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2012年12月28日

今年最後のネタ?は…やっぱり吸気が大事

今年最後のネタ?は…やっぱり吸気が大事
先日のニコルでの試乗の時にこの方に1年振りのD3君のチェックをしてもらおうと思って、完調にするために姑息にもエアクリーナーエレメントの掃除をしてみました。作業はいつもの通り、純正のクリーナー液で掃除をしてから中性洗剤で(爆)二度洗って乾燥した後、オイルを振りかけて完了です。




虫さん達にもおさらばして完調に戻る予定だったのですが、暗闇で取り外し作業をしたせいか、なんとフィルターを取り巻くプラスチック部分の角がもげてしまいました。


吸気上は問題なさそうで、実際に装着して走ると吹け上がりも軽くなって調子は良くなっているのですが、何となく気分が良くないので(爆)、「そう言えば、いつもの行きつけのお店にBMCの在庫が一つあったはず」と思い出して行ってきました。


早速新品を取り出してみると、周囲のプラスチック部分の張りが全然違って丈夫です。フィルター部分も心なしか綺麗な感じ。


装着してみてエンジンをかけると、いきなり静かになっています。まめに掃除して調子が戻っていたと思ったBMCエアクリーナーエレメントですが、さすがに10万Km使っていると微妙に性能が劣化しているようです。毎回掃除をする度にエンジンの吹け上がりは良くなっているのでフィルター性能は復活しているようですが、やはり新品にはかないませんでした(笑)。


最近エンジンオイルもATFも同時交換していたので、結果としてエンジンの調子は丁度1年前に試乗していただいた時より良くなってしまったようです。やはりこまめなメンテナンスは大切ですね。


ところで、どうしてこのようなネタを書こうと思ったかというと、ディーゼルエンジンにとって吸気環境はかなり重要だと考えているからです。


ALPINA D3 Biturboはカタログの純正値でも最大トルクは450Nm、ブースト圧はなんと3.0barで、これは(実はレギュレーションで上限が3.0barに規制されていますが)AUDIのルマン用レーシングマシンのR18TDIと一緒です。先日試乗したALPINA D5Turboも最大トルクは600Nmですから、これに近いブースト圧がかかっているとみてよいでしょう。


という事は、自然吸気エンジンだとALPINA D3 Biturboならば排気量は5L〜6L、D5Turboだと6L〜7L相当の吸気量になる訳です。


自然吸気エンジンですと吸気には当然加圧されていませんから吸気抵抗はそれ程問題にならないかもしれませんが、ディーゼルエンジンは過給され圧縮された吸気に燃料を噴射して爆発する過程では必ずリーンバーンです。という事は、基本的に吸気は吸えるだけ吸って抵抗が無い方が燃焼上でも有利になり、排ガスコントロールも好結果になると言えます。


そう考えると、ALPINA D3 Biturboの場合にはベースエンジンの123dと比べて吸気系には特に改良は施されていないようなので、BMCやK&Nのエアクリーナーエレメントに換装する事で吸気効率が格段に上がって好フィーリング、低燃費となるのでしょう。


これに対して、ALPINA D5Turboはカタログにも書かれているように専用の吸気系のダクトを開発して、ベースエンジンのN57D30エンジンより30%吸気抵抗を低減しているようです。





つたないグラフ(再掲)で恐縮ですが、日本仕様のX5 xDrive35dと比べると低速トルクの立ち上がりが早いですから、いかにも吸気抵抗が少なそうなのがうかがえます。よく見ると、1000回転でのトルクはX5 35dの方が上回っているので、VGターボのレシオを低速よりにしている訳ではなさそうです。むしろ、低速はやや細めの制御なのかな、とさえ思えます。


しかも、高速側でのトルクの落ち込みも少ないのですから、たいしたものです。さすがに5200回転以降のトルクはガタ落ちですが、これはVGシングルターボの特性を考えると「それでもここまで回るのか!」という感じです。BMW標準のN57D30はそもそも4500回転までしかデータがないですし。





話を4気筒ディーゼルに移すと、123dとALPINA D3 Biturboの低速側のトルクの立ち上がりに差はなく、途中からD3Biturboの方がトルクが増えるのはECUのセッティングの差に思えます。シングルターボの「D3(青線)」は低速での立ち上がりがずっと遅く、高速側でのトルクの落ち込みも多めです。


しかし、ALPINA D3 BiturboはALPINAの中では廉価版な事もあって(爆)、吸気系には特別なチューンはしていないようです。インタークーラーもBMW標準の320dと一緒のもので、135iや335iのものより一回り小柄でした。





ところがBMW標準車でも320dや520dのM Performance PowerKitではインタークーラーも大型のものに交換されるので、トルクカーブが変わって、標準だと傾きが鈍るポイントも変わらずに一気にトルクピークまで立ち上がります。これはインタークーラー交換で充填効率が上がったためでしょう。トルクカーブ自体は同じですので、ECUのマップ違いで他に変更はないようですね。


