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ウッキーさいとーのブログ一覧

2008年10月11日 イイね!

裏道あるいは旧道?

裏道あるいは旧道?気がつけば10月も中旬に入ろうとしています。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今月ボクが何をやっていたのかというと、雑誌のロケと原稿書きで汲々としていたのでした。…いや、まだブログ書いてる暇があったら原稿書け!! って言われそうな状況なんですけど(^_^;)

そんな中、A3スポーツバックに乗ってきました。
上の写真は、ちょっと早めに試乗会場に着そうだったので、真鶴道路を先まで行ったところ、工事で対向車線が大渋滞。あわてて山の中腹を走る裏道に入って行くと、こんな道に出たのでした。
この界隈を頻繁に走る人には良く知られた道なのかもしれませんが、景色が良く、気持ちのいい道でした。


さて、A3スポーツバックです。
A3スポーツバック

各部のブラッシュアップとエンジンの変更が行われています。

2・0TFSIクワトロ=2リットル直噴ターボ 200馬力/28・6kgm
1・8TFSI=1・8リットル直噴ターボ   160馬力/25・5kgm
1・4TFSI=1・4リットル直噴ターボ   140馬力/20・4kgm

というラインアップ。
試乗したのは2・0TFSIクワトロのSラインとグネティックライド付き。それに1・4TFSI。

1・4TFSIは、直噴の性能を遺憾なく発揮したとても優れたエンジンです。1・4リットルエンジンとは思えない動力性能を持っています。
もともと直噴エンジンというのは、耐ノッキング性能に優れているんだそうです。
そのため高圧縮比でターボを使えるんです。

どういうことかというと、ターボは過給器で圧縮した空気とそれに見合った燃料をシリンダー内に送り込みます。簡単に言うと、例えば1・4リットルのエンジンに2リットル相当の混合気を詰め込んで燃焼させるために、排気量以上のパワーやトルクが出るわけです。ただし、圧縮比が高いと異常燃焼(ノッキング)を起こしやすくなるので、それを防ぐために自然吸気エンジンよりも圧縮比を落とすのが一般的です。


ちなみにノッキングというのは、チリチリチリ…といった高音の金属のこすれるような音やカリカリ…といった音がします。これは異常燃焼によって起こる燃焼衝撃波がピストンやシリンダーを叩く音なんです。
クルマが極低速でスムーズに走らずガクガクとなってしまうのをノッキングと勘違いしている人がいますが、これはスナッチングと言い、まったく違うものです。


話を元に戻すと、直噴エンジンと言うのは、文字通りシリンダー内に直接燃料を噴射するためだと思うのですが、ノッキングが起こりにくい特性を持っているんです。そのためターボ車でも比較的高圧縮比でエンジンを回すことができるんです。

それの何がいいのかというと、圧縮比が高くできるということは、エンジンの爆発力がより強く引き出せるので、エンジン自体のトルクが高く保て、またエンジンピックアップ(≒レスポンス)が良くなります。それと同時に、排気圧力が強くなるので、同じタービンサイズなら、より低回転からターボを回したり、過給圧(ブースト圧)を高く設定することができるわけです。


1・4TFSIはそうした直噴エンジンのメリットを生かして、わずか1・4リットルの排気量で、まるで2リットルエンジンに匹敵するパワーやトルクと、レスポンスの良さを持っているのです。

まあ、これはアウディに限らず、フォルクスワーゲン・ゴルフ系の1・4TSIエンジンも同様ですけど…。

しかも燃費もいい。10・15モードで15・8km/L。7速Sトロニックが組み合わされています。2つのクラッチを持つ2ペダルMTです。まるでATのようなスムーズさを持っています。しかもトルコンがないので、エンジンパワーがダイレクトに駆動輪に伝わるので、パワーやトルク感が明瞭でとてもスッキリしたエンジンフィールがあります。100km/h時で7速2000回転ほど。高速なら20km/L近い燃費が期待できると思います。


