
[写真・画像] subaru LEGCY B4 より
スバル・レガシィ
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レガシィ(LEGACY)は、SUBARU(旧・富士重工業)が生産・販売する乗用車。
同社の看板車種であると共に、アルシオーネSVXの販売終了以降はスバルの旗艦車種となった。
[『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p90]
1 概要
スバル・1000から始まる水平対向エンジン、レオーネで実現された4WDセダンという、自社の特色として持っていたエンジン・駆動系を採用することで、販売増へとつながり、国内販売を回復させ、1980年代の倒産危機から当時の富士重工を救った車両である。
[“【富士重からSUBARUへ】いまのスバルにつながる1980年代の英断、そして「レガシィ」が生まれた | clicccar.com(クリッカー)” (日本語). clicccar.com(クリッカー). (2017年3月31日) 2018年10月13日閲覧]
ツーリングワゴンをはじめ、アッパーミドルサルーン(当初はスポーツセダンとして展開)のB4、ステーションワゴン型SUVのアウトバックなど、いずれのバリエーションも日本国内外で高い人気を誇っている。[特に「ツーリングワゴン」は日本を代表するステーションワゴンとして知られている]
2020年6月22日をもって、日本国内向けの受注を終了した。
[ “レガシィB4 受注終了で歴史に幕! 名門消滅に現場の声は?”. ベストカーWeb(講談社ビーシー) (2020年6月25日). 2020年9月6日閲覧]
2 初代 BC/BF系(1989年-1993年)
7 6代目 BN/BS系(日本仕様・2014年 - 2020年、北米仕様・2014年 - 2019年)
6代目の日本仕様はツーリングワゴンが廃止され、4ドアセダンの「レガシィB4」とクロスオーバーSUVの「レガシィアウトバック」の2ボディ構成となった。なお、海外仕様は先代に引き続き「レガシィ」(豪州市場のみリバティ)の名称で販売される。なお、本項では、「レガシィB4」について述べる。
フロントはバンパー一体型ヘキサゴングリルとホークアイヘッドランプによってスバル車のファミリーフェースを構築し、リアコンビランプはヘッドランプと共通のモチーフを採用。また、塊感のあるフォルムとのびやかなキャラクターラインにより、たくましさと機敏な走りの両面を表現した。
ボディサイズは、先代に対して全長は+50mm、全幅は+60mm拡大された。なお、全高は-5mm、ホイールベースは先代と共通の2,750mmである。
インテリアでは、筒型2眼メーターを採用し、メーター中央にEyeSightやSI-DRIVEの作動状況を表示する大型カラー液晶マルチインフォメーションディスプレイを搭載。「Limited」はメーターリング照明も装備した。また、ダッシュボードをソフトパッド化し、クッション厚を増したアームレストを採用する等、インテリアの品質も向上。内装色はブラックとアイボリーの2色展開とした。さらに、日本仕様のスバル車では初採用となるハーマン・カードンサウンドシステム&SDナビゲーションをメーカーオプション設定した。
Aピラーの付け根を前出しすることでキャビンを拡大するとともに、ドアミラーのショルダーマウント化やフロントパーテーションガラスの採用により、ドアミラー前方の死角を減らし、前方視認性を向上。また、前席はシート間距離を広げ、ドアトリム構造を見直すことで着座時のスペースを拡大。後席も前後席間距離の拡大により足元スペースを拡大した。
エンジンは先代から継続搭載される水平対向4気筒2.5L「FB25」型のみとなり、2.0Lターボエンジン「FA20」型は廃止された。また、北米市場を中心とした海外仕様では、先代に引き続き、水平対向6気筒3.6Lエンジン「EZ36」型を設定している。 「FB25」型は、形式名こそ先代モデルと共通だが、約8割の部品を新設計とした改良型である。吸排気系、燃焼系を中心に大幅な進化を織込むことで、実用域での扱い易さや軽快な走りを維持しながら、燃費性能の向上を果たしている。また、チェーンの駆動音やピストン、オルタネーターなどの作動音を低減することで静粛性を高めるとともに、エンジンフィーリングの上質感を高めている。さらに、吸気音をチューニングし、心地良いエンジンサウンドを実現している。最高出力は、+2PS(+2kw)の175PS(129kw)とわずかに向上。最大トルクの数値は24.0kgf・m(235N・m)で、先代から変化はない。
