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『＜地震＞静岡・富士宮で震度６強＝午後１０時３１分』

　１５日午後１０時３１分ごろ、静岡県富士宮市で震度６強を観測した。気象庁によると震源地は静岡県東部で、震源の深さは約１０キロ、地震の規模を示すマグニチュードは６．０と推定される。なお、この地震による津波の心配はないという。


　東北を中心として甚大な被害を出した大震災のプレート境界型地震と今回の震源は直接の因果関係は無いと言われてはいますが、次第に震源が南下しているのははたして偶然なのか、何かの予兆なのか？

被災してから10日が経ちました。

救援物資も豊富になり当初の無い無い尽くしからかなり環境は良くなってきました。
しかし断水は未だ解消されず、体を濡れタオルで拭くだけの避難所生活が続いていました。今、東日本大震災で被災し避難所に身を寄せている方々も同じような環境だともいます。

この日、ある知らせがもたらされました。それは自衛隊の設営した通称『テント風呂』が完成し今日から入れると言うのです。但し住民全部をさばき切れる数は用意が出来ていないので、生活弱者の方から優先的に入浴をする事になりました。

健常者の僕は本来なら後回しなのですが、いつの間にか施設の介護スタッフの名簿に名を連ねていて（実施見よう見真似で炊きだし方介助などずーっと携わってはいましたから・・・）、父の入浴介助を石川県から派遣された看護師Mさんと一緒に行う事になりました。

オトンは歳の割に体が大きく、大人二人でないと入浴介助が無理なんです。何故ならこのテント風呂は地面にシートを張り、その上に単管を組んで、簡易的なプールを作りその中に湯を張る仮設浴槽・・・、そう深さの分だけまたぐ高さもしっかりあり健常者じゃないとすんなり入れないつわものなんです。

Mさんと僕がオトンの服を脱がせ、椅子に座らせその間に僕らも真っ裸になって、両脇を二人で抱えゆっくりオトンを浴槽に抱きかかえる形で入れてあげます。
深さがあり、足の不自由なオトンはそのままにしておくと溺れてしまうので、自衛隊員の方の許しを乞うて洗い場のイスを湯船に沈めそこに座らせるように入浴させました。

10日ぶりの風呂・・・、その時のオトンの気持ちよさそうな顔は忘れられません。おかげで僕らも一緒に湯を頂けたので素直に嬉しかったです。
お風呂に5日くらい入らない結構体臭がヤバい事になりますが、10日入らないと周りのみんなも同じ状況なので鼻が麻痺して意外と平気だったりします。


※ちょっと余談です。
　このテント風呂は川の水を汲み上げ特殊な作業車でものすごーくキレイに濾過して、それを沸かし浴槽に流し込む・・・、ある意味かけ流しのお風呂。
　入浴剤が入っているミドリのお湯なんですがかけ流し故だんだん薄まっていきます。なので自衛隊の隊員の方が次から次にバスクリン（あっ　商品言っちゃった　^_^;）を入れるもんですから家庭で入るよりもかなり濃いめです。
　そのせいかスゲー温まりました　（＾◇＾）

　何回かここを利用させてもらい、利用時間が午後10時となっていたので、出入り口にいた隊員の方に、『僕らが入った後、このお湯はどうすんですか？』と質問すると、『衛生上一旦排水して空にしてから浴槽を洗います』。
僕は素直な気持ちで、『捨てる前に隊員の皆さんが入浴してから捨てるんですよね？』と聞くと『このお風呂は被災者の為に用意した物ですので私どもが入る事はありません』と答えてくれました。

　自衛隊の各部隊はだいたい5日～１週間で交代します。つまり彼らは汗を流して僕らにお風呂を用意しながらもかなりの期間お風呂にも入らず被災者に奉仕をしている訳です。頭が下がります<(_ _)>

被災してから約１週間が経ったころだと記憶しています・・・、道路の復旧が済みようやく孤立状態から解放されました。しかし応急修理なので夜間は場所によっては危険と判断されバリケードが置かれていました。

ここでコマジェの機動性が生きます。車で脱出できなくてもバイクなら何とか通過・・・、ホントはイケないんでしょうが非常時ですから多少の事は目をつぶってもらいましょう。

先ず僕はメール等で安否確認が出来ていたスタッフの自宅に一軒一軒回って無事を確認して回りました。メールの文字で『大丈夫です』と返ってきてもやっぱり顔を見るまでは安心できません。ひとりひとり、人災からの境遇を語り合い、ご家族とも無事を分かち合い・・・、場合によっては抱き合ったり・・・。

その後所轄警察に寄り、状況を聞きました。県外からの警察が応援に来ている事、道路の寸断状況等も地図を交えて情報を貰いました。

翌日僕が先ず行った事はスタッフの雇用問題・・・、ハローワークに出向き店舗も被災し直ぐに働けない状況を説明すると災害特例の給付制度があると説明を受けます。
それは再度雇用をする事を条件に一旦解雇する・・・、その場合待機期間無しに失業保険が給付されると言う救済特例制度。

この制度を使うためとはいえ『解雇』という響きはちょっと切なくなりました。後日各々の家に訪問し、制度の趣旨を説明して離職票にサインをしてもらいました。
ただ当時のルールで１週間の就業時間がある一定に満たない短時間労働の場合、保険料納付から12ヶ月経たないと給付対象とならないものがあり、お一人だけこれにギリギリ満たず救済出来なかったのが悔やまれました。

離職票をハローワークに提出、受理されると○の中に『災』の判を押されこれにて手続き完了。スタッフからはこの手続きが早かったおかげで収入が途絶えることなく数ヶ月過ごせる事が出来て助かりましたと言われた時は素直に嬉しかったです。