そんなわけで、力強くしかも乗りやすいクルマでした。

個人的に気に入ったのは2・0TFSIのSラインでした。
Sラインだけにスポーティな引き締まったセッティングなんですが、突き上げの角が尖っておらず、歯切れのいいスッキリした乗り心地になっていました。
サスペンションがかすかに動くような領域でもきちんとダンパーが効いていて、クルマにアソビのような動きがでないんです。
しかもハンドルを切ったときの応答性が穏やかなので、クルマがピクピク動かないんですね。非常に落ち着いた乗り味になっています。

パワー&トルクも200馬力/28・6kgmありますから、十分に速いと感じる加速性能を持っています。

そうそう、4WDはハルデックスカップリングを使ったクワトロシステムで、このハルデックスカップリングは例の第4世代が使われているそうです。

試乗しても、ほとんど常時4WDになっている印象で、抜群のリヤの安定感があります。


マグネティックライドはどうだったかって?
こちらは更にスポーティな走りを楽しみたい人向き、あるいは超高速巡航をしたい人向き……です。

乗り心地はかなり硬めです。
ノーマルモードでSラインのスポーツサスよりいくらか硬めに感じます。実際には同等くらいなのでしょうが、荒れた道を走るとマグネティックライドが効いて減衰力を硬めにするので、そんな印象になるのだと思います。

スポーツは、激しくワインディングを攻めるときや、100ん十キロで高速道路を走るとき…つまりアウトバーンを走るようなシチュエーションに向いているといえます。
乗り心地は硬めなのですが、その分ステアリングの応答がしっかり出るので、例えば障害物回避のような場面では明らかにアドバンテージがあると思います。
なので、ハイスピード志向、スポーツ志向の人には向いていると思います。
ただクルマの素性の良さがよりよく感じられるのはSラインではないかと思いました。試乗していないので断言は出来ませんが、2・0TFSIに標準装備となるスポーツサスも良さそうです。

TTもそうなのですが、今回TT、A3スポーツバックのクワトロシステムに採用された第4世代のハルデックスカップリングは、限りなくトルセンセンターデフを使った50対50のクワトロシステムに近い動きをするようにセッティングされていて、高い印象点をつけられると思いました。


気になったところでは、ブレーキが挙げられます。
制動力自体はまったく問題ないのですが、下り坂で、150キロくらいから踏力を一定にして0・6Gくらいのブレーキングをしたとき、パッドとローターの間にガスが入ってしまって制動力が微妙に変化するような感触が出るんです(非日常的な使い方ですけど)。
たぶん、もう少しスポーツ性の高い硬いタッチのブレーキパッドを使うと、こうした状況でのフィ-ルは改善されると思うのですが、乗用車としてのブレーキペダルの踏み応えと扱いやすさを考えると、あまり硬いタッチのブレーキは普段使いにくくなる可能性があるので、一概にどちらがいいとはいえません。
ブレーキパッドに関しては、パッドの材質や特性によって、特に低温時の効きなどにも影響するので、そのあたりも考慮しなくてはいけないところが難しいんですよね。








Posted at 2008/10/11 06:29:50 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2008年06月22日 イイね!

電気自動車の実力

21日は、西那須野~福島市を目指します。

本日の担当はR1e。
那須ICから東北道に乗り白河ICまで。

そこから一般道ってことになるんですが、はっきり言って軽自動車よりもはるかに乗りやすいです。

モーターは低回転域のトルクがあるので、発進がとても楽なんです。
しかもエンジンがありませんから、唸るようなエンジン音もなし。
スーッと滑らかに、しかも力強く加速していきます。

さすがに100km/h巡航をやると電費(ガソリン車の燃費です)は悪くなりますが、70から80キロくらいだとさほど燃費は悪くならないみたいです。

実際に走り出す前はエアコンは使えないんだろうな…と半ばあきらめていたのですが、EV用エアコンは、改良が加えられかなりエネルギーロスが少なくなっているんです。普通の乗用車のエアコンの半分くらい。だからエアコンをかけっぱなしでも実走行距離はさほど落ちません。

