
いきなりですが、また今さらですが、かつて家(車)で所有してじっくり聴いた事のあるBOSEのスピーカーの個人的感想を備忘録を兼ねてまとめてみました。色々写真も撮っていたはずなのに大分消してしまっており惜しいことをしました。
・USAホンダのアコードクーペ搭載の本場USA製BOSEサウンドシステム
初めてBOSEが身近に来たのがこれでした。母が1993年頃から初代フォーカスに乗り換えるまで乗っていた車で、このBOSEの音は今でも忘れることができないくらいBOSEの全盛期の音。「ハイレゾ?何ですかそれ?何ならCDも無いカセットデッキだけすが…」なアナログシステムでしたが、出てくる音は今のCHINA製BOSEでは出せない味のある音なのは今でもはっきり覚えています。当時これでSavage GardenのI Want Youを何度も聴きました。
・101IT
とてもバランスが良く、101シリーズの中では珍しく専用ドライバーな事もあり上まですっきり伸びた素直なスピーカーです。ロールエッジも相まって101MMや111ADのドライバーよりもストロークがあり、その印象通り出てくる音も柔らかさがプラスされています。キャビネットの側面をそのまま一面なめらかなフレア形状のバスレフポート出口に利用したエアロダイナポートから出てくる、厚みのある濁りのない低音も素晴らしかったのですが、唯一残念だったのは111ADに比べ、ビジュアル的にはスタイリッシュなキャビネットが逆に強度としては若干落ちてしまい、若干箱鳴りを感じた点です。アメリカ製で、上記のアコードのBOSEに通ずる本場BOSEの音がします。ただし低域の締まり具合は、キャビネット強度の差とストローク量は少なめながらその分張りのある定評のドライバーだからか、若干111ADの方が上に感じます。
・111AD
101MMにエアロダイナポートを追加して、若干サイズも大きくBOX容量をより確保して低音を強化したモデル。このドライバーは…決してハイファイではないですしクラシックなどは本当にミスマッチなのですが、逆にロック系はその辺の下手な2WAYスピーカーより味・コシのある不思議な音を出します。またFLATより色々イコライジングした方が本領を発揮します。キャビネットも肉厚で、さらに101MM同様凹凸リブ入りキャビネットで強度抜群。重ね重ねこのシリーズが消えたのが勿体ないです。日本製。
・WestBorough 120
WestBoroughシリーズのハイパースタードライバー搭載モデル。初めて新品購入したBOSEのスピーカーで、101系に比べ上まで(101ITより更に)伸び切っており気持ちの良いサウンドでしたが、中域は逆に101MMや111ADの方が味がありました。ただし111ADなどとは違いクラシック系も普通に綺麗にソツなく鳴らしてくれる素直さがあります。またこのモデルは完全ネットワークレス(あの星形ラバーで振動板そのものをうまくチューニング)でスピーカーターミナルからそのままユニット直結であり、そこからあの分離の良い音が出るのは感心したものですが、一方低域はBOSEらしくなくすぐに音割れしてしまい、もう少し耐入力性能があれば完璧でした。またツインテーパードフレアポートから出る低音も111ADや101ITのエアロダイナポート程魅力的な低音では無く、音量を上げるとすぐに濁り始めてBOSEのバスレフポートとしては微妙でした。日本製。BOSEと聞くとパワーをぶち込んでガンガン鳴らすスピーカーの印象が強いですが、本機は真逆で小音量で繊細な音を楽しむのにピッタリなスピーカーでした。そういった用途には今でもBOSEフルレンジパッシブスピーカーの中ではかなりおススメです。
・300PM
スタードライバー2発のスピーカー。かなりガッチリした肉厚MDFキャビネットと強力なユニットで、出てくる音は良い意味でBOSEらしいキレのあるサウンドでした。120もスタードライバー系ユニットという点では共通なものの、こちらは見た目も赤くて触ってもさらにカッチリとした、業務使用も当然想定された様ないかにも耐久性抜群のドライバーで、120や100Jのスタードライバーとは別物です。アンプの音量を上げてもユニット・BOX共にびくともせず、高域の伸びはあともう一歩ほしかったですが、MDFのBOXの一部で組まれた強固なスリットポートから出てくる低域もノイズ皆無でしっかりしており、ユニット自身もカッチリ制動が効いて締まり感もありました。不快な箱鳴りも皆無で、トータルバランスもかなりGoodなBOSEの力作スピーカーだと今でも思います。11.5cm2発ながら、16.5cmウーファーの2WAYスピーカーの201シリーズよりもパンチのある音でした。コストダウンモデル201Vなど足元にも及ばない全盛期のBOSEサウンドです。売ってしまったのが今になって惜しまれます。バナナプラグ対応ターミナル。カナダ製。
・Companion2 SeriesⅡ
聴きやすいバランスの良い音で、お手頃ながらきちんとBOSEの音がして好印象でした。低域はCompanion20と比べるのはかわいそうですが、至近距離用途ならこちらの方が癖がなく、ポン置きでもあまり環境に左右されず心地よい音を出してくれました。しかしユニット自身のポテンシャルはそこまで高くなく、DSPで大分調味している感じはあります。小音量で厚みのある音が出るのは独特なものの決して大音量は出せず、音割れはしない代わりにすぐにリミッターがかかるので限界が分かりやすいモデルでした。またこのシリーズのモデルのラバーエッジは硬化しやすいためか、経年劣化でクラックが入っている個体も多いです。
・Companion20
