2011年08月02日
NSX-R、S2000の様に、よく出来た車を評価する時には、
しっかりとインプレッションを出来る人ほど、確かな状態を維持した車両に乗って、
評価をして欲しいと思います。
中古車や誰かが改造した車両に乗って、評価してもとても正しい物とは言えません。
ドノーマルであるのは勿論ですが、新車時の性能を維持している事、メンテが大事。
タイヤもOEMタイヤである事が大事です。折角の専用OEMタイヤがあるのですから。
随分と前の話になりますが、友人の知り合いに旧NSX-Rをしっかりとノーマル状態で
且つ性能を維持していらっしゃる方がいます。当然タイヤはOEMです。
その車両を友人のドライブで走らせた事があります。
私は助手席でしたが、そのあまりの凄さに惚れました。高嶺の花です。
友人が「乗りこなせないだろうから大アンダー大会になると思うけど、こんなチャンス滅多に
無いから乗ってみる?」と言ってくれましたが、迷いながら断りました。
当時、言われるまでも無く、乗りこなせないのは間違い無いし、素晴らしい車両に何かあっては
ならないと思いました。助手席での友人のとんでもない走りで十分に満足していました。
[NSX-Rの評価]
NSXはバブル時代の車なので、開発途中にどうしてもスーパースポーツとは掛け離れた
注文が営業から口出しされます。トランクにゴルフバックが入らなきゃダメだとか、
助手席に女性を乗せてデートに使えないとダメだとか、何とか・・・かんとか・・・。
そうじゃないと車が売れないと言う営業側の力が大きかったのは事実でしょう。
そういった邪魔な意見も反映しながらでも、NSXという車を作り上げた事が素晴らしいと
私は思いますね。純粋にスーパースポーツとして売り出すなら、余分な部分があるのは確かです。
だから車重も重くなってしまうし、車体も大きくなり、前後重量バランスも理想からズレてしまいます。
きっと開発陣は、苦労の末、悩みながらNSXを今のものとしたのでしょう。
それと同時に開発中に、やっぱりもっとスーパースポーツ側に振ったNSXであって欲しい
という願望から生まれたのが、NSX-Rです。これは開発陣が最初から創りたかった
本来のNSXだと思います。
色々とマイナスな部分を持っているNSXではありますが、
市販された状態のNSX-Rに同乗して感じた事、TOPプロがドライブしているのを
映像で見て感じた事と言えば、やっぱりNSX-Rは凄いの一言です。
市販車は、1200kg台であれば、スポーツとして十分に合格です。
NSX-Rを一般人が買う時に、
やっぱりエアコンとかオーディオとかを付けるのはアリだと思います。
サーキットonlyで使う人なら、オプションレスの素の状態で買うのも良しですが、
普通に走りを楽しみつつ、たまにはサーキットという人なら快適性をスポイルしたくない
というの気持ちも良しです。オーナーの自由でしょう。
NSX-Rの場合、ちょっと特殊なのは、TOPプロの中でも頂点にいるようなドライバーにしか、
その性能をフルに引き出せません。だからインプレッションも頂点の人しか正しく出来ません。
そんな車両なのです。
インプレッションは、その内容よりもまず「誰」がしているのかを判断すべきですね。
大した事のないドライバーがダメだダメだと言っていても気にしてはいけません。
[S2000の評価]
初代AP1から始まり、AP2・TYPE-Sまでありますが、どの型式であっても
その時代なりに改良が施されており、どの時代のS2を好むかはオーナーの自由です。
AP1は、鋭いフロントの動きと、リアのオーバーを謳われていますが、それもNSX-Rと同様に
性能をフルに引き出せていないだけの話です。
黒沢元治(通称:元さん)がニュルで、プロトタイプ最終型をドライブしていた時の映像を見る限り、
「お、やっぱりFRは楽しいな」と言っている通り、綺麗なドライブをしている時には、
リアは流れ過ぎたりはしないけれども、ちょっと理想からズレた時には、リアが流れるといった、
ちょっと難しいコントロールなのでしょう。
誰にでも安心して楽しめる操縦性能では無かったと言えるかもしれません。
腕に覚えのある人は、初代が良いのでしょう。速さだけじゃないドライブする楽しさ。
S2000らしさ。ただしドライバーに精度が求められます。
そこからの進化は、よりリアを安定に振る改良になっていました。
改良によりリアが安定し、速さも手に入れて来ています。ドライバーの持つ精度に幅があっても
車の安定性で受けてくれます。色んなドライバーに楽しんでもらえる仕様です。
初期型に近いS2000を乗りたいなら腕を磨いてからにしましょう。
これから磨きつつS2000を楽しみたいなら、最終型に近いS2を選びましょう。
TYPE-Sを乗った元さんは、「S2も・・・乗りやすくなったなぁ」と言われていました。
つまりドライバーに操作の正確さにムラあっても破綻を来たさない車両になっている訳です。
折角のS2ですから、
速さにこだわらずに、自分のドライブの精度に合わせた時代のS2を選択できれば、
それは楽しいS2ライフを味わえます。自分の腕を磨いて、精度が上がってくれば、
その精度に合わせて、車両をチューニングすれば良いと思います。精度が高まれば、
自分のドライブで破綻を来たさないレベルまで、ドライバビリティを高めた方向性に
すれば良いのです。
実際には、思い通りにチューニングが上手く行かないので、S2000はチューニングしては
いけないと言われるのですね。
Posted at 2011/08/02 13:56:15 | |
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