先日西伊豆で色々素晴らしいお車を取っ替えひっかえ乗らせていただくという貴重な経験をさせていただきましたが、改めてミドリーヌ号の楽しさを再確認しました。
皆さんがおっしゃるように、4気筒で鼻先が軽いため(重量配分は前49:後51です)コーナリングが楽しいのはもちろんですが、それとディーゼルエンジンとの組み合わせは果たしてどうなの?という点から考えてみました。
一般的なイメージでは「ディーゼルエンジンはトルクが太いけれども高回転まで回らない」という印象があるかと思います。そうすると、お山の走りでは楽しくないのでしょうか。
実はディーゼルエンジンのメリットはトルクの太さや燃費の良さだけでは無く、「アクセル操作に対して素直にトルクが発生する」部分もあるかと思います。自然吸気のガソリンエンジンなら高回転をキープしないと有効なパワーを使えないのに対して、ディーゼルエンジンは低回転からフルブーストの状態でトルクはアクセル操作での燃料噴射のコントロールによるため、瞬時に有効なトルクが呼び出せます。
その結果として、低回転からでも即座に太いトルクが発生するので実質的なパワーにつながるのだと思います。
色々なコーナーを走っていると、ギア比が合わなくて回転がドロップするコーナーがあったり、アプローチに今一つ失敗してリズムが狂ったりする場合がありますが、そんな時でもディーゼルエンジンですとアクセルの踏み足しだけで有効なダッシュが出来るのです。
もちろん、ガソリンエンジンのような高回転に向かってパワーが伸びていく爽快さには欠けるかもしれませんが、元々ギア比の違いでカバーする領域は一緒なので、パワーピークからレブリミットまでの領域は使わない事で、加速を楽しめるゾーンを上手く使えると思います。
実際にA4カブや116iに乗らせていただいて先行し、後ろにミドリーヌ号が付いているパターンですと、少しタイトなコーナーで車速が落ちたり見通しが悪そうなコーナーで慎重に曲がったりすると、みるみるミドリーヌ号が迫ってきてプレッシャーを感じました(笑)。
逆に、他の方が運転するミドリーヌ号の助手席に座っていると、コーナーでのノーズの入りが軽やかな上にシフトダウンしなくてもどんどん加速していくので「これはずるして速いなぁ」と思いました。それに関してはアルピナのステアリングと足回りのせいですぐに加速しやすい体勢に持ち込めるせいもあるかもしれません。
例えば116iの場合ですと非常にバランスの良い車体でいつでも綺麗にコーナーのアプローチが出来ますが、やや車体が優っている印象でミドリーヌ号に比べると少し非力に感じてしまいます。単独で乗っていると充分な速さなのですが。でも、「パワーを使い切る」という意味での楽しみではこの車が一番健全かもしれません。
A4カブに関してはFFを感じさせずV6エンジンも気持ち良いのですが、綺麗なアプローチを取らないと加速に上手く移れない部分はFFの性格かな、と思いました。でも、オープンでクルージングする時の上品さは良いですね。
その点、ピナカブ号(ALPINA B3Sカブリオレ)は全車の良いとこ取りで、バランスが良くて滑らかなステアリングで良く曲がる上に、レスポンスが良くて回せば回すほど官能的になる直6エンジンで個人的にはパーフェクトに思えました。ただ、高回転を楽しむとかなりの速度になりそうなのが日常的ではないかもしれないですが(爆)。
以前見かけたE36 B3カブも同じ味わいを持っているのかもしれませんね。
これに比肩出来るエンジンの出来としては先日試乗した
6気筒の新型D3Biturboがパワフルかつスムーズなトルクで絶品でしたが、F30型なのと6気筒の重さがお山での走りにどれだけ影響しているかはかなり気になるところです。
どのお車も充分に楽しかったのですが、西伊豆スカイラインは午後になると普通の車やバイクのツーリングの集団が増えてきて、変な追い越しをかけたり対抗車線に出て来るような車が増えてきて気を遣うようになりました。こうした状況でも自在に過減速して対応できてストレスが無いところもディーゼルのメリットかもしれません。
ディーゼルのフィーリングや音になじめない方も多いかもしれませんが、一度お乗りになってみると結構楽しいかもしれません。ちなみに、ディーゼル同士のパワーカーブをいつもお世話になっている
師匠から拝借しましたが、ミドリーヌ号はスカイアクティブディーゼルに比べても低速の立ち上がりが速く、パワーの盛り上がりもピークからの落ちも少ないので充分気持ち良いと思います。
またまた無理をお願いして「実測値に基づいたミドリーヌ号のパワーカーブ」を書いていただいて2L4気筒各車と比較してみましたが実測250ps/500Nmですと328iと比べても4000回転までは明らかにパワフルな感じです。他のディーゼル勢も、常用域ではガソリンの320iに比べてパワフルな事も分かりますね。それにしても、ディーゼル同士の比較ならともかく、ガソリン勢に比べてもALPINA D3 Biturboのパワーピーク後の落ち込みが少ないのが不思議です。
以前の記事で調べてみたALPINA D10Biturboは3Lの6気筒で245ps/500Nmでしたから、ALPINA D3 Biturboは4気筒2Lで互角の性能を叩き出しているのは凄いかもしれません。ディーゼルの進化を感じます。
グラフを良く見ると、新型のB47型-320dのパワーカーブはN47型-320dに比べて全域太っている感じで伊達に世代代わりした訳では無さそうですね。その内にB47型でツインターボの「25d」も出て来ると思いますが、どれだけ高性能になるか楽しみです。
当日乗られた方からの印象も「ディーゼルエンジンのメリット、デメリット」という点からお聞きしたいものですが、いかがでしょうか(爆)。
ブログ一覧 |
ALPINA D3 Biturbo | 日記
Posted at
2014/04/25 00:11:13