2016年11月06日
経済学の尻尾のかけらを煎じて飲んだ者として、
今の資本主義の状況には興味があるので、
場違いなことは重々承知の上で書いてみむとてするなり(紀貫之並感
資本主義経済とは、
「資本」を中心とする経済体制なのです。
資本とは、
「資産から負債を引いた残り」であり、
「自分が投資に使えるお金や経済的な価値」ということでもあります。
この2つ目の意味が大事なんですな。
これをものすごく乱暴に言い換えれば、
「パチンコや宝くじや馬券につぎ込んでも平気なお金」ということです。
サイフの中に野口が1人しかいない人と、
諭吉が20人ぐらいいる人とでは、
勝負できる回数が違いますな。
つまり、
資本がある人はない人よりもお金を稼ぐことができるわけです。
お金がない人は、それができない。
これが格差を生む理由の1つです。
さらに、もう1つの理由は、
「世界の富は限りがある」ということ。
お金は無尽蔵に生み出せるわけじゃないんです。
印刷すりゃあいいじゃないか、と言いますが、
世の中ってのはよくできていて、
お金が多く出回ると、その分お金の価値が下がるのです。
こいつは風が吹けば桶屋が儲かるって話に近いのですが、ざっくり説明すると次のとおり。
紙幣が増える → 政府かどっかが今までより金を使う → 市中に多くの金が出回る →
→ 一時的に売上が上がる → 給料が上がって家計が金を使うor企業が会社のために金を使う →
→ 需要が増える → 品物の値段が上がるから、相対的にお金の価値が下がる
つまり、お金は品物と交換できるから価値があるのであって、
お金そのものが腹を満たしたり、ケガを治したりしてくれるわけじゃない。
で、その価値を持つ品物自体は有限である。
品物が有限である以上、交換するならより大きな価値と交換したい。
そうなると、1,000円で買ってくれる人より、2,000円出してくれる人に売る。
だけど、完全にそうなったらいろいろ不都合なので、
そうならないように紙幣の流通量を規制しているわけです。
そうなると、お金の量、すなわち資本の量もだいたい制限されてしまうわけで、
今のところ資本を持っていない人が持ちたいと思うなら、
持っている人から何らかの手段で渡してもらうしかないんですな。
今のところ誰のものでもないような品物であっても、それが有限である限り、
最初にそれを確保した人の勝ちです。
昔は世の中にそれほど品物があふれていませんでしたから、
多くの人が発明し、それが出来た人は成功を収めました。
今やモノがあふれている時代。
昔のように新たな価値を生み出すのは難しくなっていますから、
アメリカンドリームなんてクソくらえ、と言われるわけですよ。
こうなってくると、今すでに資本を持っている人から富を再分配してもらわないと、
格差はなくなりません。
でも、世の中を牛耳っているのは、こうした資本を持っている人だから、
自分の資本をばらまくことなんてしませんわな。
それじゃあテロだ戦争だ、と言っても、
それで犠牲になる資本家がどれくらいいるでしょうか。
格差をなくすにはほとんど意味を成しません。
さーて、どうしたもんですかのぅ。
Posted at 2016/11/06 11:49:03 | |
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