
群馬県藤岡市から南牧村へと延びる総延長67.1kmの「御荷鉾スーパー林道」。
その昔シルビアで訪れたというじーてぃーすりーさんより、大半未舗装ながら走りやすく眺めもなかなかと聞かされ気になっていた。
全線走破の周回コースとなると少々しんどそうだが、並行する国道へのエスケープが何ヶ所かあるので、これを利用し最高点含む中盤22kmを引っ張り出して周回ルートを描いてみた。
起点は神流町の「道の駅万葉(まんば)の里」。
反時計回りにまずは塩沢峠を目指し、峠から林道入り。杖植(つえたて)、八倉、桧沢と三つの峠を経由し、塩之沢峠から下界へ舞い戻る60km少々のプランだ。
ようやく雨の心配のなくなった10月三連休最終日、抜けるような眺望を期待し、ネタ提供のじーてぃーすりーさんとともに走りに行ってきた。
道の駅を6時過ぎに出発、国道を東へ1.5km程戻り分岐する県道46号を「スーパー林道・塩沢峠」方面へ左折する。
ここのところの週末はずっと雨続き。このツーリングも9月から実は3回延期していた。
江戸川すらも殆ど走っていなかった脚はどうにも回らず、対して、月初めにスバルラインを登り、またそれに備え天気のよい平日早朝、江戸川を流していたというじーてぃーすりーさんにじりじりと離されてしまう。
塩沢ダムで最初の休憩。
終日「晴れ」の予報に反し曇り勝ちの走り出しであったが、少し日が差してきた。
早くも上がり気味の脚を奮い立たせるのは、上へ行けばきっと見えるであろう、青い空を背景にした山々の連なる眺めだ。
先へ進むと、あれ? 何だか勾配が増している!
短く登り長~く下るコースプランのため、しばらく続く急勾配。
堪らず足を着いてしまった、この日一番の"心臓破り"。
急登のお蔭、道の駅から9km程で700m余りの高度を稼ぎ、「塩沢峠」(1,073m)に到着。
ここでいよいよ、東から来る御荷鉾スーパー林道と合流だ。
晴れていれば絶景が拝めたであろうに、空はまだ雲に包まれて今一つ盛り上がらない。
BBハイトの関係で170mmクランクがやや長すぎ、ようやく入手したプロダイ165mmに交換してきたのが裏目に出てしまったか。
ここまで何となくポジションに違和感を感じながら登ってきたが、右のひざ裏が痛くなってきた。
峠でシートを少し下げてみる。
峠の先で「富岡・藤岡」方面との分岐を左折すると、しばらく未舗装路が続いて行く。
シートを下げたお蔭で脚は若干楽になったが痛みは残り、緩くなった勾配にホッとする。
眼下に見えるのは、富岡の市街だろうか。
お約束の・・・。久しぶりの山行で今回はうっかりクマ鈴を置いてきてしまった。
峠から3km少々の所にある御荷鉾森林公園管理棟。
トイレを借りに入らせていただくと、感じのよい管理人さんが居られ、「休んで行ってください」と、給水器のお水(冷&温あり)を勧めてくれた。用足しを済ませ、棟内の椅子に腰かけていただく冷った~いお水は、身体の隅々まで沁み渡って行く。
つい先ほど峠で休憩したばかりではあったが、居心地の良さにまたしてもまったり。
管理人さんから、6km程先から路面はしばらく荒れていると貴重な情報をいただく。
持っても走っても重いのが嫌で当初700Cで来ることも考えたが、ランドナーにしておいて取り敢えずは正解だったようだ。
TA、ストロングライトより細身のプロダイがカッコよく決まっているが、とにかく重いSILK。
じーてぃーすりーさんのTOEI。
新調したばかりの犬印フロント&サドルバッグを装着。サドルバッグはリアサポーターできれいに固定されている。
もう少し待って紅葉の頃に来てもよかったかな。
せっかく高いところへ登ったというのに、相変わらずの空。
何もないこの日の最高点(1,475m)。ここからは概ね下り基調だ。杖植峠は少し下った先にあるが、それを示すものがなく、通り過ぎてしまった。
管理人さんから聞いた通り、大分路面が荒れてきた。
60kmを超える林道は複数の町村にまたがり、管理もまちまちのため、このようにガレガレの区間も。
反対から来たら苦労していただろう。下りなので路面を選びながら何とか進んで行ける。行けるが、とあるカーブを曲がると前方に三頭の獣の影!
一瞬、クマか! と思ったが、猪三兄弟。
不意のことに身体が硬直、カメラに収められなかったので、再現画像。
あちらも一瞬固まったのち、すかさず背を向け三頭脚を揃えてカーブの向こうへトンズラ。
あちらはあちらで慌てた姿が、やや可愛くもあった。
「どこかに隠れていて、近付いたら飛び掛かってきたりしないですかね」
「向うも怖がって逃げて行ったようなので、大丈夫でしょう」
ビビり気味の自分に対し落ち着いた返しのじーてぃーすりーさん。
幸い待ち伏せはされていなかった。
八倉峠の少し先、仰々しい「通行止」のバリケードに出くわす。
途中崩落個所があると予習してはいたが、エスケープルートがあったはず。
行ってよいものか考えていると下から二輪が登ってきた。
道はこれしかないし、先へ進む。
2007年9月の台風9号による崩落点。
ここから先、道がそっくり消失している。
既に9年が経過していることもあろうが、斜面に道路があった痕跡は皆無だ。
眺めがよいのでここで昼食をとも考えたが、地図上で少し先に「展望台」の文字があり、眺望を期待しそちらへ向かう。
林道沿いとばかり思っていた「展望台」は、近くまで行くと分岐を上方へ「400m先」の表示。既にスタミナ切れの脚は重力に逆らう余裕がない。
再びブレーキレバーを緩め、道路沿いのやや開けた場所で火器を広げることにした。
結局青空が覗いたのは序盤塩沢ダムでの一瞬のみ。
荒れ気味ダートの下りはゲップが出るほど堪能したが、物足りなさは否めない。
左手の開けた整った舗装のダウンヒル。晴れていたらさぞや爽快なことだろう。
ぐんぐん下り、桧沢峠・塩之沢峠は通り過ぎてしまった。
湯ノ沢トンネルからの県道45号と合流。
国道299号と合流。
国道合流後は何と向かい風。
緩い登り返しも脚に応え、道の駅までの20kmの遠かったこと。
道の駅帰着は15時過ぎ。すばやく撤収するが、関越渋滞は既に始まっている模様。
じーてぃーすりーさんと二台クルマを連ね、圏央道・東北道経由で自宅へ帰り着いたのは3時間半後のこと。
いつもは自転車を掃除し部屋へ上げるのだが、この日はその余力も残っていなかった。
じーてぃーすりーさん、お疲れ様でした。