
さすがに雨を日本列島から追い出すことが出来ず、台風のような雨の中を走ってきました。
試乗車の概要は、4ドアセダン、パフォーマンスパッケージ装着車(487ps)、AMGスピードシフトMCTというトルコンの代わりに湿式多板クラッチを用い、遊星歯車式変速機を組み合わせた方式のAT、左ハンドル、ODOメーター2500kmというほぼ新車。
見た目だけでも大きなエンジンを収めるためにフードが盛り上がっていたり、ワイドで高扁平のタイアが付いていたり、スポイラーが付いてたりと、ただのCとは違う雰囲気をバシバシ醸し出しています。かなりカッコ良いです。
ややこしい操作方法のレクチャーを早々に済ませ、走り出しました。時刻は10:00前くらいだったでしょうか? ガソリン満タンしてくれています。返すときに満タンにしなくても良くて、ETCも使い放題と言う一種のVIP待遇です。ま、試乗の延長ですからね。こうなるんでしょう。
今日のルートは、有田ICまで高速、そこから金屋に行ってR424、425で龍神、その後奇絶峡を下って田辺へ、そこからR42,311、中辺路から龍神、仕上は高野龍神スカイライン、そしてR480?で笠田に降りて帰ってきました。総走行距離273km、郊外のワインディング9割、市街地1割ってな感じでしょうか。
こんなモンスターマシンを雨に走らせるのは恐かったんですが、トラコンも付いてるし、ESPも付いてるので事故ることは先ずないと言い聞かせての出発です。
乗った感想を一言で表現すると、さすがAMGチューニング、「緩いところが全く無い」です。
エンジンは、回すほどパワーが盛り上がる高回転型、最高出力発生回転数が6800rpmで、7200rpmまで回ります。シャキーンって加速していきます。中低速トルクはないかというとそうでもなくて、さすが大排気量車、普通に走るには1500rpmも回っていたら充分走らせることが出来ます。
美味しい回転域は3000~4000rpmあたりでしょうか。特に今日のようなヘビーウェットな路面をギンギンではなくスムースかつパワフルに走れます。
足回りは市販車でこれほどまで固くするか~ってくらいダンパー効いてます。このくらい締め上げないと重い車体をクイックに振り回せないんでしょうね。大きなギャップを拾うとゲロ出そうです。^^ そのおかげでハンドル切るとスーッと曲がりたい方向にガシガシ入っていけます。予想以上にね。
前後の重量配分も大きなエンジン積んでるんだろうけど、超フロントヘビーってなイメージで重い塊がボンネットの下に納まってるって感覚は無く、意外と運転席に近いところに重心があります。数値は調べていませんが、意外とフロント軽いのでは?と感じました。
ブレーキも良く効きます。ブレンボの6ポットあたりが入っています。足が固いんでブレーキ踏んでもノーズダイブは気になるレベルではありません。
特筆モノは、AMGスピードシフトMCTっていうAT。得体の知れないクラッチですが、滑りも殆ど無く、ツインクラッチ方式ほどではないけど、充分アクセルワークに追従してきます。繋がりもスムースで文句ありません。
ハンドリングは先ほども書いたようにニュートラルで、思ったとおりスパスパ入っていきます。センターの遊びも少しだけ残しているので、直進安定性も損なわれていない、絶妙なステアリングです。足固いおかげでロールも殆ど無く、イメージ的には水平のままコーナリングしていますね。曖昧なとこがない、爽やかな足回りです。それでいてリアタイアのスタビリティも優秀。全然破綻しない。
そんなクルマでスカイタワーまで駆け上がったとき、アクセルをわざとワイドオープンさせてやるとトラコンなのか、ESPなのか分かりませんが、フニャって介入してきて何事も無かったかのように立ち上がっていきます。ど下手な僕でも安全に走れます。^^
雨の高速で○60km/hくらいまでフルスロットルかますと、ここでもトラコン働いてました。優秀です。
ま、色々書きましたが、エンジンだけが突出している訳ではなく、それに見合った足回りとハンドリング、ブレーキ、ボディ剛性を持ち合わせており、シートの出来も良くて、イケイケパッケージとして完成しています。緩いところが全く無いんですよね。それでいてゆっくり走るのも苦痛は無く、ほんと良く出来ています。僕はM3やIS-F乗ったこと無いのですが、C63は想像以上にかなり面白いクルマに仕上がっていました。随分欲しくなりました。
エキシージやスイフトみたいなライトウェイトでは有りませんが、これはこれで充分アリだなって思った次第。4人乗れるクルマでここまで面白かったクルマはとにかく初めてですね。
7年前くらいに乗ってたEクラス(W124)のようなモッサリしたイメージは全く無く、その時のように半年で手放すことは考えられないくらい楽しいクルマでした。ベンツでもAMGがチューニングすればこんなスポーツセダンが出来上がるんですね。驚き。
あ、でも笑えるのは、パドル使ってアクセル踏み踏みで走らせると、平均燃費が一気に0.5km/Lくらい下がるんですよね。やっぱそういう面でもスーパーなクルマです。
ペダル配置も絶妙かも。サイドブレーキは足踏み式なんですが、フットレスト使って踏ん張ろうとしても邪魔になるところにレバーはなく、バッチリでした。トヨタじゃ考えられないレイアウトです。
ま、そんなで最強のスポーツセダンを発見しました。AMGスピードシフトMCTが良いですね。これって去年くらいからだろうから、それ以前のモデルを選ぶのは宜しくないかと。今年モデルが300万くらいになるまで待って手に入れたいなと思った次第ですが、中古は色んなところくたびれてて、あの走りが味わえるのかちょっと疑問です。やっぱ新車が良いですね。でもエク手放すことはないと思います。
環境対応で6.2L NAエンジンが姿を消すと寂しくなりますね。
お金出すと面白いクルマ、いっぱいあるんでしょうね。ポルシェもGT-3みたいなのだったらこんな感覚味わえたのかもしれません。
走行距離:273km、走行時間:5時間26分、燃費:6.5km/L、平均速度;50km/h
Posted at 2012/06/17 02:54:23 | |
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