いつも真面目なブログ書いてますが、今日はもっと真面目な面白い事を書いてみようかと。
長いですw
LSDの選択に色々と悩みつつも、マツダスピードのLSDを分解して考察してみました。
実はあまり深い事は知らない部品でしたので^^;
意外とLSDの作動理屈や、イニシャルトルクとロック率の事を知らない方も多いのでは?
とりあえずバラバラにします。
夜な夜なチマチマ分解整備して眺めてましたw
LSDの中核であるプレッシャーリングとM/Sのカム角。
負荷が掛かるとカム角によりプレッシャーリングが押し広げられてロックするんだな。
片側のフリクションプレート。これがプレッシャーリングに押されてロックしていく。
理屈としてはクラッチと同じでこれだとトリプルプレートになり、これが多い程ロック率が高くなる。
内爪ディスクがドライブシャフト側で、外爪ディスクが駆動側になると考えれば解り易いかも?
マイクロメータで全て厚みを計測しておきました。
フリクションプレートの末端に位置するコーンプレート。
フリクションプレートに予圧を掛け、イニシャルトルク並びにフリー~ロックをコントロールする役割。
少し片摩耗が見られるのはケースのサービスホース?で均等に圧着出来ないからだね。
サービスホールが無ければベアリングの脱着に苦労するし、どっちが良いんでしょうねぇ^^;
これらが左右に離れるチカラをケースが受け止めてロックしていくのがLSDって事なんだなー。
M/Sのケースは鋳物製。 社外は鍛造無垢からの削り出しなのでそっちの方が良かな。。。
よくあるシム増しによるイニシャルアップも興味あって色々お勉強してみました。
ただ、構造的にはメーカー出荷状態の8キロ?を目指す程度が無難な気がします。
摩耗したフリクションプレートを補う位の厚さ程度じゃないでしょうか。。。
イニシャルトルクを上げてもロック率が高くなる訳ではなく、ロック率はフリクションディスクの摩擦が決める事であり、あまり意味は無いんですよね^^; 効いている気がするだけ。
ただ、逆にイニシャルトルクに頼らなくてはいけないシチュエーションてあるので、そうゆう場合は効果あるのかと。
例えるなら雪道とか。完全にスリップする状況下ではロック率よりもイニシャルトルクによる駆動が頼りになる。
だからドリフトで滑ってる時ってイニシャルトルクも重要になってくる。ロック率もだけど。
何が言いたいかとゆうと、その目的だよね。
コンマ何ミリのシムを入れたってカムはそれ以上に動きますもの。ロック率を上げたいならもっと多板式のLSDを使うべきだし、ロック率を上げるべきシム増しってのは間違ったLSDの使い方だと思う。
そんな事を悶々と考えながら次期LSDのイメージをしてました。
自分が欲しいのはイニシャル低めの1.5WAYでロック率が高い物。
OS技研のLSDがピッタリだなと♪
そんな事を考えてる時に走りの達人であるSPLなFCに乗るT氏から電話が。
運転上手な人のLSDの観点を色々教えてくれました。
解り易く簡潔にまとめると、LSDなんて必要ナイ! と言われました(汗)
LSDは進入も立ち上がりも抵抗でしかない。
LSDでトラクション云々の前にクルマのセットであり、LSDは補助的な物だよと。。。
私には仰ってる意味がよく解ったつもりです。。。 いえ、解ってました。改めて。。。
立ち上がりでインリフトするならイン側がグリップするようにするのがセオリーだと思う。
ばくおん号はF10K・R6KというFCとしては特異なレート選択してるのもその理由。
リアイン側のグリップを補う為に対角線上にFのレートを上げてたりする。
カツカツに効くLSDもどんなか試してみたくてクスコのMZ入れてみたけど、良いと言えば良いです。
ただ、ロック率が高いLSDって私みたいなヘタレにはアウト側のトラクションが抜けた時が大変。
イン側で逃げてたからアクセル踏んでいけるけど、その代償ってやっぱあるなと感じます^^;
イニシャルは低めの7キロ程度だけど、それでもアンダー感が強いかな。。。
立ち上がりもパワーアンダー傾向だからとにかくアンダーな印象の車に。
よくLSD組んでトラクション掛かるようになる。とあるけど、パワーアンダーなだけじゃね?と思うw
てなワケで、OSのLSD使うか迷ってましたが、助言もありユルユルのマツダスピードに決めました。
ちなみにT氏はビスカスらしい(驚) でも自分はLSDやっぱ欲しいので^^;
マツダスピードのLSDは一番初めに使ってましたが、色々使ってるとその良さが解る気するし。
こうゆうLSDって今は無いしね。
バラしたLSDを検証しながら組んでいきます。
ケースの溝にフリクションディスクのツメが干渉して出来た深いキズが見受けられた。
ディスクのツメが引っ掛かると正常にロックに移行出来ないのでリューターで研磨。
長く使ってると摩耗する部分なのでO/H時は見ておきたいポイントですね。
プレッシャーリングのケースとの摺動面も研磨して動きやすくしてみました。
LSDって精密ではあるのですが、動きは原始的なのでちょっとした事って大事かも。
パーツクリーナーで全て洗浄してキレイにしたらオイルを塗りながら組み立てていきます。
オイル交換だけでは取れない鉄粉もあるのでO/H時は丁寧に洗浄してあげましょー。
ディスク類はそのまま使います。
ちなみに今はもうO/Hキットが無いんですね^^;
摩耗はシムで何とかなりますけど、破損したらお手上げですな。。。
最後にイニシャルトルクの測定。
分解前は4.6キロだったのが3.7キロにダウンw
コレはオイル粘度が低いのを使ったからですね^^;
M/Sとは意外な方向に行ったな… と思われるかもしれませんね^^;
色々書きましたけど、結局は自分で好きなLSDを選択すれば良いと思います。
なかなかお金の掛かる事ですけど、DIYでLSD組んで色々試せるって良いもんですな。