結構間開いちゃいましたが、忘れないうちに記しておこうと思います。
車両は2013年式のフェラーリ・カリフォルニア。
マイナーチェンジを果たして出力が490馬力まで高められた個体です。
ロータスオーナーの視点から見たカリフォルニア試乗記、項目別に記載していきます。
【エクステリア】
奥山清行氏によってデザインされたスタイルは、良い意味で“普通”
確かにオープンにしているとそこそこ目立ちますが、クローズド状態ではそれほど
ペッタンコでもな く、流麗なクーペといった出で立ちです。
周囲から注がれる視線も、エリーゼよりは少ないと思います。
嫁さん曰く『カリフォルニアは車の形をしているから』ということだそうですが、
確かにエリーゼのスタイルはちょっと特異かも。
駐車場で他の一般車にも溶け込みます。
ただ、信号待ちで止まっていると、『フェラーリだー』とか声が聞こえたりしてましたので、
存在感はあるようです。
コテコテのフェラーリっぽさを抑えた、大人のフェラーリと言えるのか(?)
【インテリア】
今回の車両はレッドレザー仕様
乗り込んだ瞬間、ものすごい革の香りが包みます。
さすがに革の質感も良くて手触りも素晴らしいです。これだけでも所有欲を満たしてくれそう。
シートポジション・ペダルレイアウトも特に不満無し。
フロアカーペットから天井内装材まで全て真っ赤っ赤!
無駄にドキドキしますね(笑)
しかし!ここからが残念ポイント。
まずドアノブやスイッチ類、これら安っぽすぎです。。。
金属調のコーティングがされているとはいえ手触りは完全にプラスチック。
ロータスのスイッチ類の感覚と全く変わりません。
エアコン吹出し口周りもプラスチック感満載。
そして最も酷いのが純正のナビ。
今時タッチパネルではなく(!)、付属のリモコンを使って操作するのですが、
こいつの反応が凄く悪く、なかなか画面が切り替わりません。
しかも地図の画面も昔のポリゴンゲームみたいな表示・・・2008年式の207号のナビの方が
遥かに優秀です。今回はスマホに案内させて、1度も使う事がありませんでした。
正直、樹脂部品の質感とナビについてはとても2000万オーバーの車とは思えませんでした。
ナビはどうせ殆どの方が換えるんでしょうが、それでもねぇ。
この辺のクオリティはロータス同等ですよ。
革の質感やステアリングのカーボンパネルの質感は流石のものがありましたが、
それだけに残念。
音響も、JBLのコンポーネントを組んだ207号に比べると残念な感じ。
こればかりは仕方ないか。
また、ヒップラインがかなり上がっている為、後方の視界が酷く悪い!
車線変更の際、目視で斜め後ろを確認したいところですが、低い車や原付が居たら
多分見えないっすwミラーでしっかり確認、が必須ですね。
【走り】
さて、これが一番気になるところではないでしょうか。
ステージ別に記載します。
<市街地>
まず初めは車両に慣れる為、AUTOモードでドライブしたのですが、
AUTOにしていると気付かぬうちにポンポンとシフトアップしていてくれて、
気付いたら70km/hくらいで6速に入っちゃっています。
変速ショックも感じられず、至極快適。まんま高級セダンのイメージです。
低速トルクがたっぷりあり、2000回転付近で市街地走行しても愚図ついたりせず、
とてもフレキシビリティに富んでいます。
買い物からドライブまで、普段使いが出来る車だと思います。
また、こんなにデカいブレーキがついているのにペダルフィーリングは至って普通。
違和感無しです。
<峠道>
車に慣れてきたところでAUTOモードを解除し、マニュアルへと切り替えます。
エンジン回転を引っ張っていくと4000回転くらいから急に排気音が大きくなり、
『ガロロロ・・』とV8の咆哮が聞こえてめっちゃテンションが上がります^^
芦屋の高級住宅街を抜け、芦有道路のゲートをくぐり、いよいよ全開をくれてやります。
4000回転を過ぎて排気音が大きくなってきた辺りからパーンと弾けるように
加速していきます。レブ直前で右のパドルを引くと瞬時にギアが切り替わり、
鋭い加速感が殆ど途切れることなく襲います。
490馬力の加速は流石に強烈で、芦有ドライブウェイの直線があっという間に
感じられます。
すぐに迫ってくるコーナーに対しても、ABS付のブレンボ製カーボンセラミックブレーキが
