目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
【いきさつ】
・前回はGセンサーの出力信号の代わりにV-Proからの電圧出力信号をアテーサの回路に入れて
制御しようと試みましたが、ここの電圧を大きく変化させてもFrへのトルク移行は劇的には変化さ
せられませんでした。
・そこで今回はトランスファへの供給油圧を制御している「ETSソレノイドの直接駆動」にチャレンジし
てみようと思います。
・回路図を見れば分かるように、ETSソレノイドはIGNからの電圧をETSアクチュエータリレーを介して
受け、これをETSコントロールユニットにてPWM制御することにより電流制御されています。
つまり、ETSソレノイドとETSコントロールユニット間の配線を切断して、ETSソレノイドのGND側で
PWM制御を行えば自由に制御できる訳です。
そして、ETSコントロールユニットが断線検出(フェール判定)をしないようにETSソレノイド相当の
擬似負荷を挟んで電圧をかけておけば良いと思われます。
2
・幸いにもV-ProにはSW出力の中にDutyコントロール機能があります。解説書によればこれはGND
側のスイッチングとして用いる事が前提で、電圧は12V相当、電流2A以下、駆動周波数は最大で
100Hzの仕様となっています。ETSコントロールユニットのソレノイド駆動周波数は250Hz程度らしい
ですが、ここは100Hzで我慢する事とします。
(一般的にリニアソレノイドはDuty信号による振幅を抑止する目的で高めの周波数を用います。)
尚、整備解説書によればETSソレノイドの公称抵抗値は6Ω(常温、非通電時?)なのでDuty100
%で連続使用しなければV-Proの回路損傷は起きない様に思います。
・V-Proではこの制御Duty値を回転数Mapとして設定する事ができます。縦軸は吸気管圧力、スロッ
トル開度、エアフロ出力、水温の4種類から選択できますので、前回と同じ考え方で圧力を制御パ
ラメータとして使用する事とします。
3
【結果】
・添付データにてテスト走行をしてみましたが、残念ながら4WDランプが点灯(フェール判定⇒2WD)
となってしまいます。この時のETSコントロールユニットのLED点滅20回なので、ETSソレノイド異常
と認識されてるようです。。。完バレ Orz
・どうやら単なる擬似抵抗では駄目な様で、実際のソレノイドに近い R&L の擬似負荷を用意する
必要がありそうです。つまり、ETSコントロールユニットを騙すのはかなり難しいと言う事です(^^;
4
さて、ここで諦めては今までの苦労が水の泡なので、次の手を考えてみました。
【対策】
・回路図に示す様にノーマルの回路は生かしたままにしておき、ETSソレノイド電流をV-Proへ漏らし
てみる事にしました。つまり、ノーマル制御によるETS駆動DutyにV-Pro駆動Dutyを加算する訳で
す。この方法で上手く行けば「減速時はノーマル制御のままで、加速時のみFrへのトルク移行を早
く&強くする」事ができますので、ゴキの狙い通りになるかも知れません。
※市販のアテコンではストレートボリュームを上げる事で加速時のトラクションはアップしますが、
弊害としてコーナー進入での減速時にアンダーステアが強くなってしまいます。
・また、今回の方法はノーマルETS制御を生かしたままになっていますので、従来と同じ様に社外の
アテコンもそのまま使えます。
・但し、調子に乗って余り多くの電流をV-Pro側に流すとETSコントロールユニットに見つかってフェー
ル判定されるかも知れないので、V-ProのDuty値は控えめに設定する方が安全と思います。
なんせ、急に2WDに切り替わると凄く危険なので真似をされる方は十分にお気を付け下さい。
5
注意事項ですが、
・ETSソレノイドの駆動周波数(250Hz)とV-Proの駆動周波数(100Hz)は異なりますので、V-Pro
からのDuty信号は単純な加算には成りません。
・また、ETSコントロールユニットとV-Proが共にONしている時はETSコントロールユニット側に電流
を流さないとフェール判定されそうなので、V-Pro側の回路には若干の抵抗を入れる事としました。
6
【結果】
・苦労した甲斐があって、目標の特性に少し近付いた気がします p(^o^)q
先ず、直線で2速の加速ではフルブースト後のホイールスピン量が明らかに減りました。
また、旋回中におけるアクセルON時の挙動が変わりました。
【従来】 アクセルON直後に一瞬オーバーステアが出てからアンダーステアへ移行
【今回】 アクセルON直後からアンダーステア傾向(Dutyプログラム次第)
・次にV-ProのDuty値とフィーリングの関係を調べるためにステアリングを目一杯切り込んだ状態で
ローギヤにてゆっくりと定常円旋回をしてみました。
V-ProのデータはMap全域に同じDuty値(下記)を入れてテストしました。
①Duty10%;前後タイヤの回転差による引きずり感が若干伝わって来ます。
この感触から、ターンインやコーナーのアペックス付近ではDuty10%以下の方が良
さそうな気がします。
②Duty20%;明らかに引きずり感があります。
この感触から、コーナーリング後半から加速移行区間に適している気がします。
③Duty30%;かなり4WDに近くなります。タイトな旋回は難しそう。
④Duty50%;このテストでは駆動系が壊れそうなくらいトランスファが効いてます(^^;
勿論これはコーナー脱出時のフルパワー時に有効と思います。
・最後にこのゴキ式アテーサチューンのシステムロバスト性を確認してみました。
結果的には、無負荷アイドル状態でV-Pro Duty95%までは4WDランプは点灯しませんでした。
推定ですが、恐らくETSコントロールユニットは自分が回路ONの時にだけ電圧or電流波形を
チェックしているのだと思います。即ち、V-Pro側のリーク回路に抵抗を入れておけばETSコントロ
ールユニットが導通している時はV-Pro側には電流が流れないのでバレ難いのだと思います。
7
・現状は取り敢えずの暫定プログラムですが、実践にも使えそうな感触が得られました!
今後は実際にサーキットを走って煮詰めて行きたいと思いま~す v(^o^)v
・個人的にはいい感じになったと思いますが、真似される方は自己責任でお願いしますネッ( ^o^)/
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