2001年4月28日創刊号
当時、出口の見えないトンネルを歩き続けるような生活をもう3年くらい続けてて、これからもそんな生活がいつまで続くかわからない毎日だった。
二輪免許はもちろん、自動車の免許すらなくて、趣味を楽しむ金も時間もなかった。
そんなとき、本屋でふと手にしたこの雑誌に掲載されていた「左、300R、逆光」ってタイトルの片岡義男の読み切り小説。
その中に出てきた、会社を辞めてオートバイで旅に出ようとする女性に何だかひどく惹かれた。
そしてどうしてだかわからないけれど、ああ、このトンネルを抜けたらオートバイの免許を取ろう、って決心したんだっけ。
その後しばらくして教習所通いを初めた。
二輪の免許を取り、念願のオートバイも手に入れた。残念ながら欲しかったパパサンには手が届かなかったけれど、カワサキのシングルで色んな場所に走りに行った。
今となっては随分昔のように感じる。
件の雑誌の中に、MVアグスタのF4セリエ・オロって最高にカッコいいオートバイで夜の首都高速を朝まで走る企画記事があった。
いつかこーいうスーパーバイクの似合う大人になりて~なって思った。
実は雑誌は創刊号で、その後紆余曲折があって休刊騒ぎもあったみたいだけれど今も隔月で発行してる。
僕自身も途中、約3年間のブランクを経て、今またこーしてオートバイに乗り、一緒に走る仲間もできた。
セリエ・オロじゃあないけれどF4も手元にある。
オートバイに乗り始めた10年前とは周囲を取り巻く環境とか、家族とか、何もかもが変わって色んなしがらみもあるけれど、オートバイに乗って走ってる時だけは不思議と面倒なことや嫌なことを全て忘れることができる。
オートバイには車にはない不思議な非日常性がある。
10年前、偶然本屋で手にした一冊の雑誌との出会いがその後の僕の人生を多少は変えたのかなって思うと実に感慨深い。
僕の場合はオートバイだったわけだけれど、誰しも何がしかそんな出会いがあって、今の人生があるんじゃないだろうか、ってのは考え過ぎか。
Posted at 2011/12/07 23:06:33 | |
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