リニアトロニックにも改良が施され、アクセル開度によって変速特性を切り替えるオートステップ変速制御や6速マニュアルモードのパドルシフトを採用。また、トランスミッション内部のフリクション低減により燃費性能を向上し、ダイナミックダンパーなどを追加することで振動騒音も低減した。
ボディやサスペンション取り付け部の剛性を高めることでサスペンション部がしなやかに動く質感の高い走りを実現し、サスペンションはスタビライザーの改良やショックアブソーバーの減衰特性を最適化し、「Limited」には新バルブの採用とフロントストラットシリンダ径拡大により、ダンパーのピストン速度域に応じた減衰特性の設定が可能となる「スタブレックス・ライド(STABLEX-Ride)」を採用。コーナリング時の安定性と快適な乗り心地を両立させている。
ステアリングは小型・軽量・高出力性能のコントロールユニットを内蔵した電動パワーステアリングを採用。ブレーキは、高応答性ブースターを採用するなど、応答性、コントロール性を向上させている。
安全性能では、先進安全技術であるEyeSightを大幅に進化。より広角かつ遠方まで補足し、カラー認識も実現したEyeSight(ver.3)に発展。操舵支援機能であるアクティブレーンキープをはじめ、AT誤後進抑制制御、ブレーキランプ認識制御などの新機能を追加したほか、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールの性能向上を図っている。 また、旋回時のトレース性を高めるアクティブトルクベクタリングを新採用したほか、ホットプレス成形材をはじめとする高張力鋼板の採用範囲を拡大することで、軽量化を図りながら全方位からの衝突に対してトップレベルの安全性も両立した。
-自動車のスペック表-
スバル・レガシィ(6代目)
スバル・レガシィB4(4代目)
BN9型
販売期間
日本:2014年10月24日 - 2020年7月
北米:2014年9月 - 2019年8月
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドア
エンジン FB25型:2,498cc 水平対向4気筒DOHC
駆動方式 四輪駆動(アクティブトルクスプリット式AWD)
最高出力 129kW (175PS)/5,800rpm
最大トルク 235N・m (24.0kgf・m)/4,000rpm
変速機
リニアトロニック(6速マニュアルモード付)(2014年10月-2017年9月)
リニアトロニック(7速マニュアルモード付)(2017年9月-)
サスペンション
前:ストラット式独立懸架
後:ダブルウィッシュボーン式独立懸架
全長
4,795mm(2014年10月-2017年9月)
4,800mm(2017年9月-)
全幅 1,840mm
全高 1,500mm
ホイールベース 2,750mm
車両重量
1,530kg(2014年10月-2017年9月)
1,540kg(2017年9月-)
ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
7.1 年表
・2013年11月14日
2013年ロサンゼルスオートショーに、「レガシィ コンセプト」を世界初公開。
[ “スバル「レガシィ コンセプト」を2013年LAオートショーにて世界初公開” (プレスリリース), 富士重工業株式会社, (2013年11月14日)]
「レガシィ コンセプト」は、2014年でレガシィ生誕25周年を迎えるに当たり、次期モデルのデザインの方向性を提示する「ミッドサイズセダンコンセプトモデル」として発表された。
・2014年2月7日
2014年シカゴオートショーで6代目レガシィの米国仕様を世界初公開。
[ “スバル 新型「レガシィ」を2014年シカゴオートショーにて世界初公開” (プレスリリース), 富士重工業株式会社, (2014年2月7日)]
米国仕様は、水平対向4気筒2.5L、水平対向6気筒3.6Lの2種のエンジンを搭載することを発表。
・2014年10月1日
新型レガシィ アウトバック/B4の専用サイトを開設。
