セル子さん、いつもありがとう

シートに座ると、いつもの心地よさ。
長旅で身も心も疲れた僕を癒してくれる。

セル子さん、いつもありがとう。

そして、ふと思う。
なぜセル子さんはこんなに尽くしてくれるのだろうか、と。

もし、
もしも、それがアル子さんから引き継がれたものだとしたら…

彼女は身を呈して僕の命を助けてくれたのに、
僕はそれに対してなにも答えてあげられていないのに…

そう思ったら、ふと熱いものが込み上げてきた。

もう、アル子さんに返してあげることはできないから、
精一杯セル子さんに返していこうと思う。