2016年07月26日
先週の木曜日、
我がコーヒーの淹れ方の師匠であるみまつのマスターとゆっくり話ができた。
最初は、淹れてもらったイブラヒム・モカをきっかけに、
自分が熊本に住んでた頃に通ってたカフェでバニーマタルを売り出していたと話すと、
イエメンモカは為替の関係上仕入れ値が高くなって云々という話になり、
少しイエメンモカの話で盛り上がる。
その後、熊本のカフェのマスターが、
湯布院のボンボヤージュのマスターから焙煎を教わったという話をすると、
みまつのマスターが懐かしそうに、
「ボンボヤージュさんが店を閉めてからもう4年ぐらいになりますかねぇ…」
と、言った。
なんでも、みまつのマスターと、木馬のマスター、別府の青山珈琲舎のマスター、
それに、ボンボヤージュのマスターは仲が良いらしく、
ボンボヤージュを閉めるとなったときに、ねぎらいの食事会をしたのだそうな。
ちなみに、熊本在住時代にタオカフェのマスターから話を聞いたことをきっかけにして、
ボンボヤージュに行ったことがある。
行きつけのカフェのマスターが師と仰ぐ方のコーヒーは、
一度味わっておかねばなるまい、と思った次第だった。
そのお店が今はないとなると、寂しさを禁じ得ない。
意外にも奇妙な縁で、この4人のお店に1回は行っていたのである。
世間は狭い。
その翌日の金曜日、今度は木馬に行った。
木馬が豆売り期間に入っていたのは承知の上で、
アイスコーヒーブレンドを買うのが目的だったのだが…
結局、マスターが自分用にと試しに淹れたというモカ・マタリをいただいたり、
面白いのが入ったんですよ~と、マラウイのゲイシャミックスをいただいたりした。
なお、ゲイシャは豆の種類(本来はゲシャ種というらしい)を指すので、
コーヒーでゲイシャという名前を見かけても、
「オ~、フジヤ~マ、サムラ~イ、ゲイシャ~」とかテンションを上げてはならない。
そこでは、淹れていただいたコーヒーの話はもちろんだが、
コーヒーの雑味について興味深い話をうかがえた。
みなさん、エスプレッソという飲み物はご存じだろう。
コーヒー豆を細かく挽き、圧力をかけて一気に抽出するコーヒーのエキスのような飲み物だ。
このエスプレッソ、
とかく「苦い」「濃い」というイメージを持たれがちだが、
実は「深い」飲み物でもある。
これまでのブログでコーヒーの淹れ方について、
自分なりに身に着けた知識を書いてきた。
その中で豆の挽き方についても書いたことがある。
コーヒー豆は、細かくすれば香味が出やすいものの雑味やエグ味も出やすく、
荒くすれば香味はゆっくり出るが、雑味などを抑えやすい。
すなわち、エスプレッソはエグ味、雑味バッチコイな抽出方法なのである。
なお、某大手コーヒーチェーンで豆を挽いてもらうと、
エスプレッソ用かな?と見紛うほど細かく挽かれてしまうが、
それは店頭の豆の鮮度が悪く、湿気の吸収等によって香味が出にくくなっているため、
あえてあのように挽いていr…おや?こんな夜中に誰か来たy(ry
閑話休題(コンティニュー)
ともかく、エスプレッソ用の粉は細かい。
しかし、エスプレッソはエグ味も雑味もウェルカムなのである。
コーヒーを淹れる際に出る泡、あれはアクや雑味の宝庫である。
通常、ペーパードリップをする時は、泡を消さぬよう、落とさぬように気を使うが、
エスプレッソはそれがカップの中に入ってこそ本物なのである。
あの泡をクレマと言って喜ぶのは、それら雑味まで含めて味わうからなのだそうな。
実に深い。
ちなみに、某レギュラーソリュブルコーヒーのCMで、
クレマが香るというフレーズが出ているが、
あれはインスタント化する際に一緒に封じ込めたマズいものの塊であるたm…おや?こんなよふk(ry
閑話休題(コンティニュー)
…なお、この話になったきっかけは、
木馬への行きがけにコンビニコーヒーを買った際、
ドリッパーから最後に絞り出されてくる泡を見て、
「師匠だったらこの泡が入るのは許さないんだろうなぁ」と思ったと話したことである。
同じコーヒー豆から抽出する飲み物であるのに、
スッキリとした雑味やエグ味の少ないものを貴ぶ場合もあれば、
まるで焼き魚のワタの苦味を楽しむかのように、アクの雑味も楽しむ場合もある。
そういう意味で、エスプレッソは深い飲み物である。
また、珈琲豆卸の裏事情についてもいろいろ教わった。
…いや、聞いてしまったと言う方が良いだろう。
結局、日本人はブランドに弱く、
スペシャルティと銘打ってしまえば、多少高くても金を出してありがたがるものである。
それがうまいかどうかは関係ない。
値段、ブランド、それがすべて。だからこその「値打ち」である。
これも前のブログで書いた気がするが、
現在日本の一般に出回るブルーマウンテンは、
価格こそ超一流だが、豆の品質自体は中流以下という有様らしい。
でも、豆自体が出回らない。
だから、ブランド名の飢餓感を煽られた民衆は、
そんなイマイチな豆でも群がる。
空腹にマズいものなし、である。
こんな話を書いていると、
ウエシマ=サンあたりからの刺客が送られてくるかもしれない。サツバツ!
なんでこんな話になったのかというと、
木馬のマスターが、とあるドラッグストアで98円の1Lアイスコーヒーが売られてるのを見たから。
あの価格で出せるのは、本当に驚きしかないらしい。
ちなみに、木馬のアイスコーヒー1Lのお値段は1野口をやや切るぐらいである。
豆の原価からすると、それぐらいになるのだそうな。
普通にホットでも香味抜群な豆を、
あえてアイス用にブレンドして作っているのだからしかたない。
通常、アイス用の豆は、0円食堂行きのものが混ぜられているらしい。
今もどうだかはわからないが、一昔前はそんな有様だったそうな。
そもそも、アイスコーヒーは香りを感じにくい。
同じ豆、同じ挽き方で、淹れたそのままのホットと、
氷の中に落としたアイスを比較すれば、その香りの強さは一目瞭然である。
ゆえに、アイスコーヒーはごまかしがきく。
香りなどなくてもかまわない上に、
冷たいので舌もきかない。
多少苦くて色が黒ければ、アイスコーヒーの要件を満たすのである。
つまり、作り方の不明なアイスコーヒーは、
何がされているのかよくわからないということ。
コーヒーを飲む諸兄は、今度確認してみてほしい。
コンビニのドリップコーヒーのアイスと、
缶コーヒーのアイスの香りの違いを。
豆を1回ごとに挽いている機械は、ごまかしがきかない。
でも缶は……そういうことである。
なお、最近は缶コーヒーでも挑戦的に
「〇〇産◇◇豆使用」とか書いているものがあるが、
それらしい香味を感じたことはない。
当局に捜索願を出したくなるぐらいである。
もしくはJAR〇へ通報である。
話がまとまりを欠いてきたので、このあたりでしめよう。
なお、ブログが突如更新されなくなったり、
書いている内容が以前と変わってしまったりした場合、
とある筋からの刺客によって消されたと思ってほしい。
Posted at 2016/07/26 00:22:26 | |
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