかなぁ。
関連情報URL : https://verior-oil.org/
Posted at 2025/06/14 15:14:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | クルマ
2025年04月09日 イイね!

チェンソーの2stエンジンに、二硫化タングステン&エステルを添加しちゃう

チェンソーの2stエンジンに、二硫化タングステン&エステルを添加しちゃうわが家の暖房器具は薪ストーブ。
てことは、「毎年の薪の調達」というミッションももれなくセットで付いてきます。

うちの実家もそうですが、わが家の近辺はりんご農家ばかり。

木が歳をとったので切り倒す。
病気になったので切り倒す。
家族が老齢化したので作業量を減らすために切り倒す。
もう農業からは足を洗うので切り倒す。
等々、、、

様々な理由で毎年どこかしらからもらうことができて、なんだかんだで11年が経ちました。
( ノ´∀`)ノアリガタヤー

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てことで今日もりんご畑に行ってチェンソーで枝打ちしたり玉切りしてたのですが、ふと思いました。

(゚Д゚).o0(チェーンオイルに二硫化タングステン添加したら良さ気じゃね?)

(゚Д゚).o0(そういえばひまし油って昔は2stオイルに使われてたんだよね。うちのひまし油エステル添加してみっか?)

ちょうど汎用の注油用として少量作っていた”ひまし油エステル+WS2”の潤滑油があったので(超高級やん)、これをチェンソーに添加しながら使ってみた。



チェーンオイルにはもちろん添加するし、


混合油にも添加しちゃう。(少量ね)


そしたら…

おお、チェーンの回り(滑り)がめちゃめちゃスムーズになったよ!

そして心なしかレスポンスが良くなって吹け上がりが鋭くなったよ!



なお、ひまし油を2stオイルに使うと白煙が発生します。
今回は極少量の添加だったので煙も薄かったけど、要は燃えてないってこと。
それもそのはずで、そもそもひまし油は引火点が高くて燃えづらいのです。

伊藤精油 精製ひまし油
https://www.itoh-oilchem.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/%E7%B2%BE%E8%A3%BD%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%81%97%E6%B2%B9-%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%82%99-.pdf

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ところで、非推奨ですが裏技の紹介。

今回チェンソーの燃料に投入したように、粉末の二硫化タングステンは(自動車の)燃料に添加してもシリンダー壁等に保護膜を生成してくれるので、オイルに添加したときと同様に機械的摩擦から保護してくれます。

二硫化タングステンのトライボフィルムの生成条件は高温or高圧なので、燃料添加の方が実は即効性が高いです。
燃焼室での爆発時の温度と圧力は半端じゃないもんね。一瞬で保護膜生成完了します。

ただ、オイルだったら内部でいつまでも循環してくれるけど、燃料添加だと使い捨てになってしまうので非常にもったいないという。

あと、もしかしたら触媒になにか悪影響あるかもしれないし、燃焼になにか悪影響があるかもしれない。

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今回使用した添加剤たち

二硫化タングステン…https://www.verior-oil.org/product-page/ws2

ひまし油エステル…https://www.verior-oil.org/product-page/castor-ester
関連情報URL : https://verior-oil.org/
Posted at 2025/04/09 21:54:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | オイル | 日記

プロフィール

「[整備] #アトラス [F24日産アトラス]デフオイルとミッションオイルとトランスファーオイル交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/3602924/car/3771507/8417391/note.aspx
何シテル?   11/01 11:18
夫婦と息子で3人暮らし。 岩手県で住宅会社をしています。 2025年からオリジナルのエンジンオイルの製作・販売を始めました。 https://verio...
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