[“スバル 新型レガシィ アウトバック/B4 専用サイトオープン~10.24 LEGACY New SUBARU Quality はじまる~” (プレスリリース), 富士重工業株式会社, (2014年10月1日)]
同年10月24日にフルモデルチェンジすることも合わせて発表。
・2014年10月24日
フルモデルチェンジ。
[“スバル 新型レガシィ アウトバック/B4を発売” (プレスリリース), 富士重工業株式会社, (2014年10月24日)]
グレード構成は標準仕様の「LEGACY B4」(以下、B4)と上級グレードの「LEGACY B4 Limited」(以下、B4 Limited)の2種を用意。エンジンは、水平対向4気筒2.5L「FB25」型を搭載し、トランスミッションは自動無段変速機「リニアトロニック」(6速マニュアルモード付)を組み合わせる。駆動方式は、全車「アクティブトルクスプリットAWD」のみの設定である。
ボディカラーは、新設定の「クリスタルホワイト・パール(有料色)」、「ラピスブルー・パール」に加え、先代から継続設定となる「アイスシルバー・メタリック」、「ダークグレー・メタリック」、「クリスタルブラック・シリカ」、「ヴェネチアンレッド・パール(有料色)」、「ディープシーブルー・パール」の全7色を設定。
・2019年9月3日
一部改良モデルを発表。(11月8日発売)
[ “SUBARU「レガシィ アウトバック/B4」一部改良モデルを発表” (プレスリリース), 株式会社SUBARU, (2019年9月3日) 2019年9月5日閲覧]
グレード体系が見直され、標準仕様の「B4」を廃止する替わりに、専用内外装を採用しつつ価格を抑えた新廉価グレード「B-SPORT」が追加され、「Limited」にはブラウンレザーインテリアが追加設定された。
・2019年9月(補足)
北米市場において7代目レガシィへの移行に伴い、6代目レガシィの販売終了。
・2020年6月22日
日本国内向けの受注を終了。
[“レガシィB4 受注終了で歴史に幕! 名門消滅に現場の声は?”. ベストカーWeb(講談社ビーシー) (2020年6月25日). 2020年9月6日閲覧]
・2020年7月
日本においてレガシィの販売終了。
[Subaru Legacy - Subaru Japan(08/04/2020)].
8 生産工場
8.1 日本国内
日本(群馬県太田市・大泉町)
・太田市(社内呼称:矢島工場 ボディプレス、溶接、ペイント、トリム)
・邑楽郡大泉町(社内呼称:大泉工場 パワーユニット(エンジン・トランスミッション 加工・組立))
8.2 日本国外
・アメリカ合衆国インディアナ州
スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ・インク (SIA)
9 車名の由来
・「レガシィ(LEGACY)」とは、「大いなる伝承物」「後世に受け継がれてゆくもの」もしくは「遺産」の意味。
・オーストラリアのみ「LEGACY」という単語が戦争を想起させる[注釈 14]という理由から、現地名は「リバティ(LIBERTY)」となる。なお、同じオセアニア圏であるニュージーランドは他国同様にレガシィである。日産・リバティと現地名は無関係である。
・しばしば「レガシー」と誤記されることがある[注釈 15]が、正しくは、カタカナ表記は「レガシィ」である。
12 関連項目
・SUBARU
・スバル・レオーネ
・アスカCX - 初代のセダンをベースとしたいすゞ自動車へのOEM供給車
・スバル・バハ - 2代目レガシィランカスター(2代目アウトバック)をベースとするピックアップトラック。北米市場専用モデル。
・スバル・レガシィアウトバック
・スバル・レヴォーグ - レガシィツーリングワゴンの後継車種
最終更新 2020年9月21日 (月) 22:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
6代目"レガシィ"こと、4ドアセダンの「レガシィB4」が生産終了となった。北米では昨年2019年9月にフルモデルチェンジして"7代目レガシィ"に成っていた。"レガシィB4"は全長4800mm・330万円でカムリ4910mm・350万円~と同等な"高級車"であった。スバルでも
高級車セダンの販売不振が出た格好だ。
でも日本国内では、ステーションワゴン「レヴォーグ」を"レガシィ・レヴォーグ"と思っている人もいるんじゃ・・。