一般道や高速道路を走って、改めて感じたのは、エンジン車とはぜんぜん違うドライブ感覚だということ。

高速道路を走っているときはタイヤの音と風切り音だけで、いたって静かです。まるで高級車に乗っているみたい。しかも軽自動車よりもモーター+バッテリーで車重が重くなっているので、乗り心地もいいんです。サスペンションも車重アップに合わせて多少チューニングしているみたいなんですが、軽いクルマ独特のヒョコヒョコした動きがなく、スイーッとスムーズに進んでいきます。

操縦性は、細いタイヤを履いてるのでそれほど優れたものとはいえませんが、それでもタイヤはサイズの割りにグリップがいいし、重心が低いので、意外なほど安定感があるんです。

それからパワーメーターとガソリン車の燃料計に相当するバッテリー計によって、エコランの目安がつけやすく、割と簡単に省電費運転ができます。

  
電気自動車には回生ブレーキと言うのがついています。これはアクセルをオフにしたときに運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する装置で、これを上手く使うと無駄に使ったエネルギーを回収できます。

じつは平坦な道を淡々と走るよりも多少アップダウンがあったほうが電費がよかったりします。それは回生ブレーキがついているからなんです。


スバルのエンジニアによれば、箱根ターンパイクを上り下りすると、のぼりでは電力をたくさん使ってしまうのですが、くだりで回生ブレーキを使って・・・つまりアクセルオフで、エネルギーを回生しながら下ってくると、結局走行距離分+ちょっとの電力で往復できてしまうんだそうです。





来年には発売される電気自動車。その実力はすでに今すぐ市販可能くらいのレベルにあります。しかも、今回2日間で300キロくらいの距離を走った印象でいうと、我慢しなくても十分走れました。
もちろん充電施設の充実って言うのが急務になるわけですが、イオングループや、イエローハットなど、今回協賛していただいた会社でも急速充電機の設置を検討しているそうすし、三菱、スバルのディーラーでも設置の方向で動いているそうです。
もちろん東京電力でも。それから、タイムスのパーク24でも急速充電機や充電施設の追加を検討しているそうです。


すべてが電気自動車になるなんてことはないでしょうし、それが正しい未来の車社会の姿とは、必ずしもいえないんですが、これだけガソリンが高くなると、石油燃料を使わず、しかもCO2の排出が確実に少ない電気自動車というビークルも、車社会を担うひとつの形としてありなんだろうと思います。

もちろん電気自動車だけでなく水素燃料のハイドロジェんなんてのもありますよね。

クルマによるOC2排出量は、全CO2排出量のおよそ2割くらいなんだそうです。
全部を電気自動車にしたからといって劇的にCO2が少なくなるわけではありません。もし、電気を増産(?)するために原子力発電所を増設するという事になれば、それはまた別の危険の可能性も増えるわけで、事は左様にいろんな問題が絡み合って複雑です。
でも、こうしたクルマの存在を身近に感じたり、実際に手にして走らせたりいすることで、CO2の問題をより身近に感じたり、考えることになるのは確かだと思います。そしてできる事をちょっとでいいからする。


以前、日本EVクラブでCO2削減の短冊を集めたところ、その中に
「無駄な呼吸をしない」
というのがあったそうです。
それを冗談として笑っていられる環境を維持する必要はありますよね。

Posted at 2008/06/22 14:41:33 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2008年05月05日 イイね!

EVレース!

