最近メルセデスのディーラーにお邪魔する事が多いですが、今回は以前から期待していたE220dに乗らせていただきました。
前回乗らせていただいたE200は通常グレードでしたが、今回はスポーツグレードだったのでシートのサイドサポートが割と張り出していて個人的には好みでしたが、現行モデルのオーナーさんからは「シートが小さくなった感じ」という声もあるようです。
エンジンをかけてみると音質としてはディーゼルですが静かですし、もちろん振動もありません。さすがEクラスというところでしょうか。
室内のアンビエントライトの照明はあやしいパープルでしたが、担当さんに聞くと「64色の中から選べます」と! 後ろからセンターコンソールに手を伸ばしていただいて操作してもらって、試しに青緑色に変更してもらいました。でも日中だと良く分かりませんでした(爆)。
期待しながら発進してみると、思った程低速トルクはありません。先代の
E220 BlueTecの時に感じた、アイドリングからすぐ上でも発生する太いトルクはありませんでした。
加速そのものはかなり良くて、E220の試乗の時のようにシフトダウンで回転が上がっても音量が上がったりという事は無いので、個人的にはガソリンより上質でE200よりはE220dを選択するのは間違い無いのは試乗前の予想と変わりませんでした。
ただ、軽やかに回って気持ち良いのは確か(圧縮比が15.5に下がっているのも関係しているかもしれません)ですが、どことなく線の細い感じがしたのも事実です。エンジン的には最大トルクは400Nmで一緒ですし、新型Eクラスの方が軽量化されているのでもっとパワフルに感じてもおかしくないはずなのですが、ちょっと意外でした。

いつもお世話になっている
この方からのグラフでもう1回考えて見ますと、先日試乗して非常に好印象だった
B47型の320dがアイドリング付近でも200Nmのトルク発生があり、1500回転で最大トルク近くまで立ち上がっているのに比べると、E220dの新型OM654エンジンはアイドリングでのトルクが細く、最大トルクの到達地点も1600回転と遅めです。
最近の多段AT(E220dはなんと9段!)は2000回転以下でどんどんシフトアップしていきますが、その領域だとOM654はちょっとトルクが細い感じでアクセル開度が低い状況だとB47型よりレスポンスが穏やかな印象で、これは事前に予想したのと一致していました。

ちなみに、以前に提供していただいたグラフでE220 BlueTecを見て見ると低回転でのトルクの太さは明らかでVolvoのD4エンジンより優っています。新型OM654の方が馬力は上ですがOM651の方がツインターボの優位性はあるように思えます。
メルセデスとしては色々考えて次世代のディーゼルを開発した時点でシングルターボを選択したのでしょうし、鉄製ピストンや排気処理系の配置、RDEへの対応などメリットは数え上げれば切りが無いほどありますが、エンジン的にはちょっと大人しくなったかな、という印象です。
グラフからでの事前の予想では、OM654は低回転域でのトルクは太くないものも高回転まで軽やかに回るキャラクターかな、と思いましたがほぼ予想通りの印象でした。
しかし、同じシングルターボでもBMWのB47型の方が下から太いトルクを発生し、ATとのマッチングも良くてパワフルで、4気筒D3Biturboに匹敵するくらいの出来だったのに比べるとE220dはやや大人しい感じでした。元々のメルセデスのキャラクターだと思えば、車の出来は凄く良いので納得かもしれませんが、そうすると噂されている直6!の3Lディーゼルに期待してしまいますね。
本当はプジョー/シトロエンのディーゼルにも乗って比較しないといけないのでしょうが(個人的には低回転から太いトルクだと予想していますが)、新世代ディーゼルの乗り比べではBMWのB47型がトルクの太さと回りの気持ち良さ、FRの操縦性で一歩リードかな、という気がしました。
Volvoのディーゼルも太いトルクと気持ち良くパワフルなので、FFでも構わない方にはおすすめです。ポールスターパフォーマンスパッケージで更にパワフルになるところも魅力的です。
メルセデスのOM654型も重量が軽いCクラスに搭載されればEクラスより活発に走るでしょうし、そういう意味ではどのメーカーも魅力的なので自分で乗ってみての好みになりそうですね。自分としてはEクラスにB47型(の出来ればツインターボ)が載ってくれれば、と思います(爆)。
Posted at 2016/09/04 13:57:05 | |
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