
少し前になるのですが、プリウスのプロトタイプに乗ってきました。
1周7km程度の起伏のあるコースで、ボクが出した燃費がこれ。
走行距離7・1kmで、平均時速が20km/h。で、燃費が86・1km/Lというものです。
種を明かせば、走る前にモーター用バッテリーをフル充電しておいてECOモード(EVモードではなく)でそろそろと走った結果です。
つまり、我慢強く走る事さえできれば、達成不可能な数字じゃないんです。
通常のバッテリーチャージ状態でも、エコランすれば40km/L前後は走ると思います。
とはいえこれはものすごいデータですよね。
ま、データーは非現実的な数値ですけど、
サーキットでも燃費でも、ぎりぎりまで攻め込むと見えてくるものがあるんです。
たとえば、走行中のバッテリーへのチャージの仕方。
走り出しはバッテリーでスルスルいけます。初めの4キロくらいまではバッテリーで走ることができました。それだけでも2代目プリウスよりも、はるかにバッテリーで走れる距離が伸びているのが確認できます。
バッテリーがなくなってくると、エンジンがかかり動力と充電にエンジンのエネルギーを振り分けるんですが、さすがに排気量が1・8Lもあるので、ソロソロと走りながらもトルク感に貧弱さがありません。で必要な動力を駆動輪に伝える一方で、かなりせわしくバッテリーへのチャージも行っているわけです。だからちょっとエンジンがかかっているとバッテリーへもしっかりチャージもしてくれるんです。
で、すぐさま、またバッテリー走行モードで走れてしまう。
実用燃費でいうと、たぶん2代目とそれほど大きな違いはでないのではないかと思うのですが、バッテリーへのチャージの仕方と、駆動力への振り分け方が確実に進歩しているのがわかります。
そんなわけで、3代目プリウス(プロトタイプ)の性能にはとても感心してしまったのでした。
問題は価格です。
やはり某新聞にフライング気味に報道されていたとおり、どおやら3代目プリウスの廉価版は
205万円!!!!
くらいになるみたいですね。
トヨタさん、やってくれます。
いやいや、この値付けに関しては、もろ手を上げて賛成とはいいにくいです。
ホンダのインサイトが189万円。これってかなり頑張った値付けだったと思うんですよ。相当の覚悟で、ブッチギリの価格を実現しよう! とホンダは頑張ったはずなのです。
ところが後出しのプリウスは、排気量を1800ccにして205万円。
これってちょっと大人気ないんじゃないでしょうか? って気がするんです。
もちろんユーザーにとっては、クルマが安く手に入るっていうのは悪いことじゃないと思いますが、資本力にものを言わせてモグラ叩きのようにライバルを叩きつぶすようなやり方は、いかがなものかと思うわけです。
安さ日本一…いや世界一なんていうようなクルマの作り方、売り方は、ともすると自動車文化を崩壊させてしまうのではなかろうか、と危惧してしまうわけです。
廻り回って、当のトヨタ自身の首を締めることにもなりかねません。
もちろん安くても、企業として採算が取れて、しかもBMWやアウディのようなクルマ本来の作りのよさがちゃんとできていれば文句をいう筋合いじゃありません。それこそクルマの革新と言えるのかもしれないですよね。
ですが、クルマを大型家電か何かのように作り売る、といようなことをやってしまっては、今まで100年かけて築き上げてきたものを台無しにしてしまう気がするんです。
感情論と経営論は相容れないかもしれません。ただ、例えば、国内のライバルを叩き潰し、それで浮いたパイ(ユーザー)を自社に取り込もうというようなやり方は、いかがなものでしょうか。
ましてや、ホンダはF1さえ続けられないほど疲弊してしまっているんですから、死者に鞭打つとは言いませんが、ちょっとやりすぎな気がします。
Posted at 2009/03/31 02:13:14 | |
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