EVレース!日本EVクラブ主催のGO GO EVレースに参加してきました。
スバルや三菱、日産で2010年に電気自動車を市販するというアナウンスがあって、俄然電気自動車に注目が集まってきましたが、依然として、遊園地の豆自動車のイメージが強くリアリティが持てない人も多いのではないかと思います。

けれども、すでにEVカーはプライベートレベルでレースやジムカーナが楽しめるところまで来ているんです。

もっともこのイベントは、たぶん世界最先端のローカルイベントではあるんですが・・・。

エントリーしているクルマは、エンジンをモーターに載せ換えたコンバートEVと呼ばれるもの
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EVカート

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それにEVフォーミュラ

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などなど、いろんなバリエーションがあるんです。


今回は筑波サーキット コース1000というミニサーキットを使って行なわれました。

1周1000mちょっとのコースで、ランエボやインプレッサで41~2秒くらいロードスターで46~5秒くらいのコースなんですが、EVカートの速いヤツでついに39秒台をマーク。EVフォーミュラの小電友も40秒フラットを叩きだしました。
チューニングしたランエボ、インプレッサと同等のタイムです。


イベントは、コンバートEVによる30分耐久レース、20周耐久レース(オーバルのショートカットコースを使用)、EVカートによる30分耐久レース、ホームストレートにコースを作ったEVジムカーナ等々盛りだくさん。

ボクもEVジムカーナでちゃっかり優勝! その他、コンバートEV耐久レースでもコペンEVで優勝!! 
トロフィーとメダルと商品をGETしてきたのでした。

ちなみに速いEVカートは、アクセルオンでブリブリおしりを振っちゃうほど暴れん坊です。メチャクチャ刺激的。


EV=エレクトリカル・ビークルの性能はほとんどバッテリーで決まっちゃうんです。モーターにいくら出力があってもバッテリーの性能が弱いと持続力がないんですね。

別のブログにも以前書いたんですけど、今を去ること十数年前、このEVイベントの立ち上げの頃にゼロヨン用のカート・・・確かケリー号というのに乗ったことがあるんです。確かに目から鱗がボトボト落ちるほど速かったんですが、1回でバッテリーがなくなってしまうんですね。

今やあのときのゼロヨンマシンを超える速さを持ちながら、30分耐久レースが出来るほどにバッテリーは進化しているんです。

最近自動車雑誌で取り上げられるR1℮(スバルのR1ベースの電気自動車)やⅰMIVE(ミツビシのⅰベースの電気自動車)は、すでに高お俗距離が60km~100kmを実現しており、バッテリーのチャージ時間もぐんぐん短くなっています。R1℮だと400Vの急速充電器で80%チャージが15分。深夜電力を使って100Vで15円くらいフルチャージできるといった具合で、本当に電気自動車の実用化が目の前まで来ているんですね。

しばらくは、全部が電気自動車になることはないでしょうが、シティコミューターの新しい動力として有望であることは間違いありません。

洞爺湖サミットに合わせて、東京から洞爺湖まで電気自動車を走らせる企画も準備されています。これはボクも参加させてもらえるかもしれないんですが、それはまた後日報告したいと思います。

Posted at 2008/05/06 07:11:01 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2008年04月25日 イイね!

2泊3日のツアー

2泊3日のツアーツアーといっても遊びじゃなく仕事です(まあボクの仕事は傍から見るといつも遊びのようなものではあるんですけど・・・)。

22日にツインリンクもてぎを振り出しに、もてぎ⇒エビスサーキット⇒ハコネというツアー。

もてぎに行くと南コースでなにやら甲高いレーシングサウンド・・・



あれは、もしかしてほんだの最初のF1マシン
ホンダRA272だよね、ね!!





たぶん29日に行なわれるヒストリックイベントの動態テストだと思うんですけど、こんなに何気なくやってるのかしら??