低域はたっぷりで、購入当初はこんな小さなドライバーからよくこれだけモリモリ出てくるものだと感心しましたが、決して重低音は出ておらず、またキレもあまりないドロドロした低音で高域も濁っていました。ジャンルをかなり選び、ボーカル物などは特に籠り気味で潤いが無く、1枚膜を挟んだ様な不自然な音色で不快に感じてきました。また実際数年間使って思ったのは、デスクトップスピーカーながらある程度左右を離して、またちょっと離れて聴かないと濃すぎるサウンドで、置き場所を選ぶ、またジャンルも選ぶ、良くも悪くも癖のあるスピーカーでした。メキシコ製。この頃からBOSEの凋落が始まっていったような気がします。
・SoundLink Mini(初代)
この大きさにして、重低音まではさすがにきついものの中域も味のあるサウンドで好きでしたが、当時JBL CHARGE2が発売されて購入して同時に聴き比べると、BOSEの方は不自然な位籠った音色に聴こえてしまいトータルバランスはJBL CHARGE2の方が好みでした。 メキシコ製。ちなみにJBLのアクティブスピーカーもさらに前に有線モデルのJBL ON TOUR等も購入した事があり、中高音が綺麗で繊細な音色を楽しめるスピーカーでした。その頃に比べると、最近は低域のパンチ力が一気に増したポータブルスピーカーも増え、その辺りは時代の進化を感じます。
・AW-1
BOSEの2.1CHラジカセ。低域は11.5cmのおなじみの△ドライバーにアコースティックウェーブガイドを組み合わせ、低域はラジカセのそれどころか下手なミニコンポレベルも超えていました。量感も圧倒的でしたが、それより量感に負けてドロドロ鈍い低音になっていない点の方が素晴らしいです。Companion20などとは次元の違う高品位重低音です。中高域もクリアでしたが、その中高域を受け持つ上の左右のドライバーは少量密閉BOXに収められており、エッジも一体型のフィックスドエッジでさほどストローク量も無く、音量を上げるとちょっとピーキーで苦しいかなと思う時もありました。日本製。余談ですが、バブル時代は国内メーカーもSONYのDoDeCaHORN、SANYOのZooSCENE、VictorのG-HORNなど、低域専用ウーファーユニット+BOSEのアコースティックウェーブガイドと同じ様にクネクネ道のロングダクトを持ったモデルが多数あり楽しかった時代だなぁと、バブル後世代ながら思います。今でも実家ではRC-X770が稼動状態であります。※厳密にはRC-X770もですが、クネクネ音道ダクトの無いウーファーBOXのモデルもあります。
あとは店頭では201シリーズや301シリーズ、WestBoroughシリーズの121 125 363 464シリーズも聴いた事はありますが、特に店頭で聴いてもさすがだなぁと印象に残っているのは363です。AM-5シリーズでもおなじみのスタガードバスレフ方式に似たアクースティマス式のまろやかで厚みのある低音、中高域は121だけでもある意味十分なのに、更に贅沢にテトロンのソフトドームツィーターまで組み合わせた結果、温かく滑らかで低域と繋がりも文句無しの中高域が今でも印象的です。硬くてドライ目な印象だった464よりも数世代古く、464の方がユニット数も多くぱっと見贅沢に見えますが、個人的には363の方が名機だと思いますし、一つ一つのユニットも363の方がより高品質な物を積んでいるように感じます。464はアクースティマス方式+パッシブラジエーターユニットで構成は贅沢ですが、どうも音が重い印象で音の温かさを感じる大事な中音が弱く薄く、中高域はクリアなものの低域と一体感無く鳴っていた、という印象です。店頭なのでただ単にアンプが鳴らしきれていなかったのもあると思いますし、鳴らし込むとしっかり鳴る可能性も十分にありますが、それだけ難しそうなスピーカーな印象です。
また201 301シリーズは、201AVM 301AVMがモデルチェンジを重ねるごとに熟成されてきた、シリーズの集大成とも呼べるピークのモデルで、それ以降のモデルは悲しいかなどんどんコストダウンと共に造りも音もグレードダウンしています。214 314まではまだ良かったのですが、それ以降の201V 301Vで一気にさらににコストダウンされてしまい、AVMのシリーズ後継なのかもしれませんが、もはや別クラスのスピーカーになってしまいました。しかしそれら新型モデルがその分安くなったのか?といえば全然そうではなく、為替の影響か昔の良モデルの価格を知っている者から見ると、近頃のBOSEはあまりに品質に対しボッタクリです。
最近でもBOSEはBluetoothスピーカーやイヤホンで元気ですが、個人的には一番BOSEが輝いていたのは101シリーズを筆頭に、11.5cmドライバーにいろんな種類があり、それらを搭載した数多くのモデルがあった頃、また廉価クラスですらメキシコ製で中国製モデルがまだ1つも無かった頃までかなぁと思います。ボーズ博士が亡くなった後のBOSEとジョブズ氏が亡くなった後のApple、どこか似ているような気もしますがこれからどう進化していくのか楽しみです。
余談ですが、BOSE BOSEと言いながら、オーディオ一式を手放す前のスピーカーはJBLの580CHというトールボーイスピーカーで、これも新品購入数年で泣く泣く(いや、おめでたく)結婚でしばらくゆっくり音楽を聴くなどできそうにないため勿体ないので手放し、今現在はJBLのCINEMA BASEというテレビボードスピーカー1本です。これはこれで好きな音がするので楽しめていますが、いつかまたぼちぼちアンプ、スピーカーなどからオーディオ一式組みたいものです。。BOSEではありませんが、写真のDIATONEのDS-97CやDS-73DⅡも時代を超えても魅力溢れる良いスピーカーでした。
この動画は実家にいた時の部屋録りですが、マイクの関係でちょっとどらいに聴こえますが、実際はもっと温もりのあるサウンドで好みでした。
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2018/01/30 18:09:11