エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチのシム調整
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
エアコンが時々効かなくなるので、先日はエアコンガスをDラーで見てもらいました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/465425/car/393575/7420806/note.aspx
しかし、ガスはちゃんと入っており、ずっとエンジンとエアコンをかけておくと温くなってくるので、解決には至らなかったとのこと。
ただ、真空引きして水分とかは減ったせいか、少し調子良くなったような気がしてました。
よって、マグネットクラッチのシム調整は、慌てる必要がない気がしてましたが、いちおう、オフで開いてる時のクリアランスを点検してみて、開き過ぎなら調整することにしました。
マグネットクラッチは、運転席側フロントのタイヤ/ホイールを外した奥の、このスプラッシュにシールドの右裏にいます。
プラリベットは、下側に隠れているのとか、ホイールアーチ側のシールドと共留めになっているのも含めて六ヶ所ですね。
2
とにかく一番面倒くさいのが、シム調整よりもスプラッシュシールドの脱着ですね。
大嫌いですこの作業。
ちまちまと、リベットを1つずつ外していく作業とか、戻す時に穴が合わなくて、パズルのようにハメ具合を調整する作業とか。
結局、ホイールアーチのシールドも外します。
ここで四ヶ所のプラリベットとボルト。
3
ここら辺の見えないところに二ヶ所のプラリベット。
4
ここら辺は、六ケ所のプラリベットとボルト。
5
で、スプラッシュシールドを全て外すと、マグネットクラッチがこんにちは。
だいぶ奥ですね。
錆で赤いです。
6
シックネスゲージは持ってないので、用意したのがこれら。
仕事で使ってるガラス基板の捨てるやつ。
0.5 mm厚と0.3 mm厚。
そして、その隣の金尺も0.5 mm厚です。
つまり、これらの組み合わせで、
0.3、0.5、0.8、1.0、1.3 mmを測れるわけです。
7
クリアランスを測ってみると、
0.8 mm以上で1.0 mm以下となりました。
先日話を聞いたDラー出入りの電装屋さん曰く、0.5〜0.8 mmか適正クリアランスだそうですから、少しだけ開きすぎですね。
エアコンが、ほぼ効くけど時々効かないというのと合っている気がします。
熱くなるとマグネットクラッチの電磁石のコイル銅線の抵抗が増えますが、車は基本的には定電圧源ですから、電圧が変わらないとすると、オームの法則で電流が下がりますね。
しかし、エアコン効かない時は電圧も下がることが確認されているので、電流はさらに下がります。
電磁石による力は、電圧ではなく電流で決まるので、クラッチを押さえる力が減ります。
フレミングの左手の法則ですね。
そこにクラッチのクリアランスが開きすぎていると、圧着力が足らなくなり、クラッチが滑る、そしてコンプレッサーに十分な動力が伝わらない、ということなのではないでしょうか?
クラッチの金属が熱膨張してという考察も見かけますが、クラッチの蓋側と本体側、それぞれ熱膨張すると、クリアランスは減る方向ですよね。
違うと思います。
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開いていたので、クラッチを分解して、クリアランスを調整しましょう。
真ん中のナットは、14HEXです。
メガネレンチが入ります。
スパナはオススメしませんが、そんなに固く締まってないので、ラチェットなら緩むと思います。
ただし、プリーは軽くナットと一緒に回ってしまうので、他のメガネレンチなど、棒状のものでプーリーをロックした状態で、ナットを回します。
なお、画像は締めるときです。
緩める時は、プーリーのロックのために棒を突っ込む向きが逆になりますね。
結局、真下まで潜りました。
ここまで潜るなら、スプラッシュシールドを外さなくてもいいのでは?とも思いました。
↓
後日訂正:
最低でも、1の画像に見えるスプラッシュシールドは外さなければダメですね。
構造を熟知していないなら、ホイールアーチのシールドも取り外し必須です。
9
クラッチの蓋側が外れた図。
私は、他の方の整備を拝見して、シムは青い矢印の錆びている方かと思ってましたが、赤い矢印のプランプランになっている方でした。
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蓋とシムのサイズ感はこんな感じです。
シムの外径ほ14 mm、内径は10 mmでした。
厚みは0.6 mmで、これ一枚だけ入ってました。
錆で赤かったクラッチの蓋側は、水拭きするとここまで元の黒い塗装が現れました。
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0.9 mmくらいのクリアランスに対し、0.6 mmのシムを一枚抜く調整しかできません。
つまり、0.3 mmくらいのクリアランスになります。
少し狭い気もしますが、上に書いた電装屋さんからは、規定より狭くても当たってなければOKで、偏摩耗してなきゃいいねと言われてました。
とりあえず、0.6 mm厚のシム無しで付けてみました。
0.5 mmはないけどギリギリ0.3 mmはあるという結果になりました。
つまり、調整前のクリアランスは、より正確には0.95 mmくらいだっとということですね。
調整後のクリアランスでも、どこかで微妙に当たっているという感じはなく、クラッチの蓋側はロックされてないと軽々と回りました。
偏摩耗が無いようで良かったです。
シムは、様々な厚みがアマゾンとかでも1枚100円くらいで売ってるので、より正しいクリアランスにもできなくもないですが、今回の措置で問題はなさそうなので、これで行きます。
もう減らすシムは無いので、次にクリアランスが開きすぎたら、蓋側を削るか、マグネットクラッチ交換ですね。
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スプラッシュシールドを戻して完了です。
蚊よけに、長袖長ズボンでやったので、暑かったです。
肝心のエアコンはどうなったかというと、スイッチのオン・オフでちゃんとオン・オフするし、風の冷たさも連動しました。
先程は、日が暮れかけて気温は下がり気味でしたが、エアコンガスの圧縮が無い状態からのエンジン始動でいきなり冷たい風がでました。
全くエアコンが効かなかった状態から復活したという話ではないので、本当に効果が出ているのかは、しばらく乗りながら様子を見てみたいと思います。
↓
後日乗ってみて:
翌日に15kmくらい走ってみましたが、走行風当てないとヌルめではあるけど、ずっとエアコン効いてました。
走行風当たると、風量最強でもちゃんと冷えますね。
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