購入時、複製でシリンダーになじんでいたメインキーが折れて、OEM品でかつ、コピーのコピーから作成したイグニッションキーは途中引っかかって回らなくなったりしたので、やっぱり出荷時のキー番号でカットしないとシリンダーに合わないと思っていました。(まあ、シリンダー側もすり減ってるので一概に言えませんが)
調べていくとこのキー番号はKardexに記載されているとのこと。
いろいろ調べて今回入手することが出来ました。
Kardexとは?
Kardex は、工場の生産報告書で工場アーカイブ用に作成された台帳のコピー、オリジナルファイルは工場で安全に保管されているそうです。
入手できるのは、1950年頃の生産開始から1969年モデル終了までのほとんど車種と1970 年モデルの一部。
ポルシェ356のKardexの見方をyoutube動画で説明されています。
VIDEO “Matching numbers” and reading a Porsche kardex
入手方法は?
Kardex の入手するにはVIN(車両番号)が必要で、これを元に検索されます。
台帳は様々な内容が記載されるようになっていますが、どんな記録が記載されているのかは実際に届くまでわかりません。 今回の取得費用は240カナダドルでした(以前『ポルシェ356・ファースト・カーデックス』は¥36,180円でした。)
車両番号以外は次の番号わかれば調べてくれるようです。
今回入手したKardexです。
申請時の説明として台帳には、工場とクルマの詳細と重要な日付に関する情報を提供するディーラー (販売代理店の請求書)および販売日または保証開始日が記載されていますが、いかなる日付も制作されたものとして解釈されるべきではありませんとあって、製造ラインオフではないようです。
左上の年月日は1968年3月1日
直訳ではディストリビューターへの請求日、
356registryサイトでの訳ではデリバリー日となっておりこの日付がはっきりとはわかりません。
その右の1968年7月29日は販売日または保証スタート日
さらに右上の方にイグニッションキーとグローブボックスキーの番号が記載されています。FL〇〇〇とか3桁です。(FLは1cmほど長いキーのアルファベットと同じですが3桁じゃ足りないと思うのですが・・・)
真ん中あたりに初期装着タイヤのメーカー名が記載
クレバータイヤ(Kleber Col.V 10)というメーカーのタイヤみたいですが日本ではなじみないですね。
外装色6804でアオボリー(これはドアポストでもわかります)
その右は直訳で室内装飾品で内装色の用でブラックと書いてあります。
その下はオプションで当時三和自動車は着色フロントガラスを指定していました。
その下、三和自動車の名前と代表者名オクノマサオ、そして住所が書いてありますが読めそうで読めないです。誰か判読できますか?
あと、テスト走行で69km走っているようです。
支払金額9032マルク、1968年8月15日に受け取り、
部品無料交換や修理はないと書いています。
356registryのサイトにはドイツ語から英語への訳が書いてあります。
気づいた点
912 Technical Data
912registry記載の年式データ調べていくと記載と実車の違いもありました
この写真はトランスミッションを修理していただいたときに撮影したもの
この写真に打刻されたトランスミッション番号は902/0
Kardexの記載では902/02
これは5速トランスミッションなのですが、私のは902/0で4速です。
902/02は1965-67の北米向けスタンダードとなっています。
68年の4速は902/01でインターナショナルスタンダードがあるのですが、私の912は初期の4速902/0(65-67インターナショナル北米向け)が余ってたからつけたんでしょうか??
あと今回取次の方からメールで、912エンジンは頻繁に故障したため、交換用エンジンを供給するために生産され、自動車の年間生産台数よりも多かった。これは、912の生産が終了した後、数年間交換用エンジンを供給しなければならなかったため、特に1969年のエンジンに当てはまりますとのコメントいただきました。
このKardexを元に作られた証明書には次のものがあります
①CoA(Certificate of Authenticity出生証明書)
ポルシェアメリカでサービス提供しているCoA(Certificate of Authenticity出生証明書)はこのKardexからの情報をドイツ語から英語に翻訳して引用しているようです。(CoA ではキー コードが省略)
ポルシェジャパンでも18,144円で取り扱っていましたが現在はわかりません。
(P)Certificate of Authenticity(出生証明書)とミツワ販売証明書(2009.2.11ブログ)
当時入手したCoAです。
②三和自動車販売証明書
正規ディーラーだったミツワが輸入した車両の販売証明書で35,000円
ミツワが廃業したので2度と入手は不可
販売証明書記載内容:
VinNO.(車体番号)
年式
エンジン番号
外装色・内装色
ボディ色
ミッション形式・番号
輸入年月
オプションデータ
※ミツワの証明書は廃業で2度と入手することはできなくなりました。今にして思えば残念ですが、さすがに35,000円だったのでためらいました。35,000円のうち20,000円くらいはKadexの検索費用の実費だったかもしれません。
③PPS(オリジナル仕様を調べるサービス)$125-
オプション装備、外装・内装色、エンジン、トランスミッションのタイプ、生産完了日、メーカー希望小売価格(設定されている場合)を含む、車両のオリジナル情報が記載された証明書。
・・・中古でポルシェを購入したものの、改造や変にレストアされている場合、「オリジナルの仕様がわからない」といったケースでは非常に有用なサービスです。
④CTC(クラシック技術証明書)$500-
ディーラーが提供しているサービス。実際にディーラーへと出向いて車両の確認とともに請求を行う必要があるとのこと。
・・・車両を実際にチェックしてどこがオリジナルではないのかなどを判断できる技術者が車両を点検、エンジンやトランスミッションの製造番号が車体製造時の記録と一致しているかどうか(マッチングナンバー)も確認。
クラシック技術証明書(CTC)は内装、外装、駆動システム、下回り、サスペンションの技術的な評価が含まれ、このプロセスではプロフェッショナルによる写真が撮影され、さらにこのレポートは「スマートなパッケージ」に入っており、車両の価値を大きく上げてくれる。
Early 911s Registryのフォーラム
Early 911s registry
912registryでのKardexについてのフォーラム
a href='https://derwhites356literature.com/KardexvCertificateofAuthenticity.html' target='_blank'>De rWhite の3 56 、 911 & 912 ポルシェKARDEX v. 証明書!
1967 - ポルシェ カーズ パシフィック - カリフォルニア州バーリンゲーム
証明書で240カナダドル(27,000円)もするので高いのでやめようかとも思ったのですが、上記912registryも現在活動がされていないようで、ひょっとするとミツワみたいに無くなるかもしれず、なくなる前にと思い取得しました。
運営維持は大変かなとも思います。設立時のメンバーさんもだんだん亡くなったり、クルマも変わったりと活動が減っているような気がします。あと2005年くらいからのメンバーなのですが年会費のクレジット決済が2年前からできなくなっているのでなんかおかしいのではと思っていました。HPでも今後の活動についてのアンケートを募ってました。
取り次いでいただいた912registryのメンバーさんも912registryが上記のような状況ですし、いつまで連絡つくかわかりません。
入手したい方は今のうちではないかと思います。