強烈な制動力を発揮してくれる為、安心してブレーキング⇒飛び込んでいけます。
そしてビックリしたのがターンインの素直さ。
加速時もそうなのですが、とても車重が1.8㌧を超えているとは思えないくらいの軽快感。
ステアリングを切り込んだ瞬間鼻が入ってくれるし、ちょっと攻め込んだくらいでは
アンダーの予兆もありません。何も知らずに乗ったらRX-8(1.3㌧程度)くらいの
車重と思うのでは無いでしょうか。
タイトコーナー出口の加速ではESCが作動しているようで気持ち悪いフィーリング。
恐らく横滑りを防ごうと出力をコントロールしていると思われます。
そこで、ESCカットを試してみます。
そうすると、タイトターン立ち上がりでジャダーを感じます。リアがスライドしトラクションが
抜けそうになりますが、ここで右のパドルを叩きギアをアップするとトラクションが掛かり
蹴っ飛ばされるように加速していきます。これがとても楽しいです。
六甲の狭い峠道では、横幅1.9mを超えるボディは持て余しがちでしたが、そこそこ広い
峠道では結構楽しいドライビングが味わえると思います。
<高速道路>
これは言うまでもなくこの車の独壇場ですね。
直進安定性は素晴らしいし、パワーも十分。
エリーゼでは限界を迎えるスピードから、アクセルを踏み込むとGを感じながら加速していく
感覚は新鮮でした。窓を閉じていてもフェラーリサウンドが十分入ってきて気分も良いです。
<まとめ>
ということで、褒めてばっかりでしたが、では2500万円出して欲しいか?と問われると
それは【NO】
結局のところ【豪華で音が良くて、『直線は』速い車】なんですが、それ以外は無いかな。
ターンインが素直なのは確かなのですが、やはりエリーゼのようなステアリングインフォ
メーションはありませんし、今タイヤがどんな状態か分からない。いつか裏切られそうな
そんな怖さがあります(カリフォルニアで攻めたりする方は居ないかもですが)。
軽快感はあるんですが、軽快ではないんです。
足の味付けとタイヤサイズとパワーで軽快に振る舞っていますが、やはり作られたもの
という感覚がどこかにあります。
また、メタルトップはオープン/クローズの手軽さは確かにありますが、ギャップを斜めに
越えたときには、『ギシっ』という音がしてボディが捻じれているのが分かります。
ボディ剛性はかなり高そうな雰囲気を受けたのですが。
加えて、アイドリングのエンジンの振動数とインテリア部品の固有値が一致しているのか、
パネル類が共振してうるさい!
高級ツアラーがこんなんじゃダメでしょ(試乗した個体が特別なのかなぁ・・)。
<結論>
ということで、手前味噌ではありますが走りの楽しさ、手軽さ、コストパフォーマンス
全てをとってもやっぱりエリーゼが自分にとっては一番ですね。
音が良くて、快適で速くてブランド性もある車両なら他にもありますから、やっぱり決め手は
どれだけフェラーリというブランドにどれだけ思い入れがあるかでしょうね。
最近のフェラーリは良く出来ていることはわかりましたが、走りが飛び切りいいという訳でも
なく、恐らくそれはほかの車両でも大きく変わらない印象でしょう。
てことで、フェラーリで食指が動くのはやっぱり90年代の348~355、テスタロッサ系
ですね。ちょうど自分が車に興味を持った頃に素直にかっこいいと感じた車達です。
こういう車達は、走りがどうこうという価値観で見たりはしませんから。
ただ、やっぱり『走りに拘らなくなってから』という前提が付きますね。
走りを重視して、カッコもコスパもと考えていくと、やっぱり今はロータスがベストなんだな
という結論に行き着いたのでした。
150km走った後の燃料消費量は約30L。
そこそこ踏んでいたので5km/Lはまぁ妥当なところではなかったでしょうか。
そういえば、このモニターの針の動きもカクカクしてちょっと情けなかったなぁw
・・・以上、纏まりのないブログですが最後までお付き合いいただき有難うございました。
最後に、貴重な体験をさせて頂いたNEXT-ONEさん、有難うございました。
新緑の六甲の峠道をオープンにしたカリフォルニアで流す行為は、ただ単純に楽しかったです^^
同社のラインナップには発売されたばかりのAMG-GTもあるようなので、いつかはこれにも
乗ってみたいなぁ^^