2011年08月03日
S2の前後バランスが、スプリングの落ち着きにより変化しました。
以前のF:-2.75mmから、現在はF:±0mmになっています。
このほんの少しとも言える変化で、OHLINSのセッティングも変更になりました。
私の車両は、AP2のTYPE-Sですが、総じて言えるのは、あまり前のめりでは
ない方が、走りとしては良い方向になっている気がします。
S2の進化の歴史は、Hボーン・フレームが幅広になっており、フロントのアーム長が
短くなってしまう事によるフロント・サスペンションの自由度の低さとの問題と、
リアの安定性との闘いでもあると言われています。
OHLINS FLAG-Sを普通に組んでしまうと、車高全体が低くなるし、
前後バランスにおいては、かなり前のめりとなります。
それはそれで格好はとても良いのですが、純正の姿勢よりも前のめりとする事は、
リアの安定性を低くする方向性になってしまいます。
その代わりにフロントのクイックさがもっと顕著になってしまいます。
FLAG-Sの面白い所は、スプリングがF:5.5kg/mm、R:6.5kg/mmという数値で
一見、凄く軟らかいと思われます。周りのS2を比較すると、凄く柔らかい様な気が
ずっとしていました。
・・・がここに来て、これ位の方が良いのでは?と思えて来ました。
元々、S2はフロント・サスペンションの自由度が低いですが、
最も理想的なポジションが、純正車高でのアーム位置であり、そこを中心として、
よく動いてくれる足が、走りには最適だろうと思われます。
あまりにも車高を落としていては、そこからさらにサスが動けば、
理想の範疇から大きくズレてしまって、良い走りに繋がる事はない様な気がします。
ここで重要なのは、HONDAがS2をしっかりと作り込んでいる事です。
だから大きく弄ってしまうと、それが良い方向にはならないという結果が予想されます。
元々、大してしっかりと作られていない車両であれば、大丈夫なのですがね。
スプリングが柔らかめで車体の姿勢が変化するけれども、それが走りに悪影響を
与えるとしたら、通常であれば、姿勢が落ち着くまでの変化量が大きい為、
それに至るまでの時間が掛かってしまうと言う事ですが、そこはFLAG-Sの
性能で多少は何とかなります。
低速の微小なサスの動きであっても、初動からしっかりと減衰力が発生しますので、
姿勢が落ち着くまでの間、待つ事なく、すぐに荷重が掛かります。
ロールしながらも荷重を掛けられるので、操縦性能はレスポンスが悪くありません。
ロール終了してから、荷重が掛かり、車体をコントロールするという通常の手順では
ありません。ロールし始める段階で、すでに荷重が掛かり始めるので、
車体コントロールが可能となります。
サスが動く事による変化で、悪い影響が出ないのであれば、良く動く方が良いし、
待ちやタメの時間も高性能ショックアブソーバーで問題を解決する事が可能となります。
ブレーキでしっかり姿勢変化させ、フロントに荷重をしっかり乗せて進入する。
定常円では、フロントとリアの前後バランスでオン・ザ・レールとなる。
加速では、リアに荷重を移して、リアをブレイクさせる事なく車体を前に進める。
もしも前のめりの姿勢で、硬いスプリングを用いて、その姿勢からの変化が少ない
車両があった場合は、どのような走りになるのか。
スプリングが硬い場合、バランスが取れないので減衰力も硬くします。
結果的に乗り心地は悪くなるし、振動も強くなり、ちょっとした起伏でも跳ねます。
メリットは、変化量が少ないので、全体的なドライブが楽になります。
待ちも無いし、レスポンスも良いので、ドライバーが神経をすり減らす事なく、
ステア操作も楽になります。
格好は当然、良いのですが、デメリットとしては
前のめり姿勢から変化しない以上、定常円でもリアに安定が足りないし、
加速でも、リアに荷重が乗せる事が出来ずに、リアがブレイクしてしまいます。
私のS2のセッティングは
OHLINS FLAG-Sの有効ストロークを維持するように推奨車高設定のまま
2種類の嵩上げ方法を組み合わせて、純正車高と純正の前後バランスを目指しました。
全長調整式車高調だったら、楽だったのにな。
結果的には、前後6mmの車高ダウンとなり、前後バランスは±0mmを実現。
アライメント調整は、純正の設定値の範疇で、左右差を0にしています。
足は良く動くので、乗り心地は比較的良い方です。走り好きなら我慢できるレベルです。
よく動く分の待ちやタメの時間は、車体の反応やコントロールに影響しますが、
FLAG-Sの性能で、多少は緩和しています。
前後の動きは荷重での変化も大きいので、ドライバーのコンタクトフィール能力が
走りの「質」となって影響します。上手いドライバーなら速い結果を出せますが、
下手なドライバーだと遅くなります。腕の差が顕著に結果に出てしまいます。
タイヤF:215、R:245の幅でのバランスが、ちょうど良い状態です。
前後バランス、F:±0mmが適正でした。車体を純正を目指して仕上げていますので、
色んな数値が純正値で上手くまとまってしまいます。
それこそ、S2の純正が良く出来た車両である事を証明していると思います。
Posted at 2011/08/03 20:51:03 | |
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