そう考えると、インタークーラーは大型のものに交換し、BMCエアクリーナーエレメントで吸気抵抗を下げた上にちりとりまで装着している我が家のD3君が気持ち良い吹け上がりとパワー、低燃費を獲得しているのは当然かもしれません(手前味噌)。


しかし、新型の「25d」に搭載されているN47D20エンジンは、いままで低速側の小径タービンには無かったバリアブルジオメトリーも装備されているので、123dやALPINA D3 Biturboに見られるような低速側での段付きがなく、一気に450Nmのトルクピークまで立ち上がっています。PoweKitのインタークーラーに交換すれば更にパワフルになって燃費も良くなりそうで、本国のユーザーさんが羨ましいですね。


これらをいろいろ考慮すると、ディーゼルエンジンで純正のエアクリーナーエレメントのままなのは、非常にもったいない気がします。すでに320dでBMCのエアクリーナーエレメントに交換なさった方も効果は体感されているようですので、1万円の出費は痛くないと思います。


ALPINA D5も、BMCかK&Nのエアクリーナーエレメントに交換すれば、さらに極上のエンジンになる気がしますが…すでに標準装備だったりして(爆)。
ブログ一覧 | ALPINA D3 Biturbo | 日記
Posted at 2012/12/28 13:07:34

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この記事へのコメント

2012年12月28日 14:30
なるほどー、読み応えがあって勉強になりました。
「自然吸気エンジンですと吸気には当然加圧されていませんから吸気抵抗はそれ程問題にならないかもしれません」についてですが、私のガソリンNAの場合、ディーラーのサービス・マンに時々エアクリ交換を相談するのですが、どうもいい顔をしません。マフラー交換に比べて影響が大きすぎるようです。実際、それでエンジン・トラブルとなった車も見てきたとか。もっとも、PerformanceパーツにはGruppeMのOEMらしきパーツも販売されているので、大丈夫でしょう?とは思いますが…。
おっしゃる通り、ターボ・エンジンの場合は、もともと加圧して燃焼室に送り出していますから、その働きをさらにスムーズにするのにはメリットこそあれ害はないでしょうね。インタークーラーの大型化も効果てきめんですね。
D5 Turboのグラフを見ていると、確かにPowerKitを先取りした改良を施しているようですね。それだけALPINAはコストをかけて素直にパワーを出していくんでしょうね~。
コメントへの返答
2012年12月28日 18:25
こちらこそ、いつもコメントと素晴らしいグラフ、ありがとうございます。

多分、自然吸気エンジンですとトルクピークからパワーピーク辺りの回転数での吸気の状態を改善するのが大切だと思いますので、そこに合わせた改善が効果的なのでしょう。そういう意味では、純正の吸気レイアウトを変えてしまうようなエアクリ交換は害があるかもしれませんが、純正交換タイプで抵抗が少ないエアクリーナーエレメントは問題ないのではないでしょうか。

吸気レイアウトまで替えるようなモディファイですと、センサー類などの配置が変わったりするので、基本的なエンジンマップ制御に影響を与える可能性はありそうですね。

4輪の場合、車体後半のマフラー交換だけですと排気効率の問題なので影響は出にくいのかもしれませんが、2輪だとエキゾーストマニフォールドからのフルエキゾースト交換が多いので、集合形式やエキパイの取り回し、バイパスによってエンジン特性が左右される事もありますね。4輪でもそこまでやると影響が出てきそうですが。

ALPINAはBMWの技術部門も受け持っているようなので、データとノウハウは沢山ありそうですね。それベースにしてじっくり作れるだけアドバンテージはありそうですね。でも、ALPINA D3 Biturbo日本では320dなどの先行開発車両だったのでは、と思っています(爆)。
2012年12月28日 16:15
いやぁ~改めてディーゼルターボは魅力的ですね♪

グランドツーリング目的ならアルピナは選択肢から外せません…。

おっ!中古でついに400万円台が出てますね!
(^o^ゞ
コメントへの返答
2012年12月28日 18:28
本当に、ディーゼルターボはなかなか魅力的です。2年前にD5に乗っていたらやられてしまうところでした(爆)。

長距離を走る方にとっては、アルピナは最適解の一つでは、と思います。

おお、とうとう400万円台も登場しましたか。アルピナならあまり良くないコンディションという事は少ないかもしれませんので、これはお買い得かも、ですね。
2012年12月29日 2:21
いじってはいけないアルピナも見えないところならOK?なのですね!

NAのエアクリ交換はキノコ型に交換するとデメリットが多いといいますね。
エアクリーナーケースに溜まっている空気の量が必要なんだとか・・・
当然メーカーもそれなりの開発コストをかけて設計しているので、
純正形状が一番だということはわかっているのですが、
キノコ型の吸気音も捨てがたいです(笑
コメントへの返答
2012年12月29日 3:59
あ、一応外見はノーマルでという事で(爆)。

キノコ型はあまり良い話を聞きませんが、やはり吸気環境がかなり変わってしまうのでバランスが取れない気がします。純正形状で抵抗だけ減らすのが一番効率的ではないでしょうか。

ディーゼルでキノコにしたら凄い音がしそうですね。意外と良い音だったりして(笑)。

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