そしてもう一台。

こちらはS800のレーシングバージョンですね。

仕事サボって写真撮っちゃいました。



さて、その仕事なんですが、今回はタイヤテスト。

10セットのタイヤを10台のクルマに装着して、それぞれインプレッションを取るという乱暴な企画。どこが乱暴なのかというと、クルマそれぞれに個性があって、乗り手としては基準が作れないので、ひたすらそのクルマのキャラクターを思い出したり、感じ取ったりしながら、さらにタイヤとのマッチングやタイヤ個体の特性を見なきゃいけないわけです。
これ、かなりしんどい作業なのよ。

なので、いっそ先入観をなくそうと、タイヤを見ないでクルマに乗り込み、試乗して見ることに。

先入観というのは怖いもので、ひとつの反応や応答も見方や受け止め方がポジティブになるかネガティブになるかで、180度変わってしまう可能性がある。

なので純粋に乗ってどうか、ってのを重視して見たというわけ。

で、ついでにどのクルマについているのがどのメーカーなのかってのも、これは個人的に当てて見ることに。
結果は7勝2敗1分。1分は勘違い。
ちなみに2種類まったく乗ったことのないタイヤだったので、まあそんなもんでしょ、という結果。


とは言うものの、あまり的中率が低いとレポーターとしての信用問題にも関わるので、こういう危ない遊びはしないほうがいいですね・・・ ^_^;


ブラインドテストをしたのは高速道路と一般道だったんですが、他に旋回ウエット路とスキッドパッドを使って、ウエットのチェックもやってみました。


さすがに10台やるとかなり疲れます。
なにしろスキッドパッドだけでも右回り左回り各5周×10台=100周しなきゃいけないわけです。こうしたテストは比較的慣れているので目は回りませんが、横Gで体が疲れます。

まあ、でも久しぶりにタイヤのイッキ乗りができて、それはそれで収穫のある取材でしたとさ。



Posted at 2008/04/25 01:15:05 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2008年04月17日 イイね!

トヨタと富士重の提携強化について

昨日のブログのkappeさんのコメントにもあるように、4月10日にスバルがトヨタに6100万株を譲渡し、トヨタ、ダイハツとの協力関係を強化するという発表がありました。

以下、ニュースリリースの一部抜粋です

今回の合意は、トヨタ・ダイハツ・富士重3社が、相互にシナジー効果を発揮し、競争力をさらに強化することを狙いとしたものであり、具体的には以下の3点である。
(1) 小型FRスポーツ車をトヨタと富士重が共同開発し、両社で市場展開
(2)トヨタから富士重へ小型車をOEM供給
(3)ダイハツから富士重へ、軽自動車と小型車「クー」をOEM供給



スバルファンが気になるのは、このままスバルがトヨタの子会社人なってしまうのではないか、ということですよね。

これまで日本の自動車メーカーは、国内他メーカーを吸収する吸収合併という形で行なわれてきました。

ただ世界的にみると、傘下には収めることはあっても完全に吸収合併してしまうということは少なく、各メーカーの独自性を生かしてグループとしてのシナジー効果っていうんですかね? 高効率化を図るといったものが多くなっているようです。自動車は、どのメーカーも同じような形の『クルマ』をを作りながら、とれも個性的で、それゆえにファンを持っている特殊な業種です。

他方、技術者の行き来はあっても、トヨタのエンジニアがスバルを作るということはできないんです。似たようなものは作れるかもしれませんが、それは所詮トヨタ車にしかならない。逆もまた同様のことがいえると思います。スバルのやり方でクラウンを作ったら面白いクルマができそうな気はしますが、採算が合わず、また細部のクオリティに明らかな差が出来てしまうかもしれません。

どちらがいい悪いではなく、それぞれのメーカーに根付いた文化があるからなんですね。自動車創成期の混沌とした時代なら会社の規模を大きくするために吸収合併もあったかもしれませんが、ブランドが確立したメーカー同士となると、各メーカーの独自性を尊重した関係を保たないと、協力関係を結ぶ意味が得られなくなってしまうと思います。
要するにスバルの作るクルマがスバルのようなものになってしまったら、誰も買わないということです。

当然、スバルに対してより効率的クルマを作るためのアドバイスやパーツの共有化といったことは、さらに促進される可能性はあると思います。が、当面スバルのアイデンティティや、スバルらしいクルマ作りというのは守られていくのではないかと思います。


