リード100復旧作業。
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
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走行1564km。
実走行なのは外装の無塗装樹脂部品を見れば明らかで、恐らく新車から少し走って室内保管されていたものと思われる。
しかしながら日本は湿度が高いので、放置すれば金属製のパーツは錆び、ゴム類は経年劣化で固まり割れていきます。
なので、コイツは「低走行なら新車に近いから安心」ではなく、「適度に動かしてある方がまだマシ」という典型例でしたね。
納車されて家までの道のりで、フロントフォークのオイルシールが抜けました…原因はインナーチューブの点錆で…。
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取り敢えず、フロントフォークをO/Hするところから始めました。
手持ちのパーツリストからインナーチューブ(パイプCOMP,フロントフォーク 51410-GCS-003)と、シール(シールセット,フロントフォーク 51490-GAA-305)の品番を出して発注…しようとするも、インナーチューブは廃製で在庫もなしとの事で…。
アウターチューブの形状が、後のスペーシー100やリード110(前期)と共通している為、インナーチューブも同じ径31mmだしイけるのでは?と検索するも、リード100用は全長が420mmなのに対し、スペーシー100からは430mmになっている事が判明…つまり、インナーチューブが長く、スプリング長も異なる訳で、「使えない」という事です。
スペーシー100以降の物を丸ごと使った場合も検討したが、センタースタンドが使えなくなる可能性が高くなるし、タダでもターンインでフロントの入りが悪いのに、長くしてキャスターまで寝かせるのは論外なので、諦めました💦
仕方無くシールセットだけ新品を発注し、インナーチューブは中古フロントフォークをオクで探してくる事になった💦
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あと、ブレーキもマスターシリンダーのブーツが切れて点検窓も濁っているので、コチラもキャリパーと併せてO/H確定しました…orz
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それから駆動系…後期型のリード100はトルクカムとクラッチスプリングがゴミなので、ライブディオZXと同時進行で、リセッティングしていきます。
クラッチスプリングはデイトナのライブディオZX用10%アップが組まれてました。
ライブディオZXには、リード90前期のクラッチ(22535-GW3-305)が使われています。
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トルクカムはリード100前期(23220-KFH-000)を入れるのが定番メニューですが、残念ながら純正は廃製…オクではソレをいい事に4倍~6倍の値段でふっかけている悪どい出品者が多いけど、ソイツらを無視して、KN企画から出ているリード100前期用トルクカムの模造品である、チューニングトルクカムという商品を購入。
ココはスペーシー100も需要があるおかげで、まだパーツが出るのが救いですね…。
で、コイツのトルクカム溝の下部をリューターで更に削り込み、変速可動域を高速側に増加させるチューニングを施す。
昔はワイドレンジ加工したソレを活かす為に、クラッチの当たり面もオイルシールと一緒に1ミリ程削り落としたものだが、今はKN企画から0.5mm厚のクラッチオフセットワッシャーが出ているので、ソレを2枚入れて組み込んで、加工の手間を簡単にする。
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リード90用クラッチは既に廃製なので、取り敢えずリード90後期&100用クラッチ(22535-KBN-306)にデイトナのライブディオZX用10%アップクラッチスプリングを組み込む。
これで、リード特有のアイドリングで盛大に半クラしてしまうのを抑止してやります。
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ウエイトローラーは、ノーマルだと前期が14g、後期が12gだけど、どちらも重すぎてクラッチが繋がる前に変速が始まってしまうし、ダッシュ力的にも話にならない為、定番のウエイト抜き&ヤマハ用ウエイトローラーに入れ替えていきます。
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ウエイト表。
8.5gが沢山ある訳ではないので、取り敢えずはトータル51gになる様に組む事にした。
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加工が終わったので、ライブディオに組む方とリードに組む方を並べてみた。
左がライブディオに組む、クラッチにリード90前期用(22401-GW3-000)を組み込んだセットで、右がリード100に組む、クラッチにリード90後期&100用(22535-KBN-306)を組み込んだセット。
クラッチシューの厚みの違いがお分かりいただけただろうか…。
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ちなみに、違うのは厚みだけでなく長さとオフセットまで違います。
リード90前期用ではアウターローターとのズレは無いのですが、リード90後期&リード100用では何故か下にオフセットされていて、アウターローターに1mm程当たらない部分があり、偏摩耗していきます。
つまり、リード90後期&リード100用は、シュー自体が薄くなるわ長さが減るわオフセットしてアウターローターに当たらない面があるわで、耐久性も圧倒的に無くなっています。
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リード90前期用は、4万キロ使用してもコレです。
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それに比べ、リード90後期&リード100用は1560kmしか使っていないのにコレです…酷いですね。
取り敢えずクラッチはスペーサーで1mmオフセットされるので、摩耗せずに耳が出来てしまった部分のシューは削り落として再使用します。
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ドライブプーリーは、イン側とアウト側を削り落として、ローでは更に内側に、ハイでは外側にランプレートがせり出せるように加工します。
イン側を加工する理由は、プーリーボスを1mm落とし、トルクカムの加工でオーバードライブ側の変速比を稼ぎつつ、従来のロー発進を出来るようにする為です。
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ライブディオの方に組み込んだ写真です。
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ベルトはこの位置まで来ます…ただコレ、条件があって、カメレオンファクトリーのベルトを使った場合限定なんですよねw
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なので、ノーマルベルトで組んだ方は…こうなってしまいます💦
こちらにも、カメファクベルトが欲しいトコロです。
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マスターシリンダーとキャリパーもO/Hしました。点検窓も社外品ですが交換しています。
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フロントフォークは、ヤフオクでインナーチューブに錆のないモノを購入。
そしてうちのリード100のアウターチューブは錆を落として再塗装し、スプリングやシートパイプ、ピストンリング、ブッシュガイドやバックアップリングもうちのリード100用を再使用しつつ、ヤフオクで買った方のフロントフォークからインナーチューブのみを取り外して組み直す作業をする。
だが、アウターチューブ下からシートパイプを結合しているキャップボルトが固く、ウチのは問題なく緩められたのだが、ヤフオク中古品は1本だけ舐めってしまい外せなくなりました。
なので、切り飛ばしてインナーチューブのみ摘出しました。
リード100の油面調整は、インナーチューブを圧縮させた状態で、上面から78mmが規定油面、オイル容量は83ccです。
スプリングはピッチの狭い方が下なので、お間違えなく。
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インナーチューブが錆びてないってイイネ❤
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フォークさえ復旧すれば、あとは早い。
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サクサクっとエア抜きも終了。
点検窓が綺麗なのって気持ちいい✨
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左レバー&ホルダーは、ウザったいコンビブレーキを解除する為にリード90用に交換しました。
でも、そのままだとリヤブレーキ用ワイヤーが短いので、フレームにワイヤーを嵌めている部分を一部外して引っ張って、長さを確保する必要があります。
それから、リード90用はミラーホルダーの位置が異なるので、そこも何とかしないといけないですね。
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まぁ、ミラーホルダーがこれだけズレているなら対策は逆にし易くなる。
適当なステーを曲げて穴開けして、ナットをステーに溶接して解決してしまいます。
リード100は外装とのクリアランスも大きいので、こういうのもやりやすいんですよね。
これでコンビブレーキ解除も簡単?
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完成したのでツーリングに出かけて来ました。
…そして、長年走らず保管されていた車両特有の、新たなる問題が発生したのでした…。
うん、多分②に続く。
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