ひとつ残念なのは、軽自動車の独自開発をやめて、ダイハツからOEM供給を受けるということです。中島飛行機のエンジニアによって生み出されたスバル360に端を発するスバルの軽自動車開発の歴史が、ここで一旦ピリオドを打つというのは、やはりちょっと寂しい気分です。

ただ、スバルのあるエンジニアからの言葉によると、スバルの規模で軽自動車から乗用車までをラインアップするのは非常に困難がある、という話しを聞きました。
ここ数年は軽自動車の特需で、それによる収益は確かにありはしましたが、R1、R2の不振による企業レベルのダメージというリスクも、独自開発をする限りはあるわけです。
それよりもスバルのコア技術である水平対向エンジンとシンメトリカルAWDに特化して、集中的に商品性、製品力を高める道を選択した。ともいえるわけです。

そして将来に向けてやらなければならない環境対応。すでにスバルではR1eという電気自動車の開発を進めており、どんんなデザインで出てくるかはわかりませんが、2010年に電気自動車を市販するとアナウンスをしています。これは今回のトヨタとの関係強化に関わりなく進められるそうです。

ダイハツでも電気自動車の開発には力を入れており、独自の技術を作り上げています。この2つのメーカーの技術がコラボレートするのか、あくまでも独自に進ていくのかは、いまの段階ではまだ判りませんが、少なくともスバルでは現在の研究を継続するようです。

スバルは、独自に開発した優れたリチウムイオンバッテリーを持っています。C値と言うんだそうですが、単位時間あたりにバッテリーからどのくらい電気をとり出せ、また充電できるかを表す値なんですが、これが非常に優れているんだそうです。たぶんいまあるバッテリーの中ではもっとも優れている。

このバッテリーを使ったEVカートに試乗したことがあります。これが途轍もなく速いんです。筑波サーキットのコース2000でタイムアタックしたら、1分6秒というとんでもないタイムが出てしまいました。とんでもないトルクとパワーがあり、筑波サーキットの最終コーナーでアクセルを全開にすると、130キロ近いスピードから、ズルズルタイヤが滑り出すほど・・・。


いずれにしても、そんな技術をさらに前進させていくためにも、資金を集中させるのが得策という考えのようです。



面白い逸話を聞きました。
16日に、スバルのボクサーディーゼルの試乗会があったことは書きましたが、その席で広報部から少しトヨタと協業関係(という言葉を使ってました)強化について話しがありました。
その中で
今回の提携強化に関する調印式の席で、サインする直前にトヨタの渡邊社長とスバルの森社長のこんなやり取りがあったんだそうです。

渡邊氏「今回の協業は公取委の許可が下りなくても行いますよね」
森氏「もちろんです」

こうした大規模な株式譲渡にかんしては、公正取引委員会の許可が必要なのだそうで、調印後に公取委に書類を提出し、判断を仰ぐという段取りになるんだそうです。
つまり、株式の取得⇔譲渡ありきではなく、両社の関係強化によって互いのメリットをより多く生み出す、ということを意図した関係の強化である、というだと、スバル広報ではアナウンスしたかったわけです。


もちろんこうした大きな提携に当たって、ネガティブな発言があるはずはありませんから、公式のニュースリリースもどの程度鵜呑みにしていいかは判りませんが、
少なくとも前向きな提携であるということは言えそうです。


この提携によって、スバルの水平対向エンジンを使ったスポーツカーを共同開発し、発売するということも正式に発表されています。たぶんスバル一社ではスポーツカーの開発など夢のような話しだったでしょうが、トヨタの共同開発することによって、それが現実のものになったことは間違いありません。








Posted at 2008/04/17 18:34:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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一応モータージャーナリストなんて肩書きでやってますが、気分としては自動車レポーターかな。クルマにまつわる楽しいこと、面白いこと、スゴイことをリポートしたいと思っ...
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